周囲への「感謝」を欠かさない、それが一番大事なこと

現場で十分な経験を積んだ鳶職人には二つの選択肢がある。一つは親方としてワカトビ達を指揮し、最前線で現場を動かす道。そしてもう一つは、現場の第一線からは距離を置き、社長の下で会社を動かす立場になる道だ。そして「彼」が選んだのは、大恩ある社長と共に会社を動かす道だった。

有限会社二建の安達俊さんが鳶の道を選んだのは17歳の頃。既に鳶をやっていた友人の紹介を受け、今の社長の下で働き始めた。
それから18年間、殆どすべての期間を鳶一本、ニ建一本でやってきた彼は現在35歳。実に人生の半分を鳶と二建と共に過ごしてきた。

半年前より統括部長として施工管理や職人たちのケアを行う立場になった安達さんは、今では社長の右腕と呼んでも差し支えのない、二建にとって不可欠な存在となっている。

だが、そんな安達さんにも一度だけ、ブレそうになった時期があったという。

「実は1~2ヵ月だけ別の仕事をやろうとした時があったんですよ。結婚したのを機にもっと固い仕事をしようと・・・でも、いざやってみるとやっぱり違う仕事は出来ないな、と思って戻ってきちゃいました。」

真面目であるが故に将来のことを考え、しかし真面目であるが故に自分に嘘はつけず、結局本当に自分に合うと感じた鳶という仕事に帰ってきてしまう。このやりとりだけで彼の実直な人間性が伝わってくるようだった。

続いて記者は、安達さんが仕事上で一番大切にしていることについて尋ねてみた。
彼から返ってきた答えは少し意外で、しかし実に彼らしいものだった。

image1

「鳶職人はどうしてもガラが悪いイメージがありますからね、自分にも若い子たちにも、とにかく身だしなみや挨拶は徹底させてます。それが工事関係者でも知らない人でもしっかりと挨拶をする。仕事の出来る出来ないよりもまずはそこです。」
仕事の出来よりも挨拶、と彼は言い切る。実はこの考えは彼だけではなく、二建という会社の社風そのものにもつながっている。

「挨拶とは感謝である」という理念が二建にはある。
他人に誠実になれない人間は、仕事に対しても誠実にはなれない。そして不誠実な仕事に対して、周囲がいい評価をくれるはずはない。
だからこそ、二建は職人たちに小手先の技術よりも、第一に周囲への感謝を忘れない、誠実な人間であることを求めるのだ。

「二建は職人がきちんとあいさつしてくれていいところだな、とお客さんにもよく言われるんですよ。」と笑う安達さん。
誠実な態度、誠実な仕事を続けていれば、それは必ず良い評価という形で自分たちに返ってくる。
どうやら彼と二建のスピリットは、後輩たちにも脈々と受け継がれているようだ。

インタビュー後編⇒「一番弟子から右腕に・・・立場が変わることで覚悟も決まった

友達にも鳶の事を教える。

新着足場鳶求人

関連記事