体が資本の職人にとって、怪我や病気は怖い。小さな家族がいると、やっぱり頼りになるのは、健康保険や国民健康保険などの公的な支援です。
自営業の一人親方や親方は国保で、例年5月末くらいに、納付書が届きます。
金にユトリがあればいいんだけど、収入が安定しない自営業では、時に「払えない!」という状況になる場合も。
そんな時にも手続をすることで、少しだけ支払がラクになる方法についてお伝えします。
国保が払えない時は「分割納付」が有効!
国保の納付は、自治体によって方法が違います。毎月ごとの月払い方式をとっているところと、何カ月をまとめて1期、2期、3期と期払いで6回程度に分けて払う方法です。どちらの場合でも、例年6月ごろから支払いがスタートする形になっています。期払いの場合、1回の金額がまとまって大きくなるため、ウッカリ忘れていると打撃ですよね。
国保の保険料は、前年の所得を基準に決められます。年の途中が第一回の支払いになるのは、所得税の確定申告で計算された前年所得の作業が完了してから計算するせいなんですね。
そのため、「去年の稼ぎ>現在の収入状況」って状態になると、「国保料高すぎ!」という状態になることもありえます。
でも、保険料が払えないから、と払わないで放置していると、病気や怪我になったとき使えない(別記事参照)、ということになってしまうので、払っておかないと困ります。
そういう場合、「払える金額だけ払って、あとは少し待っててもらう」という方法がとれるんです。
市役所で分割納付(分納)の手続きをすることで、毎月払う保険料を生活に支障のない、自分で決めた金額の範囲で払うことができます。
分割納付とは?
ほとんどの鳶職人が利用しているのは、自治体国保といわれる、市町村が運営している国民健康保険だと思います。この場合、市役所で「生活が苦しくて保険料が払えないので、分割で払いたい」というと、手続をするように進めて貰えます。
分割納付では、保険料の納付計画を自分で決めて、決めた金額を毎月払いこむことで、「短期被保険者証」という期限が1か月の保険証を発行してもらえます。1か月しか期限がないので毎月発行してもらわなければいけませんし、基本的にその都度保険料を100円でも1000円でも払い込む必要があります。(未成年の子どもだけは、長期の保険証を出してもらえます。)
分納のデメリット
保険料を分納すると、待ってもらっている分の保険料には延滞金がつきます。つまり、完納するまでの時間がかかるほど、保険料は高くなって損をする、ということです。窓口では、「100円でも1000円でも、払えるだけでいいですよ。」なんて言ってもらえますが、ホントに100円、1000円で済ませようとすると、あとからガッツリ利息付きで請求されることになります。
あくまでも、まとめて払うのがツライ人のための措置ですから、「2か月分を毎月払いにする」とか、「まとまったお金ができた時は、計画よりも多く払って追いつかせる」などして、できる限り年度内で払う工夫をするのがベターです。
友達にも鳶の事を教える。