鳶になって12年。若い鳶を育成する立場に登りつめた大森さんが日々意識していることとは? 3回に渡り現場の声をお届けしよう
現在、川島工業の専属足場鳶であり親方でもある大森靖隆さん。10代の若手鳶を育成する立場になったが自らがこの職に就いたのは19歳のときだった。 「一番最初の現場は15階建ての大型マンションで、身体中が筋肉痛になったことを憶えています(苦笑)」
足場鳶のキャリアは12年となり、現場の段取りや職人の手配など任される大森さんにとって、とくに気をつけているのが体調管理だ。
「この仕事は常に体を動かすため疲れが溜まりますが、日常的に風邪だけはひかないようにしています。現場へ向かうにはトラックの運転手が必要ですが、一緒に働く若い鳶はまだ運転免許を取れない年齢なので、自分が休むと現場が飛んでしまうんですよ…」
体調管理と同様に現場でケガをしないことにも気をつかう必要があるが、現場の管理を任されているため、自分のことだけではなく若手への注意も怠らないそうだ。ケガをする確率は圧倒的に若手が多いそうだが、これはキャリアを積むと、その分注意力も増していくからではないかと大森さんは見ている。
そのため現場で若い職人に対しをケガを起こさないように、厳しく指導することは珍しくないという。
「若いからと意識して接することはとくにないのですが、現場では厳しく注意することもあります。場合によってはヘルメットの上からたたくことも…」
しかし、それはあくまで仕事においてのこと。とかく世の中では「最近の若者は…」と揶揄する風潮があるが、大森さんにとって若手の職人に対する見方は違っていた。
「世代が違うからといってコミュニケーションが取りづらいと感じることはないです。会話が合わせづらいと思うこともないですし、なにより仕事を真面目にこなす若手の職人は多いですから。仕事が終わったあと一緒に食事をすることもありますが、結局、現場についての話で盛り上がることが多いですしね」
友達にも鳶の事を教える。