外国人労働者の急増が見込まれる令和の時代
ちょっとショッキングなニュースが飛び込んできました。
『5千職場で法令違反!19か所が送検へ』
全国で外国人技能実習生を受け入れている事業所7000件のうち、大部分に違法が指摘され、悪質な例として送検されたものが19件もあった、ということなのです。
共同通信社が新聞記事にして、Yahoo!ニュースなどでも全国に広くつたえられたもののようです。
記事の内容を読み上げている動画をみつけましたのでご紹介します。
気付かないうちに法令違犯をして、ある日突然労働基準監督署に乗り込まれたらたまったもんじゃありませんよね。過去の違反事例から、どんなことが問題になりやすいのかを、もう一度確認しておきましょう。
ナニが原因で違犯になった?厚生労働省の公表は?
平成29年度で送検された事例をこちらで厚生労働省が公表しています。
1.労 働 時 間 ( 労 働 基 準 法 第 3 2 条 ・ 第 4 0 条 )
2.安 全 基 準 ( 労 働 安 全 衛 生 法 第 2 0 ~ 2 5 条 )
3.割 増 賃 金 の 支 払 ( 労 働 基 準 法 第 3 7 条 )
4.就 業 規 則( 労 働 基 準 法 第 8 9 条 )
5.労 働 条 件 の 明 示( 労 働 基 準 法 第 1 5 条 )
6.賃 金 の 支 払 ( 労 働 基 準 法 第 2 4 条 )
7.健 康 診 断 ( 労 働 安 全 衛 生 法 第 6 6 条 )
8.衛 生 基 準 (労働安全衛生法第 2 0 ~ 2 5 条)
9.賃 金 台 帳 ( 労 働 基 準 法 第 1 0 8 条 )
10.法 令 等 の 周 知 ( 労 働 基 準 法 第 1 0 6 条 )
11. 寄 宿 舎 の 安 全 基 準 ( 労 働 基 準 法 第 9 6 条 )
12. 最 低 賃 金 の 支 払 ( 最 低 賃 金 法 第 4 条 )
出典:厚生労働省 外国人技能実習生の実習実施者に対する 監督指導、送検等の状況(平成29年)
労災隠しは違法!仕事中のケガは外国人でも適法に対処すべし!
送検された事例について、厚生労働省は3つのパターンの概要を列挙しています。タイトルだけをご紹介しましょう。
事例1
技能実習生3名からの賃金不払に関する申告を端緒に捜査に着手、賃金不払等により送検
事例2
出入国管理機関からの通報を契機として月最長160時間程度の違法な時間外労働を行わせたことにより送検
事例3
技能実習生の労働災害を労基署に報告せず、「労災かくし」を行ったことにより送検
出典:厚生労働省 外国人技能実習生の実習実施者に対する 監督指導、送検等の状況(平成29年)
働いたのに適性な給料を払わないのは言語道断になりますが、注目すべきは、労災関係だと思います。「外国人労働者だから、ケガして働けなくなったらクビにして帰国させればいい。」なんて思っていると、出入国管理局からバレて悪質な労災隠しとみなされることになります。
仕事中にケガをしたら、国籍、人種関係なく、労災になります。
労災隠しは罰金や業務停止などの厳しい処罰の対象になることもある、重大な違法行為であると認識して適法な対応を行わなければならない、と言えそうです。
言葉や文化が違う外国人でも、一緒に働く同僚には違いありません。
自分の都合よく扱える奴隷労働者のような感覚で扱うことは絶対許されないこと。
後になって公開することのないよう、ルールを守った雇用を心掛けましょう。
友達にも鳶の事を教える。