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鳶が足場を組み上げるまで!

鳶が足場を組む作業工程を関係者以外が完成まで追うことは難しい 鳶に興味がある人のために、足場設置の流れを解説しよう! 建設現場において、当たり前のように組み上がっている足場。クサビ式足場は(1)作業前の工程、(2)第1層目の組立工程、(3)第2層目以降の組立工程、と大きく3つの工程で組み上げられる。 ■作業前の工程 足場作業に入る前にまず決めないといけないのが作業主任者、いわゆる“職長”だ。職長は技能講習修了者の中から指名され、作業現場の組立図や写真、また実際に現場へ行き敷地や地盤、障害物があるか、建物の特徴などを確認。そのうえで足場を組む鳶の手配を行い作業の分担を決める。 また現場の状況を考えながら必要な足場部材の手配が必要となる。部材が現場で足りなくなることが問題になるのはもちろん、多すぎても撤収作業などに時間がかかってしまうため見極めが重要な作業だ。 ■第1層目の組立工程 トラックより部材を降ろした後、最初の作業となるのが建物周辺に手摺(水平材)を配置することだ。その後、ジャッキの下に敷く敷板“ジャッキベース”をアンダーベースの上に固定。支柱を支える脚部の固定作業を行ったあと、建物のコーナー部に設置したジャッキベースから支柱を差し込んでいく。支柱と支柱を手摺を使用しハンマーで打ち込み固定。手摺を内側の支柱に固定し、建物に応じたスパン(間隔)を決めながら連結していき、作業床の取り付け位置が決め踏板をはめ込んでいく。 ■第2層目以降の組立工程 まずは第1層目と同じく建物のコーナー部から支柱、手摺を中央に向けて固定していき支柱の建込みを進めていく。次に手摺、ブラケット(アンチをはめる資材)、踏板を取り付けていき3層目以降は同じ工程を繰り返す。 ブラケットや足場板など部材は渡す側と受け取る側それぞれが分担作業とし、主に親方が組み立て作業を行っていくのが一般的だ。 ※上記はあくまで一般的な組上工程で、それぞれが並行して進むケースもあります。

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アーク溶接特別教育(あーくようせつとくべつきょういく)【建築の資格】

【資格の概要】 アーク溶接とは電気の放電現象を使って溶接する方法。アーク溶接を行うためにはアーク溶接特別教育を修了しなればならない。講習日数は2日間。 【受講資格】 満15歳以上 【講習内容】 <学科> アーク溶接等に関する知識 アーク溶接装置に関する基礎知識 アーク溶接等の作業の方法に関する知識 関係法令 <実技> 各事業所でアーク溶接装置の取扱い及びアーク溶接等の作業の方法に関する実技教育が10時間以上行われる。事業所での実技教育ができない場合は、別途アーク溶接実技講習を受講する。 【資格取得でできる仕事】 建設現場でアーク溶接を行う場合の必須資格なので、多くの職種で必要になる。

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鳶以外の職人も目指している! 一人前の職人になるなら持っていたい建築系資格【建築の資格】

土木・建築の仕事は危険も伴うので、技能講習や特別教育を受けて試験に合格しないと仕事に従事できないものもある 資格を持っていないと一人前になれないものもたくさん資格を取れば給料アップも期待できる! 土木・建築に関係する資格はたくさんあるが、大きくわけると3つの種類がある。 ●特別教育 事業者などが行う教育を受講することで取得できる資格。事業者ではなく都道府県の労働局長より登録された教育機関で教育を行うものもある。 ●技能講習 都道府県の労働局長より登録された教育機関が行う実技と学科の講習を受け、修了試験に合格すると取得できる資格。 ●免許 安全衛生技術試験協会のセンターで行われる国家試験に合格すると取得できる。難易度は高いが、免許を持っていると特別な仕事に従事できるほか、資格手当も期待できる。 難易度は特別教育がもっとも低く、免許は難易度が高い。技能講習に合格しないと一人前の職人として仕事ができないものも多いので、上を目指すならぜひチャレンジしてみよう!

川島工業の社長、川島完一さんビル上
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第1回 いまの自分を作った先輩の存在と言葉 鳶職人インタビュー川島工業 川島完一さん(32歳)

建設現場の最前線で活躍する鳶の本音に迫る本企画。最初に登場してもらったのは鳶として会社を興し、仲間と多くの現場を渡り歩く親方、川島工業 川島完一さん(32歳)。3回に渡り、彼の生き様をお届けしよう。 現在は17歳から30代まで9名の足場鳶を率いる川島工業の社長、川島完一さん。この世界に足を踏み入れたのは19歳のときだった。 「建設業を転々としていたときに求人情報誌のガテンを見たのがきっかけですね。足場鳶は未経験でしたが求人に応募しました。この仕事を選んだのは建設現場で足場の設営を目にすることが多かったことで、何をする仕事かがイメージできていたからかもしれません」 とはいえ、見るのと経験するのとは違う。建設現場で働いていたため体力的には問題なかったというものの、やってみて初めてわかる辛さがあった。 「夏場の作業が思っていたよりキツかったですね。冬場の寒さは動けば体が温かくなるのですが、夏は休み休み作業しないと体が持たない…」 夏の暑さ以外にも、深夜までかかる資材の片付けや集合時間が早いこともきつかった。また高さに対する恐怖もあった。 「40mくらいの高さまで足場を組むときがありますが、さすがにしびれますね。いまでもそう感じることは正直あります(苦笑)」 しかし、経験を積み現場をこなしていくことで自分に対しての自信が生まれたのだろうか。いつの間にか多くの課題を消化していたそうだ。 ただ、それを可能としたのは新人の頃に先輩の鳶から注意されたことがきっかけではないかと川島さんは話す。 「この仕事を始めたころ、現場でボーとしてしまったのですが、そのとき先輩から『おい、仕事をちゃんとやらないといつまでたっても終わらないぞ!』と注意されました。すごく単純な言葉に思えるかもしれませんが、仕事を始めたばかりの私にとって、とても心に響きました。作業をちゃんとやる。そんな当たり前のことが重要なのだとわかり、その後はそのことを意識して疲れていてもきちんと仕事をこなすようになりました」 足場鳶として13年のキャリアを持つ川島さんだが、その言葉だけでなく、先輩の存在がいまの立場を作ったといえるだろう。足場鳶とは、仲間の存在が大きな武器になる仕事なのだ。

スケール
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スケール【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】スケール 【使用用途など】 工事現場だけでなく一般的にも使用されるスケールは、簡単にいえば金属製のメジャーだ。 ホームセンターなどでは3mや4mといったものも売られているが、足場組立工事現場で使用するスケールは、幅25mmで長さは5m~5.5mサイズが多い。なぜなら足場の長さは1.8mのものが多いので、5.5mなら3本分、5mなら3本弱分まで測れるから。 製品のなかには、曲げによる測定トラブルを防ぐため爪に焼き入れ加工を施し強度を高めたものや、落下事故防止対策がなされているもの、落下時の衝撃を考え強度を増したケースを装着しているものが販売されるなどラインナップは豊富だ。 【市場価格】 1200~3800円

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ボルトクリッパ(ぼとるくりっぱ)【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】ボルトクリッパ(ぼとるくりっぱ) 【使用用途など】 鳶職人がクリッパーと呼ぶこの道具は、鋼材や線材、硬銅棒材などを切断する手動式カッターのこと。 足場組立て工事ではおもに番線を切ることに使用するため「番線カッター」と呼ぶ鳶職人も少なくない。 形状が似ている4mm程度の軟鋼線材が切断できるカッターと比べ 、製品サイズにはよるが5mmから18mm程度を切断できる強度と軽量化を両立してある。そのため現在は刃に焼入れした高炭素鋼「ばね鋼材SUP」を使用した製品が主流となっており、「鋼製パイプハンドル」と組み合わされる。 【市場価格】 3500~6000円

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ラチェット(らちぇっと)【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】ラチェット(らちぇっと) 【使用用途など】 正式名称は「(シノ付き)ラチェットレンチ」で、建設現場では資材同士を結合するクランプの先端についているボルトを締めるときに使用される。 締め付け側と反対側には鉄骨の穴を合わせたり番線を締め付ける「シノ」がついているためか、この道具を多くの鳶職人が「ラチェット」ではなく「シノ」と呼ぶ。 「シノ」は足場が丸太だった時代から鳶が使う道具で、十手の形をした、ラチェットがついていないものもある。 1987年に工具落下防止対策が工事安全基準に加えられたことで、本体には落下防止具の取付け用穴がつけられるようになった。 【市場価格】 1700~7000円(シノ付き)

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大工【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 主に一般戸建て住宅の木造建築や増改築を行う職人。鳶、左官などと並び歴史のある仕事だ。かつては多くの職人を束ねる“長”を大くと呼んでいたという。 木造軸組工法を手掛ける町大工のほか、ツーバイフォーやプレハブ工法などハウスメーカーごとに多様化した工法に対応する大工がいる。工務店を経営し、自らの会社で設計から施工までを請け負う人もいる。 木造建築以外にも、コンクリート建造物でも内部の木造部分は大工が手掛ける(造作大工)。また神社・仏閣などを専門に手掛ける宮大工も。伝統的に親方や職長など責任者のことを棟梁と呼ぶ。 【現場に入るタイミング】 基礎工事後

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第1回:確定申告ってナニ?【一人親方のための確定申告講座】

肌寒い季節になると巷で聞こえ始める「確定申告」という言葉。ところで「確定申告」って何かご存知ですか?なんとなく知っているけど、ちゃんと分かっているか心配ですよね。第1回目では「確定申告」とはどんなものか、説明します。 確定申告とは一年間で稼いだお金に対して国にいくらの税金(所得税)を納めるかを明確にする作業です。対象となるのは、前の年の1月1日から12月31日までの間に稼いだ金額。日本では稼ぎによって支払う税金の額が異なるため、確定申告が必要になるのです。 税金の額に影響するのは稼いだ金額だけではありません。医療費、保険料など、自分が支払ったお金も税金の計算で使います。これを控除と言います。 「稼いだ額」、「控除」などを決められた手順で計算すると、国に対していくらの税金を支払うのかが導き出されます。そして税務署に必要書類を添えて結果を提出する作業を「確定申告」といいます。 期日までに確定申告をすることで、払いすぎていた税金が返ってくることもあります。逆に申告を忘れると本来支払う税金以外に追加の税金を納めなければならなくなります。 これから確定申告について分かりやすく説明していきましょう。

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腰道具【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】腰道具(ハーネスタイプ)こしどうぐ(はーねすたいぷ) 【使用用途など】 鳶職人が着用するハーネスの腰回りに取り付けれる道具や道具を装着するための「差し」の総称を「腰道具」と呼ぶ。 ハーネスとは全身タイプの命綱付きベルトのことで、腰に巻くだけのタイプよりも安全性が高まる。現場によってハーネス安全帯の着用が義務付けられているところも。 写真に装着されているのは、右からハンマーとハンマー差し、ラチェットとシノ差し、クリッパ、水平器、スケール、そしてハーネス上部には鳶職人をはじめ、高所作業を行う職人の命綱として使用される安全帯が装備されている。 【市場価格】 15000~40000円(ハーネスのみ)

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ハンマー【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】ハンマー(はんまー) 【解説】 鳶職人の必須道具といえるハンマーは、物を打ち付けたり、潰したりする工具のこと。 足場組立て工事現場ではおもに結部に水平材や斜材の緊結部をとめるくさびを緊結部にたたき込むときに使われる。 ハンマーとハンマーの柄が手になじむかどうかは鳶職人にとって重要な問題で、職人によってはなじんだハンマーの寿命が来る前に複数本を用意。現場ではメインのハンマーを使用しながらもサブのハンマーを少しずつ手に慣らしていく地道な作業を行っている。また握りやすいよう持ち手を加工する職人もいるという。 【市場価格】 2000~6500円

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水平器【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】水平器(すいへいき) 【解説】 一般的には水準器やレベルとも呼ばれ、地面に対する角度や傾斜を確認するのが「水平器」という道具。土木、建設現場では鳶職人だけでなく大工、測量者なども必ず携帯してると言っていい。 鳶職人は足場(ねがらみ)や建地の水平を確認するために使用し、腰道具に取り付けられるようシャックル(吊り荷をつなぐ結合金具)がついているものを選ぶのが一般的だ。 現在販売されている物は若い鳶職人向けなのか、カラーリングやデザインに凝っているものが少なくない。 【市場価格】 1500~4600円(シャックル付き)