突然ですがクイズです!足場の種類って、どれくらいあるかご存知ですか?
くさび、枠、単管・・・ぱっと思いつきそうなのはこれくらいでしょうか。それでは、これらの足場の特徴を誰かに説明することってできますか?・・・意外と難しいですよね笑
「仮設足場」を日ごろから取り扱っている我々ですが、一口に足場といってもその種類は多岐に渡り、その一つ一つが全く異なる特徴を持っています。そして足場に携わる者として、自身の業界のことはいくら知っていても損はないはず・・・。そこで鳶人では今回から特集を組み、身近なようで遠い「仮設足場」の世界を改めて解説していきたいと思います。皆さんもこのシリーズを読んで、足場マスターを目指しましょう!第一回目となる今回は、「ビケ(くさび)足場」についてご紹介します。
「低コスト&短納期」、「小回り」がウリ!高水準なバランスのビケ足場!
「ビケ足場」・・・正式名称「くさび緊結式足場(くさび足場)」は現在、「枠組足場」と並んで多くの工事現場等で使用されている足場です。どちらも作業員が使用するための足場ということに違いはないのですが、くさび足場は「くさび式」の名の通り、緊結部にくさびを使用しています。
ちなみに「ビケ足場」という呼び方が少し耳慣れない方もいるかもしれませんが、これは株式会社大三機工商会(現「株式会社ダイサン」)が国内初めて開発したくさび緊結式足場が「ビケ足場」という名称であったことから来ているようです。初めて世に出た商品名が、そのまま定着していったということですね。
くさび足場は足場の中では比較的新しく登場したものですが、これまでの足場にはなかった多くのメリットがあり、登場以来急激に勢力を伸ばしてきています。そのメリットは大きく分けて二つあります。
メリット1:低コスト&短周期
くさび足場が持つ最大のメリットは低コストと短納期です。いわゆる枠組足場は高層建築等で使用することを前提にしているため、材料のひとつひとつが重く、組立にレッカーが必要になります。このことがどうしてもコストや工期に影響を与えますが、一方のくさび足場は中層・低層の建物であれば人力で組み立てることが出来るため、コストと時間の低減が可能です。
くさび足場のメリットが最も発揮される高さは、低層の一般住宅、或いは中層~30メートル前後(ビル9階程度)までの高層建築と言われています。この範囲であればくさび足場による低コスト、短納期というメリットをフルに活かすことができます。ちなみにくさび足場を使用するのは地上45メートルの建物までという取り決めが為されています(法改正前は31メートルまで)。これ以上の高さになる場合、建地に補強が必要となってきてしまい、くさび足場では手間やコストがかさんでしまうようになってきます。対照的にこの規模で強さを発揮してくるのが後の回で解説する「枠組足場」となります。
工場や倉庫といった産業に使用するための建物は、その性質上コストや工期においてシビアであることが多いものです。これらの建物において多くの実績を有していることは、くさび足場の特性が評価された結果と言えるでしょう。
メリット2:複雑な形状の建物に強い
くさび足場のメリットは、コストや工期だけではありません。
「小回り」もくさび足場の持つ大きなメリットです。「小回り」とはどういうことでしょうか。ブロックに例えてみましょう。タンクやプラントなど、曲線の多い建物に沿ってブロックを組み立てていく場合、ブロックひとつひとつが大きいと、どうしても建物にフィットしにくくなります。しかし、ブロックを小さくすれば、建物の形状にフィットしやすくなります。これと同じことが足場に言えるのです。
くさび足場は材料のひとつひとつが小さいため、複雑な形状の現場においてもしっかりフィットする足場を設置することが可能になります。
例として、本サイトの運営会社でもある「平尾化建株式会社」では、タンク、プラントなど形状が複雑な現場だけでなく、大手テーマパークや映画のセットなどユニークな施工実績があります。これらはくさび足場の持つ「小回り」という特性が活かされた事例と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?従来よりも低コスト、短周期で組み立てが出来、複雑な形状の建物にも強い。これまでの足場の良いところを併せ持ったハイブリッド足場、それがくさび足場なのです!
それでは、次回以降も様々な種類の足場を紹介していきたいと思います。こうご期待!
友達にも鳶の事を教える。