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やっちまった親方!職人のクビ宣言は取り消せる!?

「てめーなんかクビだ!!明日から出てくんな!!」

そうでなくても気の荒い職人の世界、危険と背中合わせだからこそ飛び出すこんなセリフ。
昭和時代の親方の下で修業した職人たちなら、これって、別に珍しくもない日常茶飯事だった、はず。

ただ・・・ドライでクールな平成っ子たちには通用しないから困るんです!

「そうですか。じゃあ、解雇ってことですね?」

「即日の解雇ですから、労働基準法に従って・・・。」

エエエエエ!?まてまてまてっ!辞めろって意味じゃねえ!慌てんな!!
ってどっちが慌ててるのか分からないハナシに!?
やっちまったクビ宣言、取り消すことはできるのでしょうか?

「事実上の解雇の言い渡し」は口頭でも可能だけど・・・?

さてさて、この「やっちまった」が本当に「職人のクビ切りになるか?」そこがはっきりすれば、取り消しのできる・できないもわかりますね。
言い換えると、「口頭でクビを言い渡したら法律的に有効か?」ということに。

結論からいえば、クビ=解雇は口頭での言渡しも法律上は有効です。

ですから「クビだ!」と怒鳴っただけでも「実質的な解雇の言い渡し」としては有効ということはできます。
ただ、職人をはじめとする「労働者」は親方(個人事業主)や会社などの「雇主の都合」でお手軽に首を切られちゃたまらないので、基本、「よっぽどの理由がなければカンタンに首切りしてはいけない」というルールもあります。

また、「言った言わない」で後々もめないように、法律のルールではないけれど「なるべく文書を取り交わして通達することが勧められてもいるんです。
口頭で言われたことは「伝えられた証拠」が出しにくいもの。だから、ちょっとズルい言い方をすれば「言った側からの取り消しは可能性大」ということが言えると思います。

即日解雇は絶対NG!うっかり「やっちまう」と大損する危険!

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うっかりでも「辞めちまえ!明日から来るな!」は実は最悪。これ、「即日解雇」と認められる可能性があるからです。
解雇は最短でも30日前の予告が大原則。これを守らないと、30日に足りない日数分の「解雇予告手当」の支給義務が発生してしまいます。
即日解雇をやっちまうと、「働かせてもいないのに、1か月分の給料を払わされる」ということに!

即日解雇がやむを得ず認められるケースは、職人側によっぽどの問題があるような懲戒解雇などごくごく稀なケースに限られます。どんなに腹が立っても「明日から来るな!」は慎重に。

やっちまった後は「言われた側」の態度もポイント

うっかり「やっちまった!」でも、言い渡したことの証拠が残せない場合では、実は言われた側の職人がどんな反応をするか?もポイントなんです。

昭和の生き残りタイプで「なんだと、ざけんじゃねえ!このクソ親父!!」てな感じに発奮して翌日も出勤してきてくれたなら、問題なし!
「言い過ぎたこと」は認めて、変わらず働いてもらえばいいだけ。働いている側が「クビを認めない」なら、解雇が成立しないからです。

言われた側が本気で辞めてしまうようなら、1日は待ってみて、連絡してみましょう。
本気でクビを切るつもりはないなら、やっちまった親方側にもちょっとだけ譲歩の余地はあるのかもしれません。

口は災いのモト!クビを言い渡すときは慎重にいきましょう。

友達にも鳶の事を教える。

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