青色申告が黒字になると所得税を「払う」必要がある
前回ご紹介した「青色申告が提出期限に間に合わなさそう時の裏技」の方法で黒字になってしまった場合、3月15日までに一旦所得税を払わなければなりません。源泉所得税の還付金がないばかりか、払いが出てくるわけで、数千円ならまだしも、万札が飛んでいくとなるとキツイものがありますね。
こういうときに限って、「ホントはまだ、経費があるのにー」「よく考えてみたら、まだアレもコレも残ってた!」ということも。そういうときも、リベンジで計算をしなおして払い足した分の所得税を少しでも返してもらう裏技についてお話します。
一旦提出した申告書を訂正できる「更正の請求」
経費をつける、と言われると「もれなく!」というイメージがあります。しかし、一方で事業主は経費を払ったって、「遠慮して、経費に取らない判断」もできるわけです。特に現金払いの場合や、家賃、水道光熱費、固定資産税や自動車税、減価償却などの家計と按分する必要がある出費は計算が面倒だと省いてしまいがちですね
仕事に関係ない出費まで経費につけてしまうのは問題ですが、「うっかり経費を計算し忘れた」ということは、わざとではないのですから、当然に救済措置があります。確定申告は提出した後5年間に限って、「更正の請求」という手続で間違ったところを訂正して還付を受けることができる決まりがあります。(平成23年分以前は、更正の請求が認められるのは1年分のみです)
更正の請求が認められて払い過ぎた税金があれば「減額更正」によって、還付金が戻ってきます。
計算間違えた!なんて言っても怒られない?
「間違えた申告をして怒られたりしないの?」と心配する人が多いですが、ごまかしと間違いは別です。更正の請求そのものは、正当な根拠があればただの手続きの一つなのですから、特に文句を言われるようなこともなく、淡々と受け付けてもらえます。
しっかり根拠があって経費に入れ忘れたなら、全く問題ありません。手間を惜しまず還付を受けると、保育料や健康保険料が安くなる場合もあります。慌てて計算しているわけですから、どうしたってミスはつきものですよね。丁寧に、見落としていた経費をキッチリ計算して、がっつり還付をしてもらいましょう。
過去何年間か、自宅兼事務所の家賃や電気代等を按分して経費算入していなかったものが認められたことで、少額でも還付がされたケースもあります。
国保や市民税も過去にさかのぼって更正される
「昔の申告書を直すなんて、メンドクセー」となかなかやる気が起きないものではないでしょうか。返ってくる還付金がちょっぴりだと思うと、余計やる気が出にくいですよね。しかし!更正の請求は実は「1回で二度美味しい」、手続なんです。
更正の請求で所得が減ると、国保や市民税など、所得を基準に計算されたお金も一斉に減額されます。その時点で払い過ぎが生じている場合は、返金されたり、これから払うお金に充当されて、地方税の納付額がコンパクトにできるんです!節税効果は所得税の還付だけではないということですね。
期限は5年間ですから、「やっときゃよかった!」と後悔しても後の祭りにならないように、思い立ったら、サクッと手続しておけば、節税効果は大きくなります。
友達にも鳶の事を教える。