数多くある足場の種類、その一つ一つの概要を紹介して行くこのコーナー。第三回目は現在の最主流である枠組み足場とくさび足場、その先祖ともいうべき存在である「単管足場」について学んでいこうと思います。
丸太足場からの進化!単管と緊結金具(クランプ)で作るシンプルな足場!
(出典:http://builmax.jp/business4.html)
単管足場は、文字通り建地を単管パイプで、足場部分もまた両側で抱き合わせた単管パイプで(ここは足場板を敷く場合もある)組み立てる足場です。この足場は、従来丸太材を用いて組まれていたものが、丸太材の代わりに単管足場用鋼材を用いて組み立てられるようにしたもので、本足場、棚足場、一側足場として使用されます。
柱材と足場材に同じ材料を使う点、抱き合わせて足場を組むところは、丸太足場とほぼ同じであり、登場の経緯からいっても単管足場は丸太足場の正当な進化形と言えるでしょう。
単管足場は、高所工事用足場としても使用することができますが、現在では枠組み足場に比べ、建地の座屈に対する抵抗性が少なく耐久性でやや劣ること、またくさび足場と比べ組み立て、解体作業に手間を要すること等からこれら二種の足場に使用率で押され気味です。また、1972年に施工された安衛則により、定められた安全基準を満たすのが難しくなってしまったことも向かい風となっているようです。
しかし、単管足場にはこれら二つの足場にはない強みを持っています。それがくさび足場以上の高い自由度です。
先ほども述べた通り単管足場は基本的に単管パイプと緊結金具(クランプ)や単管ジョイントで作られたシンプルな足場です。そのシンプルさ故、部材が軽く、柱の位置や足を乗せる足場の高さを自由に設計可能な他、パイプを自由な長さに切断して継ぎ足したりも出来ます。これらの特性を生かせる、都心部の建物にあるような足場板すら流せないような狭い現場や、少しの場所に組んでほしいといった仕事の場合に単管足場は本領を発揮することが出来るでしょう。実際、一戸建てや低層の倉庫等では今も単管足場を使って工事を行っている風景をよく目にすることと思います。
現在の足場に至る流れを作った単管足場、現在では枠組み足場とくさび足場に第一線を譲りつつも、後輩たちが苦手とする場面では今でもいぶし銀の活躍を見せてくれます。まさに適材適所、どんな現場にも対応できるよう細分化していったことで、現在のように多様な足場が生まれていったのかもしれませんね。
友達にも鳶の事を教える。