足場の仕事は「無資格」じゃできなくなった!
ちょっと前まで「足場の仕事なら中卒・無資格でOK!」といわれてきました。ところが、平成27年から新たな制度がスタートしたことで、足場の仕事をするのにも、制限がされるようになったんです。
「えーっ!?資格!?ベンキョーなんて、でーっきらいなんだけどォ??」というワカトビもたくさんいると思います。いきなり「資格取れ」なんて言われても困りますよね。
そこで、まずは足場関連の資格をまとめて見てみましょう。
「足場の資格」と「鳶の資格」は同じ?
これ、とってもややこしいいことに、「違う」んです。資格名に「足場」がついている資格と、「とび」がついている資格の2系統があります。並べてみましょう
【名称に「とび」がついている資格】
・とび技能士3級
・とび技能士2級
・とび技能士1級
※難易度は3級<2級<<1級
【名称に「足場」がついている資格】
・足場の組立等の業務特別教育
・足場の組立て等作業主任者
・足場の組立て等作業主任者能力向上教育
※上から順に難易度が低く、とりやすいです。
更に、鉄骨建方などの重量鳶、橋梁鳶の場合は、鉄骨組立に関する資格が必要になります。
「とび」と「足場」・・・それぞれの資格って何が違う?
名前の違う2つの資格、それぞれ目的も違っています。
「とび技能士」の資格は、「鳶職人としての技能をどの程度習得しているか?」「鳶職人として一定以上の期間、実務経験を積んできたか?」などを証明するのに役立つ資格です。つまり、職人としてのキャリアを証明するためにはこちらが有効で、3級は受験資格不問で誰でも受けられるのですが、2級、1級の取得には一定年数の実務経験か、一つ下の級を合格していることなどが必要になります。
「足場の組立等」で始まる資格が求めているのは、「安全教育」です。こちらの目的は事故を防ぎ、安全に工事を行うための職人教育です。そのため、現場入りをするに当たっては、最低限「足場の組立等の業務特別教育」を修了していないとダメ、と非常に厳しい決まりになっています。
足場の仕事で最も怖いのは「転落事故で命を落とすこと」です。
誰でも初めて足場の上に上るときは初体験、分からないこと、戸惑うことがあって当たりまえです。初めて足場に上る前に予備知識や、安全教育をうけていれば、アクシデントがあっても深刻な事故につながる危険性は低くなる。ということなんです。
どっちの方が仕事に有利?
2系統の鳶職人の資格、どっちをとる方が仕事に有利になるか?これも気になるところだと思います。
現場で仕事をするに当たってなら、問答無用で「足場の組立等特別教育」は必須です。最低限これがなければ、現場入りできません。ですから、優先度でいえば、この資格が最優先です。
じゃあ、「とび」のつく方の資格は無意味なのか?というと、こっちを持っていることで、給与や待遇面でのメリットがあったり、転職や出向など、働く場所が変わる場面ではメリット大です。足場の組立等作業主任を経験していれば、指揮監督業務を抜擢されやすくなる可能性は上がります。
どちらにしても「取っておいて損は無い」ということは言えそうです。
それぞれの資格制度については、別記事で詳しく解説させていただきます。
友達にも鳶の事を教える。