第2回 わかるまで教えることが重要

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キャリアを積み重ねることは、自分だけでなく後輩にも気をつかわないといけない立場になることでもある。10代の鳶が珍しくないこの世界で伊藤さんは後輩鳶の育成に試行錯誤している。

ぼんやりとではあるが、将来独立を考えている伊藤さん。今後どういう鳶になりたいと考えているのだろう。

「誰が見ても文句のない職人になりたいですね」

一人前の鳶とは、仕事をスムーズにこなすことはもちろん、周りから職人として認められることが重要だと考えている。具体的なイメージは先輩親方なのだそうだ。

「飴と鞭を上手く使いわけたりはしませんでしたが、仕事中焦ったりせずどっしり構えている人でした。自分のなかではその先輩親方が目標ですね」

伊藤さん以外の鳶さんからは「あの人は無理」と言われることも多かったその先輩だが、性格的にあったのだろうか。その先輩親方に言われたことで今でも心に残っていることがあるという。

「経験を重ねて一人で現場に行き始めたころ、先輩親方に『自分のことだけを考えるな!』と注意されました。自分では気がつきませんでしたが、仕事ぶりがおおざっぱになっていたみたいです。後輩ができはじめたばかりで周りに目がいっていなかったのでしょうね」

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そんな伊藤さんだが、いまや親方として後輩の面倒をみる立場になった。後輩に接することで気をつけていることはあるのだろうか。

「自分はどちからというと怒られるより放っておかれてここまできたので、感情的に怒らないことを心がけています。でも人に教えることは難しいですね…。一人前の鳶とは、人に仕事を教えられるようになることだと考えているのですが、言葉で伝えることは難しいですし、自分が実践して憶えさせるのも難しい」

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ただ、教えることが難しいからこそ若い鳶への面倒をみることを諦めないそうだ。

「とにかく心がけているのは、相手が憶えられないのなら、わかるまで教えること」

足場を組むことがやりづらい現場で作業が終わった瞬間の開放感がこの仕事でとくにやりがいを感じるとき。親方として今後も後身の育成に悩みながらも、多くの鳶を育てていくことだろう。

友達にも鳶の事を教える。

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