鳶職人の「花形」とも呼ばれる重量鳶
クレーン作業で鉄骨をくみ上げて高層ビルを建て上げていく、鳶職人のなかでも「デカイ仕事」を行っている重量鳶。
けれどもひとたび事故が起これば、ブツがでかいだけに深刻な被害を招く危険性もあります。
最近の事例から、安全対策のポイントを見直してみましょう。
千葉県四街道市小名木での鉄骨倒壊事故
事故が起こったのは、5月14日の午後3時半をすぎた頃のこと。
ちょうど、午後の休憩などを済ませて作業再開をして間もない頃だったのかもしれません。
建材メーカーの新工場建設現場で、突然、建てあげ中の建物骨組みの鉄骨が倒壊。
作業員一人が死亡、一人が全身を強く打つなどの大怪我を負い、救急搬送されました。
死亡した男性作業員(59歳)は、倒壊してきた鉄骨の下敷きとなったことで亡くなってしまったそうです。
この事故で倒壊した鉄骨は長さ5m、重量40kgのもので、10本を束ねてクレーンで吊り下げ、外壁を組み立てる作業を行っていました。
そのさなか、クレーンから鉄骨が外れて大音響と同時に倒れ、二人の作業員が下敷きとなりました。
別のニュースによると、束ねた鉄骨をかけたクレーンのフックが外れたのが倒壊の原因とする説明もあるようです。フックが破損した、との説もあるようです。
玉掛けが確実に行えていなかったのか?あるいは、重量を読み誤ったのか?原因の調査が終了するのはまだ先の話ですが、今も工事が進んでいる現場では、
●確実な玉掛け
●フックに破損の原因となる故障や異常はないか?
しっかりと確認する必要はあるでしょう。
2016年には渋谷駅再開発区域でも鉄骨の落下事故が!
今回の事故に少し似た鉄骨落下事故が、遡ること2年前の東京でも発生しています。
渋谷駅の再開発エリアで起こった、鉄骨落下事故です。
幸いこの事故では死傷者は出ませんでした。
原因を調査して行くうちに鉄骨落下の直前に鉄骨の切断をしていて、それが事故のきっかけになったとも言われています。
こちらの事故では、溶接の不適切性が疑われます。
渋谷区の再開発では、2017年に解体中の足場崩落事故も起こっています。
東京オリンピック前の建設ラッシュに沸く今、再開発事業は増加する一方で、工事の安全管理がずさんになりやすい条件ともいえそうです。
安全管理、気を引き締めてしっかりとしたチェック体制で行うことで、事故防止効果が高くなるといえるでしょう。
友達にも鳶の事を教える。