第2回 後輩から慕われる親方を目指して。

相模テック 五十嵐文哉

好きなクルマや大切な家族のために、きつくてもそれに見合った給料がもらえるこの仕事で汗を流している五十嵐さん。しかし、五十嵐さんを支えているのは、それだけではなかった。

五十嵐さんは現在28歳。今の会社に入ったきっかけは、昔からの友だちだった同社の社長に誘われたからだという。

「社長だけでなく、この会社には他にも友だちがたくさんいるんです」

この仕事に就く理由の一つに「友だちから誘われて」と答える鳶は多い。五十嵐さんの場合もまさにそれで、しかも同社には彼の昔からの友だちも数多く入社しているようだ。

しかも同社は「平均年齢が多分25〜26歳」というほど若い。だから仕事を離れた時の彼らの会話は、終始笑い声が絶えず、端から見るとまるでクラブ活動の延長のようにも感じられる。

みんな若くて、しかも昔からの友だちが多いと、きっとちょっとした会話や仕草で、仕事のきつさを和らげやすくなるのではないだろうか。例えば、クルマが入らなくて離れた場所まで部材を担いで運ぶ時でも、仲間同士で冗談を言い合いながら、という具合に。

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さらに、休日でも一緒に遊びに行くほど彼らは仲が良いそうだ。

「休みの日は、会社の仲間とよくバーベキューをやったり、スノボーに出かけたりしています。そういうのもこの仕事のモチベーションですね」

休みの日は思い切り遊んで、オンオフのメリハリをつけると、やはり仕事に張り合いが出てくる。しかも仕事以外の場でも仲間と家族ぐるみで付き合うことで、お互いの意思疎通が自然とできるようになり、仕事を効率よく進められるのかもしれない。

実際、5月24日に行われた鳶-1グランプリでは、参加した6社中一番早く課題を組み上げた。五十嵐さんを含め、同社の鳶ただ仕事中に冗談を言い合う仲良しクラブ、などではないのだ。

そんな仲間を親方としてまとめる五十嵐さんの今の目標は「後輩たちの目標になるような親方になること」だという。

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「みんなから尊敬されるような親方になりたいですね。そう思うと、後輩たちからの目が気になって、だからこそきちんとひとつ一つ丁寧に、安全に仕事をするよう心がけるようになりました」

尊敬される親方になるという目標。それが、仲間と仕事をする安心感や楽しさ以外の、五十嵐さんのもう一つのモチベーションになっているようだ。

友達にも鳶の事を教える。

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