またもや痛ましい転落事故が発生
2017年8月11日に、東京千代田区のビル建設現場で、3人の職人を巻き込んで、またしても痛ましいい転落事故が発生しました。
転落事故の原因は、足場の強度不足や、施工不良ではなく、
耐荷重
でした。
事故の詳細を振り返って、原因と予防措置について見ていきましょう。
足場板が外れて転落!原因は高所作業車!?
新聞等報道によると、事故発生当時、転落した3人の作業員のうちの一人は、高所作業車で、内装作業を行っていたそうです。残りの二人は、この作業員の近くで別の作業を行っていたと見られています。
この、高所作業車が、吹き抜け部分をふさいだ足場の鉄板上に乗り入れたことが、事故原因と考えられています。
足場の鉄板は、通常最大150キロ程度の過重を想定されていたのに対して、高所作業車の重量は630kg。乗り入れた鉄板が荷重に耐えきれずに外れて転落し、近くにいた二人の作業員も巻き込まれたものと思われます。
作業場所は5階で、3人は吹き抜け部分を地下三階まで一気に落下し、全身を強く打つなどして死亡。亡くなった三人は、40代から50代の働き盛り。大変痛ましい事故になってしまいました。
負荷がかかり過ぎることへの危機意識を持とう!
今回の事故では、建築途中のビル上階の、吹き抜け部分を覆った鉄板が耐荷重オーバーで外れたことが原因だったようです。
鉄板でふさいだだけの足場は単純でシンプル、人が3,4人載っても危険なほどの耐荷重しかありません。安全管理の面でも十分な認識がされていたのか?工事の計画段階で予定された通りの施工がされていたのか?現場での指示系統の乱れはなかったか?様々な疑問が残ります。
足場の転落事故というと、施行の不完全さや、風対策や壁繋ぎの不十分さが問題になるケースが多いようです。これらも、これからの台風シーズンに向けて十分注意を払うべきですが、足場を利用する側の認識が十分でないために、今回のような悲惨な事故につながる恐れもあるということは、設置する側も意識しておかなければならないことですね。
ビル建設現場では、いくつもの企業から作業員が派遣されてきて、共同作業で建設作業を進めていきます。横の連携が上手く取れず、安全管理に関わる重要な情報が適切に共有できないリスクもあるかもしれません。大きな現場こそ、こういう危険回避のための危機意識の共有が大切になると強く認識を新たにするべきでしょう。
友達にも鳶の事を教える。