―――今日の一枚は、マンションに架けられた足場を撮った一枚だ。
十層を超える高さもさることながら、やはり目につくのは根がらみ部分ではないだろうか。この足場工事は切り立った斜面からマンション屋上までの範囲に足場を架けるというものだが。普通に地面に足を立てようとしても躯体と距離が離れすぎてしまい、まともに作業ができなくなってしまう。ならばどうするか?
その答えがこの写真にはある。対面から補強をしつつ、斜面の上に浮かせるようにして、てっぺんまで届く柱を垂直に立てる。これが内柱となって、写真の面の足場の基準の骨組みになるのだ。・・・簡単に書きはしたが、実際の施工は困難を極めることになるだろう。何せ斜面には足を立てられない以上、作業員が直接斜面に立ち、不安定な状態の中で組んでいかなければならない。少しでも手順を誤れば大事故は必至だ。素人ではもはやどうやって組むのか作業風景すら思い浮かばないのではないだろうか。
こんなまるで翼でもなければ不可能じゃないかと思われるような場所で平然と足場を組み立ててしまうのが、鳶職人という生き物なのである。
友達にも鳶の事を教える。