タバコは「百害あって一利なし」というけれど・・・
職人の世界、特に建設関係ではタバコは「男のファッション」のように位置づけられていて、「吸わないとカッコつかねー」という一面があるようです。一方で、タバコは体に毒だ!良くない!なんて声は日に日に大きくなり、愛煙家には随分肩身の狭い世の中になってきています。では、タバコって、我々鳶職人に具体的にどんな害があるんでしょうか?
タバコのナニが良くない?
どうして、タバコは体に良くないのか?それは次のような有害物質が含まれていることが一番のようです。
●ニコチン
●タール
●一酸化炭素
これらがどのような害を与えるのか?特に鳶職ならではの事情から見てみましょう。
依存性と毒性の強いニコチンは循環器や骨に悪影響!
タバコに含まれるニコチンは、昔はゴキブリ用の殺虫剤に使われていたほど、強い毒性を持っています。皮膚や口腔粘膜から吸収されて毛細血管から体内に取り込まれると、神経に作用して心拍数と血圧を挙げてしまいます。
鳶職のような肉体労働系の仕事では、体を良く動かす関係から、心拍数が高くなると疲れやすくなり、消耗しやすくなります。また、ニコチンは動脈硬化を進行させてしまう作用も持っているため、中年以降になってから、高血圧症、循環器系の病気で突然倒れて亡くなるといった怖いリスクが!
意外なところでは、喫煙習慣がある人は、怪我や骨折が治りにくく、腰痛など骨に関するトラブルを起こしやすいことも分かっています。足場の設置などで重いものを持ちあげることの多い鳶にとってもデメリットになりそうです。
ニコチンは依存性が強いため、切れてくるとイライラしてしまうのも心配です。忙しいのに、ニコチンの離脱症状でイライラしていると、思わぬ怪我をしてしまうキッカケになるかもしれません。
肺機能を低下させるタールは呼吸器の病気
タールは煙と一緒に肺の中に入りこみ、肺の機能を低下させてしまう怖い作用をもっています。肺機能が低下するということは、ちょっと動いただけで息苦しさを感じたり、激しい運動が非常につらくなったりするということ。タバコの煙にはそもそも酸素が少ないですから、低酸素状態になると、脳の働きも鈍くなってしまう心配もあります。
タールは発がん性を持つ物質がいくつも混ざっているので、長期的に見ると、肺がんなどのがんのリスクも高くなるということです。喘息や気管支炎などの呼吸器系の病気を起こしやすくなる危険も持っています。
脳の働きが低下する一酸化炭素運動能力も低下させる!
一酸化炭素は血液の中で酸素を運ぶ仕事をしている「ヘモグロビン」にとても結びつきやすいため、酸素よりも先にヘモグロビンにくっついてしまいます。こうなると、酸素が十分取り込めない「酸欠状態」になってしまいます。体の中で一番たくさん酸素を必要とするのは脳なので、タバコで慢性的酸欠状態になるとぼーっとなってしまって、判断力やとっさの危険への対応力が低下してしまう恐れがあります。
脳の働きが低下すると、体さばきも機敏さが損なわれてしまい、これも怪我を招く危険があります。
まとめ
今や世界的にタバコの害が知られるようになり、日本は過去最大規模といっても良いほどの「禁煙ブーム」を迎えています。
嗜好品としてほどほどな上手いお付き合いが出来ている方は良いのですが・・・もし、止めたいけど止められない、いわゆるニコチン中毒になりかけてる自覚がある人は、格好よりも健康の方を大切に考え、タバコと少し距離を置く努力をした方がいいかもしれませんね。
キッカケを見つけて禁煙にトライしてみたら、仕事のクオリティーを上げることにつながるかもしれませんよ!
友達にも鳶の事を教える。