ニッカとボンタン、これらは馴染みのない人からごっちゃにされがちな服だと思います
鳶職人、って言うと「あの、ダボいズボン履いてる人?」って言うのはまだいいです。
「極太のヘンなボンタン履いてる人?」って・・・そっちじゃねーっ!?って絶叫したくなりますよね。
確かにボンタンも、ニッカも「ダボい」ってとこは共通してるけど、全っ然違うんです!!
誤解を解くために、今回はニッカとボンタンの違いを大解明したいと思います!
ニッカはオランダ生まれ、ボンタンは・・・?
ボンタンと言われても「俺、ファッションには詳しくねーから…」という超・ワカトビと、大ベテラン親方のために、ボンタンとは何か?をま図説明したいと思います。
1960年代後半から1970年代くらいに生まれた今40代から50代前半くらいの年代の人は、
映画「ビーバップハイスクール」とか、「横浜銀蝿」のズボン
っていえば即、「あー、あれかー」って思い出せると思います。ボンタンは一般的には改造学生服の1種で、70年代後半に学生服のファッションとして人気になった極太のズボンのことなんです。つまり、ファッションとして誕生・定着したのは日本。
このちょっと前の時代は、逆に「極細のパンツ」が大流行していて、この反動なのか、70年代後半から80年代はだぼっとした太い学生ズボンと「短ラン」という裾が短い学生服の組み合わせ+リーゼント、っていうのがヤンキーのファッションでした。ボンタンと同じように人気だった極太ズボンで、上から下までぶっといタイプは「ドカン」と呼ばれて、これと「長ラン」の組合わせは、ボンタンを追い抜く人気だったようです。
鳶職人のニッカは正式名称を「ニッカボッカーズ」と呼ばれる、オランダの子供向けファッションがニューヨークに渡って、やがて、足さばきの良さから仕事着になっていったもの。ニッカはもともと、外国生まれの舶来モノ、インポートなんですね。ニッカのほうがボンタンよりもお兄さんと言えそうです。
デザインの違いは「ふとさ」に注目!
ボンタンもニッカも、ちらっと見た感じでは「下が細くで上がダボい」という点は似ています。膝の上だけチラ見すると、モノによっては分かりづらい場合もあるかもしれません。どちらも「ワタリ」と言われる太もも部分が広い点は共通しています。
ただ…ボンタンは「見せ服」なのに対して、ニッカは「ゴト着」ですから、ワタリの太さに違いがあります。
ボンタンは「何がしたいんだ?」と思うくらい、メチャメチャぶっといものから、ちょっと見、ニッカに見える程度のものまで、太さはバラバラ。
これに対してニッカはゴト着専門店である程度の範囲(太め、細目の指定はできます)で収まっています。
裾を絞る位置も、人気の七分を始め、ある程度ルールがあります。働くための服ですから、仕事の妨げにならないよう、細かな点まで気配りされているのも違いの一つです。
ボンタンの由来は「郷土のお菓子」
ボンタンの名前の由来は諸説ありますが、九州の特産物である「ボンタン漬」という郷土菓子に形が似ているから、という説が強力だそうです。九州名産の大きなミカンの皮を甘く煮漬けたもので、形はボンタンそっくりなんだとか。
一説には「建設業者の服装を真似た」という意見もあるそうで、そうすると、ニッカもボンタン誕生に影響を与えた可能性もあるかもしれないですね。
友達にも鳶の事を教える。