第2回 鳶の職業病~出先でも建物に目がいってしまう

平尾化建 城祐也

長い仕事になると現場に1年間通い続けることもあるという城さん。それゆえ休日は家族との時間を大切にするのだが、それでも目がいつしか出かけた先の足場に向かうことも。そんな話から、城さんの思う鳶という仕事の魅力が見え隠れする。

ビルやマンション、工場、ショッピングセンターなど、大きな建物に足場を組むことが多いという城さん。長い現場だと1年間通うこともある。

中でも記憶に残っているのは、三郷にあるショッピングセンター。これは約2年も通ったそうだ。

「ウチだけでは人手が足りず、他の会社さんにも応援をお願いしたんですが、これが楽しかったんです。人数がたくさんになると、ワイワイする熱がいつもの2倍、3倍になるというか」

たとえ普段の付き合いはなくても、鳶という仕事に誇りをもっている同士、仲良くなるのに時間はかからないようだ。さらにこの時は「オレのほうが早い」とか「きれいだ」と競い合うようになり、「みんなで競い合うものだから、仕事も順調に進みました」

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また、記憶に残るだけでなく、現場が“建物”という形になって残るのが鳶の仕事。城さんは休日に家族と自分の手がけたショッピングセンターへ出かけることもできる。家族に言うかどうかは別として、出来上がった建物に出かけるというのは感慨深いものがあるに違いない。

一方で、自分の手がけた仕事だけでなく、出かけた先に気になる足場があると見てしまうというのは、鳶の職業病の一つと言えるかもしれない。

「休日に子どもたちと一緒に遊びに出かけていても、つい見てしまう足場とかありますね。人によって組み方が違うものですから、あーなるほど、こうやっているんだと参考にしたりすることもあります」

さらに足場がなくても、少し特殊なカタチをした建物を見ると、どんな風に足場を組めばよいか考えてしまうこともあるそうだ。

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「足場それぞれに、勝手に点数を付けたりしています(笑)。中には『これはスゴいな』と思う足場もあります」

そうした発見は、もちろん城さんの仕事に反映されている。彼にとって鳶はまだまだ奥が深い仕事と言えそうだ。

友達にも鳶の事を教える。

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