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防げ、落下事故!六本木足場落下事故から学ぶ検証

鳶職人にとっての永遠のテーマ「高所」について

昨年10月、東京六本木で起こった落下事故。マンションの工事現場から落下した鉄パイプが、足場の下を歩いていた男性の頭部を直撃!死亡事故に発展し、2017年10月10日、遺族が東京地検に告訴状を提出しました。

なぜ、人身事故を防ぐことができなかったのか?足場からの落下物が引き起こした大惨事を追いました。

足場からの落下物は「極めて危険な凶器」

事故が発生したのは2016年10月14日朝、間もなく10時になろうという頃のこと。マンション外壁に設置されていた、足場の解体作業中の出来事でした。亡くなった飯村一彦さんは、工事のために設けられた歩行者用の迂回路を、交通誘導員の指示に従って通行中に、不幸にも事故にみまわれてしまいました。

足場からの落下物で事故が起きた場合、加速度がついて破壊力を増した状況になります。 そのパワーは

「 画鋲一つ落としても、高層ビルからなら人が死ぬくらいの衝撃になる」

と、例えられるほど。 足場からの落下物事故は、落ちた途端に「極めて危険な凶器」となり、深刻な事態を招くことがよくわかります。

運がよくて大怪我、悪くすれば死亡事故に簡単に繋がってしまうのです。

足場から物を落として人を怪我させたら刑事事件になる

保険

この事件では死亡した飯村一彦さんの遺族が、工事会社の作業員と現場責任者を相手取って刑事告訴まで発展しました。この二人がしっかりと、必要な注意をして作業していれば、飯村さんは亡くなることはなかった、ということなのでしょう。

東京地検に送られた告訴状の罪名は業務上過失致死罪です。

つまり、「落下事故を起こしたら一発で刑事事件になってしまう」ことを、この事故はよくあらわしています。刑事事件の被告人は「前科」がついてしまうのですから、「うっかり落とした」では済まされない、重大な事件を起こしてしまうことになりかねません。

現場の安全対策が不十分だった疑いも

告訴状では現場周辺の目撃情報から

①作業員が両手で抱えた数本の鉄パイプのうち1本が落下して、飯村さんの頭に直撃した。
② 落下事故防止のための朝顔養生に隙間があった。
③現場責任者は②を知りながら、足場下の通路を担当する交通誘導員に適切な指示をしていなかった。

などの指摘がされているそうです。

言われてみれば自分の現場でも簡単に怒ってしまいそうなことばかりなのが怖いですね。
落下物に対する安全対策は何と言っても予防が大切です。

・無理して、持ちきれないほどの本数のモノを抱えてしまっていないか?
・落下した時に、防護柵がしっかり受け止めてくれる状態になっているか?
・ 万一、防護柵の隙間から落ちても、人が通ることのない場所で安全が確保されているか?

など、 3つの要点は今日からでも現場に活かせる教訓を含んでいる気がします

落下物は、予期せぬタイミングで発生してしまうもの。やはり防護をしっかり行うことが、一番重要な点なのではないでしょうか

友達にも鳶の事を教える。

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