肩の力は抜き、仕事は手を抜かない

鳶職人は現場の花と言われる仕事だ。高所をものともせずに、重い資材を運搬して瞬く間に足場を組み上げていく。そんな職人の姿に憧れ、高い志を持ってこの世界に入った、という人は多い。・・・とはいえ、当然これがすべての職人に当てはまるわけではない。

「子供が出来たからですかね。それまでは現場系の仕事をふらふらしてたんですけど、きちんとした仕事就いて稼がなきゃいけないってなって。そんな時、友人に誘われて、ちょうどいっか!ってことで足場を始めました。」

今回のインタビュー先である青川治正さんは、そう言って笑った。足場だけで16年、現場に入ってからは20年以上の大ベテランである。現場から帰ってきたばかりで忙しい合間をぬっての取材にもかかわらず、彼は気さくにこちらの質問に応えてくれた。

「鳶という仕事のいいところは、毎回違うところで仕事ができることですね。現場によって仕事の内容も周囲の景色も全然違うんで、飽きないですね。」

同じような作業を同じ場所で延々と繰り返す、そんな仕事は性に合わないという。彼にとって、あちこちに飛び回り、日々新しい現場を前に頭を悩ますことになる足場鳶の仕事は、まさに天職なのだろう。
今年で39歳。肉体的にはピークを過ぎ、現場仕事にもしんどさが出てきたというが、「そこはきつい部分は若い子に頑張ってもらって。笑」とジョーク気味に語る。この適度に肩の力を抜けたスタンスこそが、彼が鳶という過酷な仕事を長年続けていられる秘訣なのかもしれない。

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一方で、いざ現場に入れば決して手を抜くことはない。仕事へのこだわりに関して聞くと、「たとえどんなに厄介であっても、お客様からの注文は極力聞くこと」だそうだ。シンプルだが、足場を組むうえで最も難しいポイントでもある。

「工事の終わり際ぎりぎりで、突然ここに追加で架けて欲しい、とか言われると特にめんどいですよね笑」

それでも、その「めんどい注文」を断ることはない。自分の受け持った仕事には責任を持ち、出来る限り完璧な状態でお客様に渡す。当たり前のことを当たり前にこなす。こなすことが出来る。それが、鳶職人青川治正なのだ。

インタビュー第二回へ続く・・・

友達にも鳶の事を教える。

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