早いもので新年度も一月半が経過しました。4月から現場入りしたワカトビたちもだいぶ慣れてきたころだと思います。
さて、職人さんの中には4月の年度代わりを期に、職場を変えたり、ワタリに出始めた人が多いのではないでしょうか。
若いときこそ、色々な場所で修行するのは励みにもなりますね。不景気が続く最近は、会社勤めの人でも副業をするのが増えていて、そこは職人の事情も似たり寄ったりのようです。
でも!ちょっと気をつけて欲しいことが!転職やワタリ、そして副業をした場合、確定申告が必要になるって知ってましたか?
年の途中で転職・ワタリをすると「2か所から給料をもらっている」ことになる
どうして転職やワタリをすると、確定申告が必須になるのか?それは、「2か所から給料を貰っている場合」という、確定申告が必要な条件に当てはまることになるからなんです。
「2か所ってどういうことよ?最初のところ辞めて、次のところに移るんだから、1か所からしかもらってねーぞ?」ってリアクションは実は定番で、この場合の「2か所」の意味を誤解しているせいなんです。
確定申告は、前の年の1月1日から12月31日までの間の収入を、ルールに従って計算して提出します。この期間の間に、給料を払ってくれた会社や組が2つ以上あれば、「2か所から給料を貰っていた」ことになります。同時に2つの職場から給料を貰っていなくても、確定申告をしなくてはいけません。
問題は転職やワタリをした場合、確定申告に必要な源泉徴収票が手に入らない場合が多いこと。源泉徴収票がないと申告ができないので、税金が戻ってこないし、必要以上に高い市民税や国保、保育料を負担することになったりします。これは避けたい展開ですね。
転職やワタリをしたときは、「源泉徴収票は辞めたらすぐに渡す」のが本来のルールです。忘れないうちに送ってもらっておき、失くさないよう翌年3月まで保管しておきましょう。
副業の場合は副業収入に応じて確定申告の対象に。
では、本業の鳶職人の仕事以外に、副業で別の仕事をして、そっちからの収入があった場合はどうなるでしょうか?この場合は、
・会社員かそうでないか?
・副業収入がいくらか?
で、確定申告が必要になるか、ならないか別れます。
会社員として働いている鳶職人の場合、
●副業収入が20万円以上⇒所得税の確定申告が必要
●副業収入が20万円未満⇒所得税の確定申告は不要(市民税の確定申告が必要になる場合もある)
このときの副業収入20万円は、「1年間にやった、全ての副業の合計金額」です。
「鳶として会社勤めしてて、土方と、ネットオークションと、バイト2か所で合計20万」となった場合は、確定申告の対象になると判断されます。
会社員じゃない鳶の副業は?
会社員ではなく一人親方だったり、「業務委託契約」で働いている場合は、ちょっとややこしいことになります。
一人親方がワタリや業務委託で鳶として仕事を引き受けて居た場合、同じ業務を複数個所でした、と見なされて、副業として扱われません。
また、鳶以外の副業も株や不動産のような特定の仕事に関しては、特別な計算方法がきめられているものもあります。
これらに当てはまる場合は、早めに税務署や税理士さんに相談してみましょう。
友達にも鳶の事を教える。