レインウェアや靴の防水に便利な防水スプレー
「一年着たから撥水効果が取れちゃった」なんて、防水スプレーをレインウェアや、おろしたての安全靴の表面などに吹き付けている職人もいると思います。
梅雨時、靴やウェアに撥水効果があると、ちょっとした雨なら濡れないで済むというメリットは捨てがたいですよね。
ところが!この防水スプレー、一歩間違えると命の危険に至ることもあるって知っていましたか?
使い方を間違えると大変危険な、防水スプレーについてお伝えします。
防水スプレーで呼吸困難に!?
最近では100円均一などでも登場してお馴染みの防水スプレー。吹き付けるだけで手軽に防水効果をつけられると人気のようです。
以前鳶人コラムでも、鳶足袋などの汚れ防止に有効との紹介をしたことがありました。
最近では革製品に防水効果がつけられるものも登場して、革製の安全靴、女性のハイヒールなどにも利用できる!と、ますます人気になっています。シューズショップの店頭などでも、レジの近くで手にとりやすく扱われているようです。
ところがそんな防水スプレーが原因で死亡事故や 危険な状態が発生してしまうという事例が相次ぎ注意喚起が急速に広まっています。
死亡原因は窒息、事故の場合は呼吸困難と診断されたようです。なぜそうなってしまうのでしょうか。
最悪のケースは肺が真っ白に!防水スプレーを吸い込む危険
防水スプレーは 水をはじくシリコンなどの撥水成分がガスと一緒にスプレー缶の中に入っていて、吹き付けるだけで簡単に防水効果を発揮できます。
ところが誤ってこの防水スプレーの成分を吸い込んでしまうことで肺に樹脂が付着して撥水性を発揮してしまうと、どんなに息を吸っても酸素が取り込めなくなってしまうことがあります。
酸素を取り込む肺の細胞がコーティングされてしまうせいで,、酸素の取り込みが阻害されるのだそうです。吸っても吸っても酸素が入ってこないため「酸欠」状態が起ってしまうんですね。
公益財団法人日本中毒情報センター の調べでは、2015年までに66件の事故があり、月ごとで見るともっとも発生率が高いのが6月、7月なんだそうです。
こちらから、PDFで見ることができます。
事故を防ぐ3つのポイントを守って安全に使用しよう!
資料によると、屋内はもちろん、屋外でも風向き等で吸い込む事故が起きており、被害者の大半は大人で症状が起っているとのこと。
そこで、次のような注意喚起がされています。
1.使用前に製品表示、特に「使用上の注意」をよく読んでから使用する
2.マスクを着用し、必ず風通しの良い屋外で使用する
3.周囲に人、特に子どもなどがいないことを確認してから使用する
(出典:公益財団法人日本中毒情報センター 防水スプレーを吸い込む事故に注意しましょう! より)
注意すべきポイントさえ守って使えば、防水スプレーは安全で便利なものです。屋外高所で働く鳶職人にとっても便利なアイテムであることは間違いないですから、上手に利用するポイントを忘れないようにしましょう。
友達にも鳶の事を教える。