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油断大敵!ついついやってませんか?「不安全行動」

不安全行動とは労災事故を起こす原因になりかねない危険な行動のこと。

こういわれると、足場の上でダンスをするみたいな、あほらしいほど極端に危ない行動を思い浮かべてしまうのではないでしょうか?

でも、実際に事故が起こってから「不安全行動」と指摘されるのは、実は、「ウッカリ」「つい」やってしまうような些細なミスが少なくありません。
実際に発生した事故から、不安全行動の事例を知っておきましょう。

事例1:安全策を外したままの足場で19歳女性鳶が転落死

こちらは文字と写真を中心としたニュース動画になります。新聞各社の報道をまとめると、
転落により亡くなったのは、神戸市に住む山本七海さん(19歳)で、3か月前に鳶職人として入社したばかりの新人職人でした。

京都大学医学部付属病院の外壁工事のために6人で足場を組んでいたところ、15メーターの高さからコンクリートの路上に転落し、意識不明の重体で救急搬送されましたが、入院先の病院で亡くなりました。

事故後の調査により、「資材搬入の作業のために、「筋交い」を外していた」と言うことが判明しました。
これは明確な労働安全衛生法違反に当たります。筋交を外しての作業を行う場合は安全帯の着用も義務化されていますが、それもしていませんでした。

会社側の説明では、忙しくてついウッカリ戻すのを忘れていた、と話したそうです。

実は安全措置の面からすると、筋交だけでも十分ではないことが、平成19年の実験で確認されています。(こちらの動画は転落事故の実験なので、苦手な人はスキップしてください)

19歳といえば、まだまだ青春!3か月目の新入社員は経験も不十分であり、高所の安全措置をシッカリ指導する必要もあったことでしょう。
失われた命は二度と戻りません。助かったとしても大けがの後遺症が残るかもしれないことを考えれば、事故を起こさないことが何よりも大切だといえるでしょう。

事例2:命綱をつけず危険な動作で転落

ネットニュースで報道され、まとめ記事にも掲載されている仙台市の事例です。
2017年12月1日、宮城県仙台市宮城野区中野5丁目の金属製品工場増築工事現場で、鳶職・高橋善行さん(34歳が)高さ7メートルの骨組みから転落する事故が起こりました。
高橋さんは全身を強く打ち、搬送先の市内の病院で間もなく死亡したそうです。

その後の警察の調べにより、高橋さんは命綱を装着しないまま、鉄骨の骨組みに跨るようにして作業しているときに、バランスを崩して転落したということが分かりました。
この事故では、命綱の装着が徹底されていれば、あるいはケガはしたかもしれないけれども、命は助かったのではないか?と思われるケースです。

鉄骨の上で跨るような作業姿勢というのも、突風や地震などの外的な要因でバランスを損なう危険もあり、可能な限り避けたいことだと思います。
この事故では警察が現場の安全管理体制に不備がなかったか?も調査しているそうです。
「大丈夫だろう」といった気のゆるみは思わぬ大参事を招く結果になりかねないことも、意識しておく必要があるでしょう。

過去の事例を知っておくことも大切な事故防止

労災事故は起こってしまってからでは遅いもの。事故防止には何が必要なのかを知っておくことは、実際の現場での予防効果があります。

中央労働災害防止協会が設置している、安全衛生情報センターの公式サイトでは、過去に起こった労災事故の事例紹介もしています。

墜落・転落災害事例ヒヤリハットのページでは鳶職人をはじめ、高所作業時の労災事故事例が紹介されています。
自分の担当現場での事故予防に役立つ情報ですから、一度目を通してみるのもオススメです。

今日も、ご安全に!

友達にも鳶の事を教える。

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