ビケ足場について、一から十まですべてを解き明かしてしまおうというこの特集。
今回は足場鳶の皆さんが普段から触れている足場材、そのタイプの違いについてのお話です!
「タイプ」と言われてなんじゃそらと思う方もいるかもしれませんね。実はビケ足場はメーカーごとに異なる特徴があり、それぞれが「〇〇タイプ、タイプ〇〇」という形で大きく三つに分けられているのです。それでは、これら三つのタイプを早速解説していきましょう!
1.ビケ足場といえばこれ!業界最大シェアを誇る「キャッチャータイプ(タイプA)」!
最初に紹介するのは『信和株式会社』の商品、キャッチャータイプ、別名タイプAです。国内の足場材シェア率ナンバーワンの足場材で、実に足場屋の二会社に一つが使っている計算ですね。
本足場材は支柱についているクサビポケット(コマ)間の有効寸法が450㎜、1層のスパンが1800㎜になっています。施工解体が早く、普及率が高い関係で価格や手に入りやすさも優秀と、弱点らしい弱点のない優等生です。おそらく皆さんが一番なじみ深い足場材でしょう。
2.ビケ足場の元祖!戸建てに強い「ビケタイプ(タイプB)」!
次は『株式会社ダイサン』の商品であるビケタイプ、別名タイプBです。低層向けに設計された足場材で、規格もポケット間の有効寸法が475㎜、一層のスパンが1,900㎜とタイプAと若干寸法が異なります。また、踏板(アンチ)、ブラケットにタイプAには無いクサビポケットが付いており(下画像を参照)これにより施工後に揺れの少ない安全な足場が完成します。
(あしば職人.comより)
値段こそタイプAよりも割高であること、仕様の関係でタイプAと比べ組み立て時にやや手間がかかることが弱点ですが、戸建てや低層の現場であれば足場の安定度はピカイチです。戸建てを中心に工事を行う足場会社はこちらを使う傾向にありますね。
また、実はビケ足場・・・正式名称クサビ緊結式足場の足場材を最初に世に出したのはこのダイサンだったりします。「ビケ足場」という呼び名も、ダイサンが最初に開発した商品名から来ており、同社が商標登録もしています。
3.施工が早く扱いやすい!スピードがウリの「三共タイプ(セブン足場)」!
(住まいの建材.comより)
最後に紹介するのは『株式会社三共』の商品である三共タイプです。タイプC、セブン足場とも呼ばれますね。
このタイプの特徴はブラケットのクサビが独自の形状になっていることですね。足場材としての強みはタイプA、Bと比べ軽く、扱いやすさです。単純な施工性では並みいる足場材の中でもトップクラスといえるでしょう。他タイプと比べ足場完成時の揺れが大きいことと、価格が高く、手に入れにくいのがデメリットでしょうか。
このように、一見大差ないように思えた足場材ですが、実はタイプによって全く特徴が異なっていたのです。皆さんも今回の内容を参考に自身の会社で使っている足場材のタイプを確認して、タイプごとの得意、不得意を意識しながら足場を組んでみてはいかがでしょう?意外な発見があるかもしれませんよ!
・今回参考にさせていただいた文献
:あしば職人.com「クサビ式足場を見分ける方法」
友達にも鳶の事を教える。