熱中症に効果あり!と注目のトレンドアイテム「空調服」
空調服(またはファンつき作業服)は、前から見たところは普通のブルゾン。
ややオーバーサイズ気味で、ゆったりしていること以外は、特に変わった感じはありません。
着用してファンを作動させているところを見ると・・・。
「パラシュート?」
風を吹き込んで、ふわーっとふくらんでいるところは、本当に軽い感じです。
「あれー?店頭で、見たのは普通の木綿ぽい布で作ってたぞ?メーカーが違うとざいしつも違うのかね?」
「生地の種類で冷却効果が変わるんじゃ?」
ハイ、これには理由があります!空調服の材質に関する疑問にお答えします!
実は色々ある!空調服の素材
初めにネタばらしをしちゃうと、空調服の素材は
・薄くて軽いポリエステル
・作業服素材ではお馴染みの木綿・
・木綿と化学繊維を混ぜて織った混紡
・目的別の特殊素材
・使い捨て素材
と、かなり色々なものが用意されているんです。
これは、空調服を使う現場によって、ベースとなる木地に求められる性質が変わるため。
しかし、共通点として、どの素材も「通風性は弱く、軽くて風をはらむ」という特徴は備えているようです。
空調服の基本素材はポリエステル
空調服で一番よく使われているのはポリエステルという化学繊維です。
軽くて丈夫、摩擦に強い繊維を使って、空気を通しにくい目の詰まった生地に仕上げています。
空調服はブルゾンの中にファンで空気を送り込み、襟首と両手首から風が通り抜ける仕組み。
ファンが取り込んだ空気が襟首、両手首以外から空気が漏れてしまうと、気化熱で体温を下げる効果が低下してしまいます。
高い気密性があって、軽くて体の動きを妨げないポリエステルは空調服にぴったりな素材なんですね。
木綿系は火を使う現場向け空調服に利用
ポリエステルは空調服にぴったりな生地ですが、石油由来の化学繊維独特の弱点も。それは、
・熱に弱い
・燃えやすい
こと。火花が散るような仕事場では、ポリエステルだと簡単に穴が開いたり、悪くすると服そのものに火がついて燃え出す危険さえ考えられます。
温度はさほど高くなくても、毎日長時間高温を浴びていると、生地がわずかずつ縮んでしまう可能性も。
そこで、スパークが飛ぶ心配があるような場所や、高温にさらされる場所向けには熱に強い木綿を使った空調服が用意されています。
木綿は化学繊維と混紡にすると、じょうぶで熱に強く、軽い生地を作ることができるので、破れにくい服作りができます。こうした混紡生地も空調服に取り入れられています。
ちなみに木綿だからと言って、別段ポリエステルより冷却効果が悪化するということはないようです。
鳶なら現場で空調服は使い分ける!
鳶職人の場合だと、足場鳶ならば、ポリエステルや混紡生地の空調服が、
鉄骨や橋梁鳶など溶接やサンダー使用でスパークが散る可能性があるような現場で働くならば、木綿の空調服がマッチしていると考えられます。
デザインだけでなく素材を意識することで、長く安全に空調服を使うことができるでしょう。
友達にも鳶の事を教える。