今年6月に発売されて以来、建設業界各所で注目されている次世代足場『SPS(サイレントパワーシステム)』。
今回はそんなSPSが使用されている現場に取材に行ってきました!
枠組足場と同様の強みを持ちながら、クサビ足場に劣らない作業効率を誇ると謳われているSPS。果たしてこの足場材の真の実力とは!?
看板に偽りなし!これが新世代のスタンダード、SPSだ!
今回の舞台は千葉県のとある新築の大規模施工現場。
平尾化建株式会社が足場架設を担当するこの現場に、今話題の次世代足場『SPS』が使用されていると聞き、我々鳶人編集部はやってきました。
我々が現場入りした時間はちょうどお昼過ぎ。昼礼が終わり作業が始まったわけですが・・・まず真っ先に気づいたのは組み立ての速さ。
そのスピードは通常のクサビ足場を比べても大きな差はありません。
ベースがクサビ足場であるため、当たり前と言えば当たり前ですが、枠のスピードと比べると作業効率は格段に向上しているのがわかります。
そしてもう一つ気づいたことは、ハンマーの打音がほとんど目立たないということ。
これはSPSのウリの一つである、「樹脂ハンマーを用いた施工による騒音低減」が効いているということですね。
騒音は特に都市部や住宅地での施工時に大きな問題になる部分です。
そのリスクが削減されるということは、元請けや施工管理者の立場としては大変ありがたいのではないでしょうか。
・・・しかし、ここで筆者に一つの疑問が浮かびました。
「本当に金属ハンマーじゃなくてもしっかりとポケットに打ち込めるのだろうか?」
既存の足場作業時にゴムハンマーや樹脂ハンマー等の非金属ハンマーを使った際の問題点として挙げられていたのが、衝撃が足りずに何度もポケットに打ち込まなければならなくなることでした。
もしいくら打音自体が低減されても、打ち込む回数が大きく増えてしまっては結局打音が響いてしまい、作業効率も落ちてしまうのでは・・・。
そんな筆者の疑念を解消してくれたのが、これまたSPSの強みである、「ロック機構を内蔵した手すりと新構造ポケット」の存在でした。
これら二つの機構の存在により、SPSは従来のクサビ足場と比べ、強く深く撃ち込まずとも十分な強度が確保されています。
それゆえに樹脂ハンマーであっても施工効率が落ちることなく作業を行えるというわけです。
流石は最新鋭の足場材、隙がありません・・・!
そうこうしているうちに作業がひと段落ついたので、筆者は本現場で足場架設工事の責任者である『平尾化建千葉プロジェクト部』の豊柴職長に、SPSの使用感について話を伺いました。
「抜け止めの存在や感覚的な部分でまだ慣れない部分はありますが、逆に使い続けていけばさほど従来の足場との違いは気にならないと思います。樹脂ハンマーでの打ち込みも楽ですし、ポケットのつくりの関係で先行手すりが入れやすいなど今までにないメリットもあります。」
どうやら使用感は従来の足場材と大きな差異はなく、寧ろ改良された部分もあるということのようです。せっかく性能が向上した新部材を使っても、肝心の使用感が劣悪であれば作業員から不満が出てしまいます。ですがこの様子なら、作業員サイドも大きな抵抗なく受け入れてもらえるのではないでしょうか。
以上で取材の内容は終了です!まとめると、『SPSの看板に偽りなし!』といったところでしょうか!笑
更に今回の現場では機会がありませんでしたが、SPSは枠と同じ大組、大払しにも対応しているという強みもあります。
これは本来枠組み足場だけの特権であった領分ですが、SPSの登場により、今後の足場業界の勢力図が変わっていくかもしれませんね!
足場界の風雲児SPSから、まだまだ目が離せません!
友達にも鳶の事を教える。