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今、現場系女子が熱い!?現場で働く女性を支える『女性ネットワークの会』とは!?後編

最近にわかに増え始めているという現場系女子。そこには建設業界全体に広がり始めた「女性作業員を受け入れたい」というムーブメントの影響が強くありました。

しかしながら、現場で女性作業員が働くということは、そう簡単な話ではないようで・・・

女性の現場入りを阻む「大きなハードル」とは!?

「この話は講演会や現場アンケートなどでもよく話題に上がるのですが・・・現在女性が現場に入るにあたって、乗り越えなければならない二つの大きなハードルがあると私たちは考えています。一つは体力面の問題、もう一つは出産、育児の問題です。」

『女性ネットワークの会』主査である熊野さん曰く、女性は純粋な体力ではどうしても男性に劣ってしまい、更に妊娠、出産の前後に長期間仕事を離れたり、小さいお子さんの送り迎えで出勤退勤時間が周りとずれたりしてしまう。この二つの問題が女性の現場入りを妨げているという事でした。

確かにこれらはなかなか難しい問題です。実際に女性社員の受け入れを行っている会社も、女性作業員という新戦力の扱いには頭を抱えており、どうすればよいかわからない・・・と、団体に相談に来るそうです。

女性ネットワークの会その2
(「女性ネットワークの会」講演会 トークイベントの様子)

この問題に対し、熊野さんは以下のように答えてくれました。

「何より重要なことは、周りが特別な感情を持たないことです。女性だから、子供がいるからなどと言って仕事をさせない・・・といった考え方は男性にしわ寄せがいくだけでなく、何よりも女性陣のモチベーションに関わります。現場の貴重な戦力なんですから、使わない、使えないのは無駄でしかありません。」

女性ネットワークの会その3
(講演会にて講演を行う熊野様)

「ですが体力面、体調面のことはしっかりとフォローして欲しいと思います。最初は難しく思うかもしれませんが、得意不得意に応じて業務を分担させるのは今の現場でも当たり前に行われていることのはず。同様に女性作業員に対しても別枠扱いせず、適材適所で活躍させてあげればいいのです。」

女性だから、か弱いから・・・と過度に気を使おうとするのは却ってよくない。言われてみれば当たり前のことですね。
そもそも彼女たちは、自ら選んで現場で働く道に入っているわけですから、それをお姫様扱いして碌に仕事を回さない・・・なんてそれこそ失礼極まる話でしょう。更に、熊野さんはこうも言っていました。

「そのうえで大切なことが現場作業を効率化し、男性も含めた全作業員一人一人の負担を減らすようにシフトさせていくことだと思います。」

現在の建設業界では現場責任者や営業所長といった、一部の現場を取りまとめる立場の人間への負荷が異様に重くなる傾向にあります。
誰かが欠けることでほかの誰かに集中的にしわ寄せが行く、責任者の○○さんが居ないと現場が回らない・・・といった環境では、早退や長期の休みも取りにくくなってしまい、ひいては女性が現場で働くことが難しくなってしまいます。
また、体力的な面でも、極端に負荷がかかる責任者に女性がなる、ということは、現在とても困難な状況にあると言えるでしょう。

そうならないように、仕事を効率化、細分化することで、誰か一人に過度に負担がかからないようにする。誰かが休んでも周りの人間が引き継いできちんと業務が機能する。そんな環境を作ることは、女性だけでなく建設業界全体にとっても大きなメリットがあると言えるでしょう。

まとめ

現在、建設業界には現場入りする女性の数が増加傾向にあります。その多くは若い女性で、熱意を持って仕事に取り組んでいます。
しかし、現在の環境では、今後彼女たちが出世し、現場責任者や営業所長として活躍していくためには、より高いモチベーションとバイタリティが必要になってしまいます。
結婚や育児との並行で仕事を行うともなれば、その過酷さは更に増していくでしょう。

そんな彼女たちを支援するべく活動しているのが女性ネットワークの会であり、それはひいては建設業界全体が抱える思いでもあります。
今後の建設業界の活性化を考えるうえで、「女性」の力は間違いなく欠かせないものです。
皆さんも、よりよい建設業界のために、現場系女子と女性ネットワークの会を応援しましょう!

 

最後に、今回取材にご協力いただいた「女性ネットワークの会」の情報を記載します。ご興味がある方はぜひご確認ください!

公式サイト:http://www.finex.jp/index.html
(女性ネットワークの会の上部組織「日本建築仕上学会」の公式HPとなります。
インフォメーションで女性ネットワークの会の開催するイベントを随時告知しています。)

TEL 03-3798-4921 FAX 03-3798-4922
E-mail:shiage@finex.jp
(「日本建築仕上学会」への各種連絡先となります。問い合わせ時はこちらまでどうぞ。)

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