鳶職人なら現場でちょくちょくと経験する、おなじみのクレーン作業
このとき、吊り下げる荷をワイヤーでバランスよく吊れるようにするための資格が、玉掛け試験と俗に呼ばれている「玉掛け技能講習修了」です。
玉掛け試験は国家資格で、クレーンで玉掛け作業をするのは、この資格を持つ人だけに限られています。
無資格者が玉掛け作業でしてもよい作業の内容まで、こまかく決められているのだそうです。
「え?俺ら玉掛けの資格もってねえけど、現場で玉掛けの作業やってるぞ?」
「おいおいおい、それってヤバイことなの?ってか、玉掛けの資格って、クレーンの作業免許持ってなくても問題ないもんなの?」
ハイ、気になりますよね。今回は、玉掛け資格の補助者と、関連資格についてまとめてみていきましょう!
玉掛け作業で無資格の「補助者」ができることは制限されている!
玉掛け作業は国家資格の玉掛け技能講習修了者がしなければならないと奉律で決められています。
しかし、実際の作業では、玉掛け作業の全てを資格のある職人が一人で行わなければいけない!ということではなくて、一定範囲の作業に限っては有資格者の指示に従っていれば、資格のない人が手伝っても良いことになっています。
この、「有資格者の指示に従って作業をする資格を持っていない人」のことを、玉掛け資格では「補助者」と呼びます。
補助者は、
・ワイヤロープ、シャックルなどの玉掛け用具の吊り荷へのかけ、外し
・クレーンフックへのワイヤロープ、ベルトスリングなどの玉掛け用具のかけ・外し
・荷物を吊り上げた時に、介錯ロープなどで荷物の振れ止めをすること
・玉掛け用具を点検すること
これらの作業だけは、有資格者の指示がある時に限ってしてもいい、ということになっています。
玉掛け作業をするのにクレーンの資格は必須?
ところで、 玉掛けはクレーンで荷物を運ぶ時の技術です。
ということは、クレーンに関する知識は無いよりはあったほうがいい・・・ってかぶっちゃけ、クレーン資格は玉掛け作業をするときにマストな資格!?って心配が出てくる職人も居ると思います。
一応、玉掛けの資格は、玉掛け作業だけに関するもので、クレーンの資格が絶対なければいけない、という条件は付いていません。
だから、無資格の人でも受講することができるわけです。
ただ、現場を回す意味からすると、クレーン資格者がいなくて、玉掛けの資格だけがあるよりも、両方で切るほうが、職人の配置や外注の点からはメリットが大きいと思います。
将来独立して自分で足場屋をしたいと思っているのならば、むしろクレーンの資格は狙っておく方が正解です。
また、クレーンの資格を持っていることで、玉掛けの講習時間が少しでも短縮されるメリットもあります。
実務経験だけでもある、と、なし、では受講期間が短くなります。
会社によっては資格手当の優遇や、受講費の軽減などもしてくれるかもしれません。
資格は若い時に取った方がラクなものです。ワカトビほど、玉掛け資格に挑戦する価値は高いともいえるでしょう!
友達にも鳶の事を教える。