前回に引き続き、鳶の細かい分類についてお話していきます。今回紹介するのは今までの鳶とは一味違う鳶職人です。
同じ鳶さんでも、大物を専門に扱う鳶職人もいます。こちらの鳶職人は、街中の鳶さんとは少し違った仕事もしているのが特徴。あまりしられていないODAとのかかわりもお伝えします。
大物専門の「重量鳶」!ビックプロジェクトからODAまで世界で知られる日本の技術
鳶の中でも桁違いに「でかいもの」を専門に作る鳶職人がいます。橋、ビル、高架、工場など、巨大建造物の建設現場で活躍する「重量鳶」は、知られざる武勇伝の持ち主たちだった!・・・ということで、今回は重量鳶についてまとめます。
●重量鳶
巨大建造物を重機で扱う鳶職人です。大型クレーンなどの建築車両、工作物の据え付け、解体、移動、運搬などをこなします。
仕事のジャンルがさらに細かく分かれていて、移動専門にする「曳き屋」、特に橋を専門にする人を「橋梁鳶」などと分けて呼ぶこともあります。
こちらは、鳶職には違いありませんが、クレーンオペレーターや、溶接、溶断など、これ以外の職場とは少し違う技術が必要とされる仕事になります。大手建設会社に所属している人が多いのも特徴の一つです。
実は世界でも有名な重量鳶
重量鳶の仕事は、大手建設会社が請け負うビッグプロジェクトが多いのが特徴です。日本国内のビッグプロジェクト、老朽化した高速道路の橋撤去交換、そればかりでなく、海外協力である政府開発援助(ODA)まで、大規模建設を専門としています。
職人さんではありますが、会社員としてのカラーが強くなるのも特徴かもしれません。また、使う道具も街中の鳶さんと違うことから、必須資格も多くなってきます。特殊な資格は会社が取らせてくれるものが多いそうです。
レインボーブリッジや、瀬戸大橋など、日本の橋は姿の美しいものが多いですね。これは、設計技術はもちろんのこと、図面通りに建てあげる施工技術が高くなければできないシゴトです。日本国内の基準はとても厳しいので、どこもハイレベルすぎて、これが当たり前になってしまっているけれど、世界基準ではとんでもない技術をもったプロ集団なんですね。
アジア各国のODAでは、日本の技術と一緒に日本の「業務への取り組み姿勢」も高く評価されています。
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知って嬉しいパラオのODAの橋
日本が海外で建設した橋の中でも、特に、パラオのKBブリッジ事件で、鹿島建設がODAで建てた「日本-パラオ友好の橋」は、もっと知られてもいいと思います。
これは、先に建設された橋(KBブリッジ)が建設後20年目を待たずに崩落し、国費がないことから再建を断念したのに対し、日本がODAで鹿島建設が新しい橋を建てたもの。落ちた橋がドコ製だったということはさておき、完成写真の橋の美しさの違いは歴然!これだけでも見る価値あります。日本の橋は本当に美しいです。
パラオの記念切手にもなってます。
友達にも鳶の事を教える。