国によって大きく異なるモノの一つが「保険」でしょう
外国人労働者を雇おうとしたら
「コーセーネンキン、ノォ!! アイ ドント ワナ シャカイホケン!」
とか言われて、同にも話が進まなくなってしまった!
こういうお悩みがぼちぼちと見え隠れするようです。
「どうして嫌なの?」と質問すると、
どうやら「高い保険料を給料から差っ引かれて掛け捨てになってしまうなら、入らないほうがいい。」と思っているようです。特に、特定技能や外国人研修生、留学生の資格外就労などでは、期間が短いので、年金受給できるほど長期間加入できない、がその理由。
これ、誤解されてます!
外国人労働者でも、社会保険に入った方がオトクなケースもあれば、厚生年金に加入しなくてもいい外国人もいます。
外国人労働者の厚生年金との関係をまとめてみていきましょう。
厚生年金は「入らなくてもいい外国人」もいる
まず、社会保険について、厚生年金には加入要件があります。
簡単にいえば、一定以上の時間働く人は自動的に厚生年金に入らなければいけない決まり(強制加入)となっていますが、逆に、一定条件を満たさない人は「入りたければ入ってもいい」というルールです。
例えばパート・アルバイトなど、短時間労働や、仕事が1週間に3日などの場合は日本人でも、外国人でも社会保険加入は必要ありません。
外国人パートや、留学生の短期アルバイトの場合は、一定以上の時間働いていなければOKですね。
厚生年金に入った方が「オトク!」な外国人もいる!
一方で、「日本で厚生年金に入った方が将来的にオトク!」となる外国人労働者もいます。
実は、「自国で加入する年金に、日本で加入していた年金を連結して扱うことができる制度」があるんです。
それが社会保険協定という仕組みで、日本で社会保険に加入していた期間が、そのまま自国の社会保険に加入していたものとして算定されて、合算した保険料を基礎に将来の年金が受け取れる仕組みになっています。
国によっては、自国の標準金額よりも高い年金保障を利用できる人もいるようです。
『日本年金機構|社会保険協定』のページに、日本と社会保険協定を結んでいる国の一覧があります。国によって、社会保険の全部を協定しているところ、そうでないところがあるので、必ず確認しておくようにするとよいでしょう。
厚生年金は「掛け捨て」にはならない!
一方で心配なのは、社会保険加入要件に当てはまる時間働いてもらう外国人労働者たち。
日本の年金制度では、300月以上の期間加入していないと年金の受給ができない、と言う条件があるため、コレを誤解して「5年だと60か月・・・ノォ!カケステ!!」と思い込んでいる人が結構いるようです。
実は、半年以上働いてもらえるのであれば、掛け捨てにならない方法があります。
それが、厚生年金の「脱退一時金」という制度。外国人が日本で半年以上厚生年金に加入していると、退職して帰国する時にこれまで支払っていた保険料をまとめて受け取ることができる制度です。英語ではLump-sum Withdrawal Payment と訳されています。
『日本年金機構|短期在留外国人の脱退一時金』のページからは各国語のパンフレットもダウンロードできます。上手く活用して、外国人労働者の不安を解消すれば、雇用契約もスムーズに進むと思います。制度の説明は分かりづらいのですが、頑張って読んでみてくださいね。
友達にも鳶の事を教える。