強風による足場倒壊事故が増えています。
2月から4月ごろにかけて、例年どこかで起こる足場の倒壊事故。
特にビルの外壁工事のような大きな足場が倒壊して、思わぬ大惨事になる恐れが非常に高いようです。
その原因はこの時期特有の気象条件と、業務の状況、そして足場の種類。実際の事故動画と一緒に詳しく見てい行きましょう。
防音足場は倒壊注意!
宇都宮での足場転落事故の2日前、2017年3月14日には、関西地方で強風によるビルの防音足場が倒壊、反り返って垂れ下がった足場が電車の線路の上にせり出して、一部が電線に引っかかるという事故が起こりました。
幸い、けが人は出なかったようですが、線路の上に足場がせり出した状態になってしまったことから、安全のため列車の運行がストップしてしまう事態になりました。都市環境下でのビル工事では、防音、防塵の目的で足場に防音壁をセットした防音足場が多用されています。工事期間中の目隠しにもなり、音やホコリをシャットアウトしてくれる効果はとても大きい反面、防音足場は風で煽られると大規模な倒壊につながる危険性が高い弱点があります。
昨年4月17日にも東京でビルの防音足場が大規模に倒壊した事故が発生しています。
足場の倒壊事故は、場所によっては多数のけが人を出す大事故に発展する恐れがあります。取り付けを確実におこない、しっかりした足場を組むことはもちろん、この時期の強風も念頭に置いて作業の安全も確保することが重要だといえるでしょう。
防音壁を使う足場では、強風になりやすい高所や風の抜ける道になる部分などを防音シートに変えるなどして、予防対策をとることが望まれます。
風を止めてしまう状態が危険!ブルーシートも安心できない
防音壁ではなく、シートならば大丈夫だろう、と思ったら大間違い、バレンタインデーのさなかにブルーシートで養生した足場が倒壊した事故も発生しているんです。
ブルーシートは単管へ結束して固定しています。遮蔽物がない上空ほど風圧が強くシートがバタバタと煽られてしまいやすいので、しっかり固定しようと、結束箇所を増やしてしまうと、それが風を止めてしまうことにつながり、かえって危険な場合もあります。
倒壊が起こるもう一つの要因とみられているのが、ビル側との固定が不十分な場合です。
足場の倒壊は大惨事を招く恐れも!
神戸三ノ宮ビルの足場倒壊事故では、間一髪でバスが巻き込まれずに済みました。
角度を変えてみると、本当に大規模な事故になってしまったのが分かりますね。
友達にも鳶の事を教える。