空梅雨が明けた途端の台風!
水不足が心配になるほどの乾いた天気から、一転して暴風、豪雨の連続で、各地で被害が出ています。
特に台風の直撃を受けた九州や、地震の影響で片づけも必要としている関西地域では、足場事故が起きたところも。
自然災害発災時、鳶職人を抱える会社や親方は、事故予防に、どのような対策をとるべきなのでしょうか?
雨仕舞いを中心にチェックしておくべきポイントを再確認しておきましょう。
天気予報で強い雨が予想されるときは・・・?
台風が日本列島に近づいているときは、かなり離れた地域でも大きな熱帯性低気圧によって刺激をうけています。
台風そのものは沖縄や九州地方でまごまごしていても、梅雨前線の影響がまだ残っている時期では、広く日本列島全体に雨雲を発達させることが起こり得ます。
天気予報で強い雨、大雨が予想される時は、
・長期的な雲の動きや長期予報をチェック
・当日の雨量が50ミリメートルを超えそうか?
・当日行われる予定の作業は「組立」か「点検・補修」か?
これらの点をすぐにチェックしましょう。点検作業は大雨でも行えますが、組み立ては完全にNGになります。
下請けでの受注の場合は、速やかに元請けとも連絡を取り、今後の工程について調整を行う必要もあります。
長期の天気情報、早期の判断が現場の安全を守ります。
足場の組立作業中に大雨注意報が出たら・・・?
労働安全基準法では、足場の組立を中止すべき天候を以下のように定めています。
・1回の降雨量が50ミリメートル以上
・瞬間風速が毎秒30メートルを超える風
・1回の降雪量が25センチメートル以上
労働基準法では、1回の降雨量50ミリメートル以上を「大雨」と呼んでいますが、これは気象情報の「大雨注意報/警報」とは別物なので注意が必要です。
気象庁の出す大雨注意報、警報の基準は日本国内各地でまちまちであり、全国統一ではありません。
とはいえ、大雨注意報レベルの雨は、その地域の平常の降雨量よりは多くて勢いがあるということ。
注意報が出るような状況になったら、労基法の定める「大雨」に該当する可能性は高くなります。速やかに降雨量を確認、基準雨量を超えていたら速やかに撤収するようにします。
足場や鉄骨は濡れると滑りやすいものです。にわか雨は雷雲を伴うこともあり、撤収中に落雷で労災事故になった事例もあります。早め、早めの判断で安全確保が確実になると言えそうです。
台風の時は風対策も同時に考える
夏以降は、台風のルートが徐々に日本列島に近づいて強い風の影響が出やすくなっていきます。西日本では特に、強風の可能性が高まることも。今回の荒天でも、足場の倒壊事故が多数起こっています。
台風による大雨、強風の恐れがあるときは風対策もセットで行いましょう。シートをたたんで、風の抵抗を小さくすることで倒壊の危険は低減します。天候が荒れる時期だからこそ、ご安全に!
友達にも鳶の事を教える。