第2回「50歳過ぎまで鳶をやりたい」そのための秘訣とは?

鳶に惚れ込み、辛い現場でも親方として段取りよく人を動かす。そんな石関さんが今心がけていることはどんなことか。そしてモチベーションは何かを聞いてみた。

図面を見て部材の数を出し、頭の中でもいいから一人で組み立てられるようになれば一人前の鳶、という石関さん。親方になって10年、数々の現場で多くの鳶を動かしてきた石関さんは、普段どんなことを心がけているのだろうか。

「僕らの後に現場に入る相手に合わせて、使いやすい足場を組むことですね。例えば使う人の背が高いか低いかによっても、組む足場は違うと思います」

背の高い人と低い人では、それぞれ仕事のしやすい足場がある。言われてみればなるほどと思うが、そうなると普段から多くの職人の仕事ぶりを見て、何をどうすれば使いやすくなるのか常に観察する必要がある。

「ですから、やはりそこは場数が必要です」

親方を10年やってもまだまだ考えるべきことがある。鳶は奥の深い仕事だ。

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「50歳過ぎまで現場に出たいんですけどね。体がもつかな(笑)」

これは鳶という仕事に魅力を感じているからこその思いかもしれないが、石関さんにはもう一つ、理由があった。それは2年ほど前にマイホームを購入したことだ。

「子どもが3人いて、上から小学校6年生、4年生、保育園の年長組。30歳を過ぎると、ローンを組めるのも残り30年くらいじゃないですか。子ども3人で賃貸では狭くなったし、思い切って購入しました」

ローンの返済、さらに子どもたちのこれからの教育費を考えると、「家族のために、この仕事をずっと続けたい」という気持ちが仕事の大きなモチベーションになっているようだ。となると、休日は子どもたちと遊ぶのが楽しみなのではないか、尋ねてみた。

「最近は子どもたちが習い事を始めたりした関係で、休日はいつも一緒に遊ばなくなりました。最近は休日くらいゆっくり家で寝転んでテレビを見たかったので、ちょうどよかった(笑)」

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子どもが小さい頃は、あっちへ連れていけこっちに行こうと大変だった、と笑う石関さん。テレビを見ながらゆっくりできる休日があるというのは、50歳過ぎまで鳶を続けるために必要なことかもしれない。

それに、子どもと一緒に遊ぶことが家を買った目的ではない。自分の買った家に、毎日家族の笑顔があふれていること。そのために石関さんは今日も働いている。

友達にも鳶の事を教える。

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