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【知って得する!足場の種類特集】丸太足場 編

数多くある足場の種類、その一つ一つの概要を紹介して行くこのコーナー。今回は現在の足場の元祖ともいうべき由緒正しい足場、「丸太足場」についてご紹介します。

最大のウリは「木材」であること!金属にはない強みを活かす!

丸太足場1

丸太足場は、建地、布、腕木、足場板、大筋かい等の部材によって構成されてています。丸太足場に用いられるメインの部材となる木材は、直径10cm程度(胴元)・末口5cm程度・長さ6m程度の皮を剥いただけの自然木(木なり品)が使われることが多く、その丸太どうしを鉄線(ナマシ番線等)で締め上げて固定・組み上げられています。
古来より長きに渡り日本の足場業界を支えてきた丸太足場ですが、残念ながら現在では使われることは少なくなってきています。その一番の要因は強度です。各部材が丸太材であり、かつ、各部材の緊結が番線で行われているため、強度上の信頼性では鋼材を用いる各種の足場より劣ってしまうのです。
また、現在主流である枠、くさび足場と比べると組み立て、解体作業に手間がかかってしまうというのも難点であり、現在では木造建築工事等の低層住宅建築工事を除き、最近の使用率はほとんど無くなってしまっています。

しかし、一方で木材でないといけない、という工事も存在し、そういった場面では丸太足場は未だ重宝されています。例えば木材は非導電性であるため、電波塔等の工事で、鋼管部材が使用できないところでは今でも使用されています。他にも神社仏閣等の文化財の修理時や神事祭礼の際にも、鋼材で建物を傷つけないために、或いは古来の様式に則る形で丸太足場による工事が行われることもあります。この代表的な例としては清水寺や、伊勢神宮で20年に一度行われる神宮式年遷宮があります。

このように利便性の点では現行の足場に一歩劣る丸太足場ですが、伝統の技術として、今でも脈々とその流れは受け継がれているのでしょう。

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