ビケとビティ・・・これ、何の事だかわかりますか?正解は、どちらも足場の呼び方です。足場に携わっている人なら二つの呼び方のうちどちらかはなんとなくにせよ聞いたことはあるのではないでしょうか。
ちなみに、似たような響きではありますが、これらはどちらも同じ足場を指す同じ由来の言葉・・・というわけではありません。勘違いされている方もたまにいますが、ビケとビティは全くの別物なのです(筆者も新人の頃はごっちゃにしていました笑)。
そこで今回は、なんだかややこしいビケ足場とビティ足場の違いについて、お話していきたいと思います!
ビケはくさびでビティは枠!意外に知らないそれぞれの由来
最初にビケとビティ、これらの言葉が意味するところの違いをお教えします。簡単に言ってしまえば、ビケ足場とはくさび緊結式足場の、ビティ足場は鋼製枠組み足場の通称です。これら二種類の足場はともに現在の足場業界の主流と呼べる足場で、また得意とする範囲が近いこともあり、競合する場面も多くあります。その上言葉の字面まで似ているとなれば・・・ビケとビティの混同が起こりやすい理由もわかる気がしますね笑。
さて、続いては二つの言葉の由来ですが、実はこれはまったく異なるものとなっております。
ビケ足場の由来は、商品名から来ています。1979年、株式会社大三機工商会(現、株式会社ダイサン)が国内初めての、くさび緊結式足場を開発しました。その足場の商品名が、「ビケ足場」であったことから、クサビ足場が浸透していく際に、元祖の商品名である「ビケ足場」という呼び名が広まっていったようです。
ちなみにビケ足場の「ビケ」とは、「美形」から来ているという説があります。クサビ足場の大きなウリは細かいユニットを組み合わせて複雑な現場にも対応可能なことです。無理のない綺麗な足場を組む、建築現場を美しい型で表現するということで、美型足場=ビケ足場になったということのようです。
対してビティ足場の由来は、このタイプの足場の考案者であるデビッド・イー・ビティの名前から来ています。鋼製枠組み足場であるビティ足場は、住友金属建材株式会社(現:日鐵住金建材株式会社)が日本で初めて枠組み足場を開発した際の製品です。
そしてこのビティ足場ですが、「ビテイ」であったり「ビディ」であったりと、地域によって微妙に呼び方に変化があるのが面白いところです。別の地域の職人さんと話す機会があれば、一度確認してみるといい話のタネになるかもしれませんよ!
友達にも鳶の事を教える。