鳶の皆さん、今日も現場作業お疲れ様です!
鳶職人と言えば、オシャレな作業着で現場入りしている若い職人さんを多く見かけますよね。中には「それ私服じゃないの!?」と思うようなカジュアルな恰好で足場に上がっているワカトビなんかも時折目にします。
確かに、足場鳶は現場内で火気や機械類、薬品などの危険な存在と触れることがほぼないため、他業種の現場作業員と比べてかなり作業服の選択の幅が広いです。
ですが、そんな中でもやはり守らなければならないポイントはあり、そこを押さえていない限りは作業服として認められないこともあります。特にゼネコンが元請けで入っているような大きな現場ではチェックの目はかなり厳しくなることも・・・。
そこで今回は、足場業界に入って日の浅いワカトビ諸君に向けて、作業服装のルールについてお話ししたいと思います!
服の乱れは気持ちの乱れ!正しい作業服装を心がけよう!
人が行動する場合には、その行動に適した服装があります。服装が乱れていていては良い仕事は出来ません。更に、服装の乱れは気持ちのゆるみを表し、これが原因となって事故を起こすことがあります。正しい服装は作業がしやすくなるのみならず、災害から身を守ることに繋がるのです。
では、その正しい服装とは具体的にどのようなものなのでしょう?その疑問の答えとして建設業労働災害防止協会は、このように定めています。
①作業服は、体にきちんと合ったものを着用する。上着やズボンのすそが機会に巻き込まれたり、突起物に引っ掛かったりしないよう、上着のボタンを止め、ズボンのすそ及び袖口をしぼる。タオルを腰にぶら下げたり、首に巻き付けて作業をしない。
②ほころび等は、すぐにつくろっておく。
③いつも清潔に保っておく。油のしみついた作業服は火が付きやすく危険である。
④肌を出した作業(作業服)は危険であり、夏期や暑い場所でも、肌を出した状態で作業をしてはならない。また、肌を出すとかえって疲労しやすい。
では、早速各項目についてみていきましょう。
まずは①ですが、これは足場上のコブや立ち上げ中の柱の先端が引っ掛かって手元足元が狂い、作業員や工具、足場材の飛散落下事故を防ぐ意味合いが強いですね。特に足元は作業中おろそかになりやすい部分です。
作業服には袖口をしぼれるニッカボッカや、裾がひらひらしないストレートタイプのパンツなどが望ましいでしょう。
②、③に関しては身だしなみの点や、ほつれから出ていたくず糸が作業中突起物に絡まり、①と同様に飛散落下事故の原因になる場合があります。これらはちょっと意識すればすぐに改善できる部分なはずなので、常に気を付けましょう。
そして④ですが、肌を露出しての作業は本当に危険です。足場のコブにぶつけて負傷したり、夏場の熱された足場材にうっかり触ってしまってやけどしたりと、生傷の確率が大幅に上がってしまいます。
現場監督からも真っ先に注意を受ける項目で、下手をすると一発で現場出禁を喰らう可能性すらあります。間違っても半袖半ズボンでの現場入りは避けましょう。
それでも夏場は暑くて仕方ない、どうしても半袖がいい・・・というワカトビ諸君は、「アームガード」と呼ばれる二の腕に付ける薄手のタイツのようなアイテムを使うようにしましょう。
通気性抜群で殆ど半袖と変わらない快適さを維持しながら、しっかり腕をカバー出来ます。(ただし、特別厳しい現場ではこれも注意を受けることがありますので、あくまでご使用は自己責任でお願いしますね!笑)
(商品名:HUMMER クールアームガード)
こちらがアームガードです。この商品以外にもさまざまな種類があるので興味があれば探してみてはいかがでしょう?
さて、これらの項目以外にも、作業服装についていくつか気を付けなければならない点があるので触れておきましょう。
最初に半ばガテン系のトレードマークと化している「頭にタオルを巻く」行為について。私たち足場鳶の中にも特に夏場の汗ばむ季節は、ヘルメットの下にタオルを巻いて汗が垂れるのを防ぐ人がいますが、これは厳密にいうと危険行為に当たります。
というのもヘルメットと頭の間に厚みのあるタオルを挟むことでヘルメットがずれやすくなり、作業中にヘルメットがずり落ちてしまう可能性があるからです。もし頭に何かを巻いて作業をしたい場合は、薄手の手ぬぐいやバンダナを用意するとよいでしょう。
そしてもう一つ、作業服の「色」についてです。基本的にここはあまりうるさく言われるところではないのですが、ごくまれに「赤」の色が禁止になる場合があります。
それはどんな時かというと・・・JRなどの鉄道関係の施設が絡む工事です。なんでも、電車の運転手が赤い作業服を見て緊急信号と勘違いし、急ブレーキを踏んでしまう可能性を排除するためだとか。
こちらに関しては噂の域を出ない話ですが、覚えておいて損はないのではないでしょうか・・・。
以上になります!皆さんはきちんとルールに守った服装を選べていましたか?
色々と書いては来ましたが、基本的には作業中危険になりそうな格好は禁止!という一言に纏められてしまいますね笑。作業服は仕事中常に身に付けることになる大事なアイテム。
それを最低限のルールさえ守れば何の気兼ねもなく、自分の好きなものを身に付けていられる鳶という仕事。これって非常に恵まれた環境といえるのではないでしょうか。
友達にも鳶の事を教える。