東日本大震災、新潟地震、熊本地震などなど、ここ最近大規模災害に見舞われることが多い日本列島。
そんな被災地で、密かに復興支援で活躍する鳶たちがいることをご存知ですか?意外な鳶の仕事シリーズ、今回は災害復旧と鳶の活躍について送ります。
被災地で頼りにされる鳶!
記録始まって以来「日本最大の地震」と言われた東日本大震災から早6年。被災地に建てられた復興のための仮設住宅も、復興が進むのに合わせて少しずつ数が減っていく宿命にあります。
冬の寒さが厳しい東北地方で、「暖房していても寒い。」「結露が酷い。」「夏は屋根からの熱が暑すぎる。」と、マスコミたちは散々叩いてくれていましたけど、その割には悲しいくらい「誰が建てた?」は取り上げられていなかったようで・・・
この復興仮設住宅の多くは、軽量鉄骨プレハブ造。まさに鳶職人たちが得意としている建築物の一つなんです。
東日本大震災では津波による被害で、多くの被災者たちが住宅を奪われました。被災地での生活再建のためには、多くの仮設住宅建設が必要でした。
建物が無事でも、屋根瓦の破損した住宅に、ブルーシートを張る支援を行った足場会社などもありました。
被災地にボランティアで各地から駆け付けた鳶たちがいなかったら、復興支援も進まなかったことでしょう。
足場でお馴染みな単管・クランプが活躍!
足場鳶は仮設建築物のエキスパートです。そんな鳶の得意分野は仮設住宅だけではなく、生活のために必要な小さな建築物でも大活躍していました。
プレハブの仮設住宅、室内には生活に必要な台所、風呂、トイレなどは備わっていますが、ベランダなどはないことがほとんど。そこで困るのが「洗濯物干場」です。
洗濯機を置く場所はあっても、洗った洗濯物は物干し場を確保して、干せるようにしなくてはなりません。
そこで鳶職人たちの得意技、単管やクランプを利用した共同物干し場の設置が行われたことがあるんです。
http://www.moving-s.com/blog/archives/2011/05/15003631.php
http://www.fujitani.biz/?page=page15
(それぞれ震災時に実際に行われた鳶会社の活動を発信したページです。)
洗濯物がはためく様子は、「日常」を取り戻せた証拠のヒトコマ。日光に消毒された、おひさまの匂いがする洗濯物は、きっと仮設住宅の中へ、ささやかな幸せを運んでくれたに違いありません。
文化財の復旧工事にも鳶が活躍!
(https://www.dailyshincho.jp/article/2016/04270500/?all=1 より)
熊本地震で大規模な被害を受けた熊本城。大きく揺れる天守閣から、土埃と瓦が落ちる様子がニュースでも映し出されていましたね。石垣の崩落など、大きな被害を受けたものの、現在も急ピッチで復旧工事が進められている真っ最中です。
この復旧工事では、天守閣の周囲が足場で囲まれ、更に屋根の上に大きな鉄骨が飛び出している様子で観光客に驚かれているようです。
もちろん、これらの足場も鳶職人の活躍で作られたもの。重要文化財の修復では、真っ先に行われるのが足場の設置工事です。足場がかからなければ、被災地の貴重な文化財の補修さえ始まらない!決して目立たないようでいて、今日も鳶たちはあちこちの被災地の復旧に一役買っているのかもしれません。
友達にも鳶の事を教える。