――今日の現場はバラし作業。建物入り口付近の足場を解体中の様子を写した一枚だ。出っ張った屋根に沿うように組み、更に入り口前なのできちんと人が通れ、かつ危険がないように養生も入念に施す。結果完成した足場はまるで最初からこういう造形なんじゃないか?なんて一瞬思ってしまうほど、建物と一体化していた。
だが、バラす。役割を終えればすぐさま解体され、部材一つ残さず消える。それが足場の運命だ。どんなに美しく、使いやすい足場を組んだとしても、それがずっと残り続けることはない。
だから、職人たちは言うのだ、「俺の足場を見てくれよ。」と。形になんて残らなくてもいいから、誰かの記憶に残る仕事をしてやろう。それが鳶職人の心意気なのかもしれない。
友達にも鳶の事を教える。