支柱
Posted in 足場・鳶用語集

支柱【知って得する! 鳶用語辞典】

【用語名】 支柱 しちゅう 【使用用途など】  こぶ(コマ、ポケットとも)という緊結部が一定間隔ごとについている鋼管。このこぶと水平材や斜材の緊結部をくさびにより緊結することで、くさび緊結式足場は組み上がっていく。  支柱には長さの異なる幾つかの種類が存在し、これらを組み合わせることでどんな高さの建物にも対応できるようになっている。  その独特の形状から運搬が難しい支柱だが、中でもサブ(サブロク)と呼ばれる種類の支柱は全長3.6mと長く、取扱いは非常に困難だ。サブの運搬、受け渡し作業は、新人鳶にとって最初の関門となるだろう。 【市場価格】 一本あたり3000~10000円(長さによって変動)

平尾化建 岩間貴史
Posted in 岩間工業 岩間貴文, 職人インタビュー

親方に求められる資質とは

鳶の親方には現場を仕切る能力が必要なことは理解できる。ただ、それだけでは務まらないのも親方なのである。 今から7年前、先輩の紹介で鳶に就いた平尾化建の岩間さん。年齢は24歳。鳶としてはやや遅めのスタートだった。 鳶について何も知らなかったが、当時は仕事を辞めたばかり。仕事があるなら、と軽い気持ちだったという。その後、鳶に必要な「玉掛け」「足場(足場の組立て等作業主任者)」「フォークリフト」「クレーン(小型)」といった資格・免許を相次いで取得。現在では親方を務めている。 「鳶を始める前はいろいろアルバイトをしていましたが、どれも長くは続きませんでした。この仕事も夏の暑いなかで作業をするたび、『もう辞めようかな』と頭によぎります。よく続いてますよね(笑)」 足場を組み立てる現場は、その規模が大きくなるほど係わる鳶や職人の人数も大きさに比例して多くなる。足場の組み立てを仕切る親方には、下につく鳶への指示だけでなく、建設作業員や職人などとの調整能力が求められる。これが一筋縄ではいかないケースも少なくない。 「足場を組み終わった段階で現場監督に確認を取るのですが、足場で作業をする職人からもっとこうして欲しいと要求が監督にくるケースがあります。場数をこなした監督であれば現場のことを考えて職人を説得してくれますが、まれに組み直しを要求されることがあるんですよ。こちらとしては注文に沿って組み上げてるんですけどね…」 簡単にいえば現場監督の力量ひとつで負担が大きくかかってしまうのだが、そういうケースがあるからこそ「またお願いしますね」と言われたときの喜びはひとしおなのだと岩間さんは笑顔で語った。 「まずは足場をキレイに速く組むことが重要。親方になってからはお客様のニーズにいかに応じられるか、要はサービス精神が鳶には重要だと感じるようになりました。ニーズに応じられないと、次がない世界なんですよ」 顧客に対しての“思いやり”を持つことが一人前の鳶の証であり、そうなるのが目標だと話す岩間さん。 将来の目標は独立して社長になるのではなく、親方として、またひとりの鳶として会社を大きくすることだと続けた彼を見て、鳶ならではの含蓄に溢れていると強く感じた。 インタビュー後半へ続く・・・

信和 八鍬大輔
Posted in 信和 八鍬大輔, 職人インタビュー

第2回 厳しい条件下で仕事をする時こそモチベーションが大切

いろんな土地へ行くのが好き、毎日違う足場を組むのが楽しいという八鍬さん。そんな彼が考える「一人前の鳶」とはどんな姿なのか。また家族との時間を大切にするため上京したというが、休日は家族とどう過ごしているのか、聞いてみた。 戸建の仕事が多い八鍬さんの会社。毎回異なる足場を組むため、いつも新鮮な気持ちで仕事を楽しめる。しかし、そんな八鍬さんも年に1〜2棟、必ず苦労する現場があるという。 「場所は毎回違うのですが、ある工場系の現場ですね。特殊な構造をしているものばかりなので、まず仕様を考えるのが大変ですし『ここはこうして欲しい』という細かい要望もあります。さらにトラックが2台しか入らないとか、トラックは午前中しか置けないとか、そういう制約もあったりしますね」 できないことが多いほど燃える人はいるが、八鍬さんもきっとその一人だろう。「毎年悩むんですよね」などというその顔はとても明るい。そんな彼に、一人前の鳶とは?と聞いてみた。 「その日1日の流れが見える人だと思います。今日はここまで、明日はここからと全体の流れを読み、だから資材はこれをこれくらい、何人必要で、彼らの役割は……というのが見えるようになると、一人前と呼べるのかなと思います」 それを、先ほどのように数多い制約の中で、考えなければならないこともある。そうなると、やはり八鍬さんのように、逆境(と思えるようなもの)をむしろ楽しんでやろうという気持ちが大切になってくるのだろう。 さらに、そうした仕事に対峙した際は、モチベーションも大切な要素になるだろう。八鍬さんの場合は、給料はもちろんだが、家族がいること大きいという。 「子どもは上が4年生の息子、あとは1年生の娘と、年長組の娘がいます。息子はサッカーに夢中で休日は練習に出かけるためなかなか一緒に遊べませんが、娘2人とは時々ふらっとショッピングセンターに一緒に買い物へ出かけたりします」 家族のために仕事を選び、上京した八鍬さん。鳶として、家長として、充実した日々を送っているようだ。

筋肉をつけるための正しい食生活
Posted in THE 鳶~鳶のすべて

【連載コラム第6回】忘れちゃいけない!筋肉をつけるための正しい食生活~その1

ここまで様々な筋トレ方法について解説してきましたが、読んでいただけましたか? まだの人はぜひそちらも読んでみてくださいね! さて、みなさんの中には「普段から筋トレしているのになかなか筋肉がつかない……」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。もしかしたら、それは“正しい食生活”ができていないからかもしれません。 これから紹介するのは効率よく筋肉をつけるための正しい食生活です。 ◆筋肉をつけるため必要な栄養を取る まず大事なのは、筋肉をつけるのに必要な栄養を取ることです。ここでは、その中で大切な5つの栄養素を紹介します。 ① タンパク質 何と言ってもタンパク質は筋肉の材料そのものですから、一番大切です!肉や魚、卵や豆などに含まれています。中でも鶏肉は最強!積極的に食べるようにしましょう。 ② 炭水化物 太るからと言って控えられがちな炭水化物ですが、取らないではいられません。白米や果物に含まれる炭水化物は運動のエネルギーになるのですが、これが不足すると体は筋肉のタンパク質を分解してエネルギーとして利用してしまいます。これでは、筋肉がつきませんね。ただ取りすぎると太ってしまうので、一食にお茶碗一杯のご飯など、適度に取るようにしましょう。 ③ 脂質 これも太るからと避けられがちですが、実は重要です。エネルギーとして使われたり、他の栄養素を運んでくれたりします。炭水化物と同じで取り過ぎるとやはり太るので、適度に取るようにしましょう。 ④ ビタミン 炭水化物や脂質をエネルギーに変えたり、トレーニングで傷ついた筋肉の修復を手伝ってくれたりします。野菜や果物だけでなく豚肉や魚にも含まれています。 ⑤ ミネラル カルシウムやナトリウムなどいろいろな種類があり、海藻や魚に多く含まれています。筋肉の働きを調整するとても大事な栄養素なので、欠かさずとるようにしましょう ◆まとめ 筋肉をつけるのに必要な栄養素は ・タンパク質 ・炭水化物 ・脂質 ・ビタミン ・ミネラル の5つです。これらの栄養素を1日のうちに必ず取るように気をつければ、筋肉のつき方がきっと変わります! 次回は筋肉をつけるための食事のとり方を紹介します。お楽しみに!

そういえばなんで俺たちは鳶なの?
Posted in THE 鳶~鳶のすべて

そういえばなんで俺たちは鳶なの?

高い所にいるから鳶なの?鷲や鷹じゃない理由ってなんだろう?その秘密の鍵はなんと江戸時代にありました。 ■職人としての鳶の名が出回り始めたのは江戸時代? 由来は諸説あるようですが、歴史の中で「鳶」という言葉が流行りだしたのは江戸時代と言われています。 当時の鳶職人は棟上げ仕事と同時に、有事の際には消防活動も先陣を切って行っていたと伝わっています。いわゆる「火消し」ですね。 ※江戸時代の鳶職人は建築を知るプロフェッショナルとして昼に晩に大活躍したと言う。絵の中で彼らが持つ長い棒の様なものが「鳶口」。 そんな彼らにとってなくてはならない道具が「鳶口」だったと言います。物を引っ掛けたり、引っ張ったり、時には壊したり…現代では仕事の様子も変わり、鳶口が必要となる場面はあまりないので私たちには馴染みは薄いかもしれませんね。 ※江戸時代に使われていた「鳶口」。先の形が「鳶のくちばし」に似ていることからこの名がついたと言われる。 ■鳶と言われる様になった由来は? 鳶口を持つ職業人だったから 棟上げの時、火事の時、梁や屋根の上をひょいひょい飛び回っていたから などの理由から「鳶の者」と呼ばれる様になったと伝えられています。 ※歌川豊国の「櫓のお七」。背景には屋根に上がった鳶衆らしき姿が描かれている。 ■鳶は今も昔もモテ職業? 現代の建築現場では花形と言われる事もある鳶職人ですが、江戸時代も相当モテモテ職業だった様です。大工・左官・鳶は「華の三職」なんて呼ばれ方もされていたみたいです。 そんな由来を胸に秘めつつ、我々も今の現場を生きる「現代鳶」として(モテ職業であるためにも!?)誇り高く格好良くありたいですね。 ※現場が君の活躍を待っている! 合わせて知っておきたい足場の歴史についてはこちらの記事でも紹介しています。https://tobi-jin.jp/knowledge/99.html

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架け/バラし【知って得する! 鳶用語辞典】

【用語名】 架け/バラし かけ/ばらし 【解説】  それぞれ足場架設工事における組み立てと解体、撤去作業を指す言葉。一つにまとめて「架払(かけばらし、かけばらい)」と表記されることもある。架けとバラしの両工程が終わって初めて足場架設工事は完了する。  架けでは職長が如何に事業者や現場統率者の要望をクリアしながら、小方を指揮し足場を組んでいくかが作業のカギになる。対してバラしは人工数、工期共に架けよりも少なめに設定されている場合が多く、限られた人数と時間で如何に効率良く足場を解体していくかが重要だ。  余談だが、バラし作業は一人一人の担う役割が多く、作業スピードも架けに比べ速いという側面もある。新人の頃の筆者はそのスピードと忙しさについていけず、しどろもどろになったものだった。

信和 八鍬大輔
Posted in 信和 八鍬大輔, 職人インタビュー

第1回 鳶の仕事は頭を使う。そこがおもしろさ 。

ある思いを秘めて東北から上京してきた八鍬(やくわ)さん。こちらでもさまざまな仕事を経験し、現在の会社に勤めることになったというが、東京での仕事はどんな感じだろう。 「もともと東北のほうで5年ほど鳶をしていたのですが、子どもが3人になって東京に出てきました。以前は長いと1年間とか現場に張り付くことになって、家になかなか帰れなかったんです。子どもが3人いると、やはり家が恋しいですからね」 八鍬さんは上京の理由をそう語る。東京に来てからは土木関係の仕事や他の会社で鳶などいろいろやったのち、現在の会社に落ち着いたそうだ。 「この会社では、たまに1〜2週間家に帰れないこともありますが、たいていは毎日家から通っています」 家族との時間を優先するために上京し、会社選びをした八鍬さんだけに、かわいい子どもたちの顔を毎日見られる今の仕事にとても満足しているようだ。 さらに、戸建を中心に足場を組む現在の会社に入って、仕事自体が楽しくなったようだ 「もちろん給料がよいこともありますが、戸建が中心だと、現場がいつも違う土地だということが個人的に気に入っているところです。いろんなところへ行けるのが、楽しみなんですよ」 とはいえ、現場が変われば足場の組み方も変わる。つまり、毎日のように組み方が異なるのだが、それは苦にならないのだろうか。 「確かに毎回違うカタチの家ですから、組む足場も毎日違います。だからいろいろと考えないといけない。でも、それも楽しいんですよね」 作業期間の長い現場では毎日足場の組み方を考えるようなことはない。楽ではあるが、退屈でもあった。ただ逆に東京に出てきてからは家や土地の制限といった現場の状況ではなく、人足の問題で苦心したこともあったという。 「普通なら6〜7人で組みたい足場なのに、3〜4人しかいないことがありました。そこでどんな機械を使えば補えるかなど、対応策を考えて組みました」 考えること。工夫すること。体を使って働くイメージの強い鳶だが、頭も同じようにフル回転させなくてはならない。それこそが鳶の醍醐味。上京したことで家族との時間を大切にできるようになっただけでなく、仕事も面白く感じられるようになった八鍬さんだ。

相模テック 五十嵐文哉
Posted in 相模テック 五十嵐文哉, 職人インタビュー

第2回 後輩から慕われる親方を目指して。

好きなクルマや大切な家族のために、きつくてもそれに見合った給料がもらえるこの仕事で汗を流している五十嵐さん。しかし、五十嵐さんを支えているのは、それだけではなかった。 五十嵐さんは現在28歳。今の会社に入ったきっかけは、昔からの友だちだった同社の社長に誘われたからだという。 「社長だけでなく、この会社には他にも友だちがたくさんいるんです」 この仕事に就く理由の一つに「友だちから誘われて」と答える鳶は多い。五十嵐さんの場合もまさにそれで、しかも同社には彼の昔からの友だちも数多く入社しているようだ。 しかも同社は「平均年齢が多分25〜26歳」というほど若い。だから仕事を離れた時の彼らの会話は、終始笑い声が絶えず、端から見るとまるでクラブ活動の延長のようにも感じられる。 みんな若くて、しかも昔からの友だちが多いと、きっとちょっとした会話や仕草で、仕事のきつさを和らげやすくなるのではないだろうか。例えば、クルマが入らなくて離れた場所まで部材を担いで運ぶ時でも、仲間同士で冗談を言い合いながら、という具合に。 さらに、休日でも一緒に遊びに行くほど彼らは仲が良いそうだ。 「休みの日は、会社の仲間とよくバーベキューをやったり、スノボーに出かけたりしています。そういうのもこの仕事のモチベーションですね」 休みの日は思い切り遊んで、オンオフのメリハリをつけると、やはり仕事に張り合いが出てくる。しかも仕事以外の場でも仲間と家族ぐるみで付き合うことで、お互いの意思疎通が自然とできるようになり、仕事を効率よく進められるのかもしれない。 実際、5月24日に行われた鳶-1グランプリでは、参加した6社中一番早く課題を組み上げた。五十嵐さんを含め、同社の鳶ただ仕事中に冗談を言い合う仲良しクラブ、などではないのだ。 そんな仲間を親方としてまとめる五十嵐さんの今の目標は「後輩たちの目標になるような親方になること」だという。 「みんなから尊敬されるような親方になりたいですね。そう思うと、後輩たちからの目が気になって、だからこそきちんとひとつ一つ丁寧に、安全に仕事をするよう心がけるようになりました」 尊敬される親方になるという目標。それが、仲間と仕事をする安心感や楽しさ以外の、五十嵐さんのもう一つのモチベーションになっているようだ。

若手鳶のための寝坊しない方法
Posted in コラム, ワカトビたち

若手鳶のための寝坊しない方法

これで寝坊とおさらば!知って得する寝起きのメカニズム 「起きたら出発時間だった、、、」 ダッシュで着替えて顔を洗わず出発すればギリギリ現場に間に合うはず。寝癖はメットかぶれば分からないし・・・なんて経験ありませんか?それでも集合現場に遅れてしまってなんとなく気まずくなっちゃうことってありますよね。 今回は何故人は寝坊してしまうのか・・・ 「寝坊に効くかもしれない!?」知っ得情報をお届け致します! まず1つ目の鍵は夜の「光」 私たちの体内では夜9時くらいになると「眠くなる成分」が分泌されるのですが、実はこの「眠くなる成分」は「光」にとても弱いのです。 思い返してみてください。なかなか寝付けない時って、直前まで明かりを浴びていませんでしたか?スマホとかパソコンとかコンビニとか。起きてる時間が長ければ長いだけ光を浴びる事になり、結果眠りが浅くなってしまうのです。 しかしここで朗報です! この強烈な「光」を避けるために誰でも出来る簡単な方法があるんです。 それはずばり! 早く寝る。   「それが出来たら苦労しないよ~」なんて声が聞こえてきそうですが。夜更かしして翌朝、遅刻してしまう可能性を高めるよりは! 想像してみてください。 余裕をもって現場に到着する颯爽とした自分の姿を!ほら、先輩とのコミュニケーションも足場もなんだかうまくいきそうな気がしてきましたよ! 「それでも朝弱いんだよなぁ」という方もいるかもしれません。 眠気がとれない朝の時間。どうしたものか・・・ 感の鋭いあなたは既にピンときたかもしれませんね。 そうです。「眠くなる成分」は「光」に弱い! だから朝は光を浴びるのが有効です! しかも太陽光という抜群の光を浴びる事ができるのです。 問題がなければカーテンを少しあけておくなどして外の明かりが入ってくるように、してみてるのも良いかもしれません。 え?他にも原因があるんじゃないか?って? そうですね。とっておきの話しがありますのでそれは次回お話しましょう! 今日の所はひとまずおやすみなさい! ===================== 今回のポイントは3つ! ・早く眠る。 ・眠る前には強い光を浴びない。 ・朝日を浴びる =====================

真夏を乗り切れ!鳶人アンケート結果発表!
Posted in コラム, 鳶職人アンケート&大調査

真夏を乗り切れ!鳶人アンケート結果発表!

夏本番!鳶にとっては大変つらい時期がやってきました。今回は100名近くの鳶職人の皆様に協力してもらった「真夏を乗り切るアンケート」の結果をお知らせ致します。これを読んでチームみんなで夏対策をしよう! ■まず始めに「真夏の現場でつらいこと」の発表です!なんとなく予想のつく1位は!? 「暑さ」64票(100人回答中) 当然といえば当然な結果かもしれません。また、「暑さ」に伴う「体力消耗がきつい」や「熱くなった資材でやけどをしてしまう」「直射日光半端ない」「汗がやばい」という回答も多くみられました。いや、ホントに夏の現場はきついですよね。 ■続いてそんな過酷な環境のもと、鳶の現場にあったら嬉しいものの発表です。 「冷えたドリンク」68票(100人回答中:複数回答可) 続けてクーラーボックス、冷えタオル、日陰(雲が太陽を遮る瞬間が待ち遠しいです)、空調服、中には理解ある上司や「短くてもこまめに小休止時間を設定してくれる職長さん大好き」など、切実なコメントが多数寄せられました。士気を下げずに効率よく現場を回して行くにはどうしたら良いか。チーム全体の課題ですね。 ■それではこの真夏の暑さを乗り切るために取っている方法は? 「こまめな水分補給」44票(100人回答:複数回答可) 「こまめな塩分補給」19票 「こまめな休憩をとる」19票 「こまめに」というのがポイントですね。塩飴や塩とドリンクを同時に取っている方も多い様です。 毎日梅干しを食べる、スタミナのあるものを食べる、深酒をしないなど、 梅干しはクエン酸も豊富ですから疲労回復にも役立ちそうですね。何はともあれ現場では、汗で失う塩分と水分の定期的な補給が鍵です。差し入れに冷えたドリンクと塩飴なんて最高ですね! 後、意外に多かったのが「気合い」。確かに。。 ■現場以外での過ごし方も重要 「水分と塩分の補給」以外に多かったのが「深酒をやめる」「しっかり睡眠をとって早寝早起きする」「スタミナのある食事をとる」などプライベートな時間での体調管理をいつも以上に気を使うと答えられた方も多くみられました。 ■ポジティブなコメントも! また夏の現場は「体力がついた」「痩せた」「ビールが旨い」などポジティブな回答もちらほら。 鳶人では今後も真夏の応援情報記事を掲載していきます!確かな体調管理と栄養補給で熱い夏を乗り切りましょう! 熱中症対策特集1「実は危険!?意外な“あの飲み物”」 https://tobi-jin.jp/knowledge/622.html 熱中症対策特集2「熱中症になりにくい身体を作る誰もが知っている“あの飲み物”」 https://tobi-jin.jp/knowledge/634.html

ジャッキ
Posted in 足場・鳶用語集

ジャッキ【知って得する! 鳶用語辞典】

【用語名】 ジャッキ じゃっき  【解説】 【使用用途など】  足場の最下部に使用して上下の高さを調節する資材。ジャッキベースというプラスチックや鉄の敷板を下に敷いて使う場合が多い。  通常の足場に用いるジャッキの他にも、屋根等勾配のある場所で使用する接地部分が可動性の自在ジャッキ、建物側に足場が倒れるのを防ぐ壁ジャッキ(壁あてジャッキ)が存在する。これらは皆、活躍の場は違えど足場を支える「足」の役割を担う、という点で共通しており、ジャッキは仮設足場の安定性を高めるうえで不可欠の存在だといえる。 【市場価格】 一本あたり2400~2900円(種類によって変動)  

筋トレの極意は““体幹””にあり
Posted in THE 鳶~鳶のすべて

【連載コラム第5回】超重要!筋トレの極意は““体幹””にあり!!~実践編その2~

さて、今回は前回に続き体幹トレーニング実践編、最終回です! ここまでの連載記事をまだ読んでいない人も、読んだ人もぜひおさらいしてから読んでみてくださいね。 今回も具体的なトレーニング方法を2つ、紹介します。 準備はいいですか?? 体幹トレーニング③ 腰回りを鍛える!「シングルレッグ」 この「シングルレッグ」はお尻や腰回りを鍛えるトレーニングです。 重いものを持ったり、姿勢を支えたりするのに大切な筋肉を鍛えることができます。 手順は ①仰向けの状態で体の横に腕をつけ、手のひらを床につける。 ②膝を立て、肩から膝までがまっすぐになるように腰を浮かす。 ③そのまま片足を上げ、ひざを伸ばす。 ④そのまま10秒キープ。これを左右2セットずつ。 姿勢は写真を参考にしてください。 ◆ポイント 肩のあたりから片足までがまっすぐのままキープするようにしましょう。 つらいと思っても腰をさげてしまわないように。 体幹トレーニング④ 腹筋・背筋・お尻を全体的に鍛える!「ダイアゴナル」 体幹トレーニングとしてはこのトレーニングが一番有名かもしれません。 「体幹」の名の通り、体の軸となる胴体だけでなく、太ももから肩甲骨近くの筋肉まで鍛えることが出来ます。 手順は ①四つん這いの状態から、片方の腕とその逆の足(右腕と左足、左腕と右足)を、指先から足までがまっすぐになるように上げる。 ②そのまま10秒キープ。 ③それを左右1セットずつあわせて2セット。 ◆注意 腕はしっかり耳の高さまであげましょう。また、顔が前を向いているとうまく姿勢が保てないので、下を向いて行いましょう。 ◆終わりに 前回と合わせて4つのトレーニング法を紹介しました。 どうでしょう、体幹トレーニングは一見地味に見えますし、実際とても地味です。 筋肉が盛り上がるわけではないし単純にアンチをたくさん持てるようになるわけでもありません。でもこのトレーニングを続けると確実にどっしりと地面に根を張ったように体を動かせるようになるはずです。 ふらつかず疲れにくくなるだけでなく、間接を根本的に支えてくれるので故障も減りますし、結果的にたくさんの資材を運べる体に生まれ変わるはずです。 この太い体幹こそが新人とベテランの違いです。ぜひ意識的なトレーニングで手に入れてみてください! 以上で体幹トレーニングについての連載は終わります。 ぜひ実践してみて、鳶職人のプロを目指しましょう!

鳶職人とメディア
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【鳶職人に聞いてみた!第1弾】鳶職人とメディア

【鳶職人に聞いてみた!第1弾】鳶職人とメディア 今回は、4月に鳶職人のみなさんに行ったアンケート結果についてまとめます。 アンケートに答えていただいた人もそうでない人も、他の鳶職人さんたちはどうしているのか、どう思っているかについて自分とくらべながら考えてみてください! 第1回目の今回は、鳶職人のみなさんが使っているメディアについてです。 みなさんはどんな手段で情報を集めていますか? それでは、アンケートの結果を見てみましょう。 テレビを見ているという方が一番多く、次に多いのがスマホを使っている方という結果になりました。 たしかに、休憩時間にテレビ番組の話題が出ることも多い印象がありますよね。 面白い番組や人気番組の話題をチェックしておくと会話が弾むかもしれませんよ? 外出先や現場でもネットが使えるのは便利ですよね。Twitterで友人が何をしているのか見たり、Youtubeで動画を見たりと、用途はさまざまです。 今スマホでこの記事を見ている人も多いのではないでしょうか? ところで、そのスマホでいつでも気軽にみられるこの“鳶人”ですが、鳶職人の方々には、いったいどれだけ知られているのでしょうか?このことについてもアンケートで聞いてみました! 残念ながらこのサイトはまだ鳶職のみなさんにはあまり知られていないようです…(笑) 鳶職人に役立つ様々な情報を発信していくので、ぜひ周りの鳶職人の方々に紹介してください! 皆さんの応援によって、この“鳶人”は支えられています! 次回は、「鳶職人をしていてよかったこと・つらかった事」についてのアンケートです。お楽しみに!

アンチ
Posted in 足場・鳶用語集

アンチ【知って得する! 鳶用語辞典】

【用語名】 アンチ あんち  【解説】 【使用用途など】  作業床。足場板、踏板などとも言う。  足場内の作業用ステージ、通路等あらゆる床部分にはもれなくこのアンチが敷かれている。長さや横幅によって種類が分かれており、これらを組み合わせることで様々な足場に対応可能となっている。  現在足場で使われているアンチは幅40cmの通称「ヨンマル」タイプが主流で、足場全体のうちのほとんどにヨンマルが敷かれている。しかし、平成27年7月より施行された安衛則改定において、新たに床面の隙間への規定が設けられたことで、今後はより大きな幅50cmの「ゴーマル」タイプが普及し出すのではと言われている。 「アンチ」という名称はアンチスリップメタルという製品名が由来。(ちなみに筆者は最初、安全地帯、略して安地(あんち)から来ているものだと勝手に思い込んでいた。) 【市場価格】 一枚あたり4000~13000円(種類によって変動)

相模テック 五十嵐文哉
Posted in 相模テック 五十嵐文哉, 職人インタビュー

第1回 稼ぐためにはどんなきつさにも耐えられる

五十嵐さんが初めてこの仕事を経験したのは16歳の時。その後親の仕事を手伝うために一度離れたが、しばらくして再びこの仕事に就いた。そんな五十嵐さんに、この仕事の魅力について聞いた。 親方になって5〜6年になるという五十嵐さん。今でも「鳶はきつい仕事」だという。 「雨の日や冬の日は、体が動きにくいからきつく感じますね。また現場までクルマが入れないことがあると部材を担いで運ぶのですが、途中に階段があったりすると、これもきつい(笑)」 また肉体的なつらさだけでなく、親方としての責任感ゆえのつらさもあるようだ。 「きついなと感じている時は、どうも寝言で、仕事仲間の名前や部材の名前を言っているようなんです。とくに1日に2現場こなす必要があったり、初めての現場だったりすると、よく言うらしいです(笑)。親方になって6年ほどになりますが、やはり今でも現場に行く度にプレッシャーを感じているんでしょうね」 そう言いながらも、このインタビュー中の五十嵐さんは、終始日焼けした顔にまぶしいほどの白い歯を見せ、笑顔で質問に答えてくれていた。それはまるで「きついのは当たり前、それがどうした!」と言わんばかりの笑顔だ。 「きつい仕事ということは、その分給料の数字にも反映されるということなんだと思っています。私と同じくらいの歳のサラリーマンをやっている人よりは、間違いなく稼いでいると思いますよ」 それを裏付けるかのように、メルセデス・ベンツのSクラスを同社の専門チューニング部門であるAMGがハイパフォーマンスカーに仕上げたS63というクルマに乗っている。 「このクルマを手に入れるために、つい頑張っちゃっいました(笑)」 また、その前はキャデラックの高級SUV、エスカレードだ。20代ではそうは持てないクルマを稼いだお金で次々と手に入れている。きついからこそ、高い給料がもらえる。それがこの仕事のやりがいの大きな要因になっているようだ。 さらに、3歳になる息子さんの存在も、仕事のきつさを笑い飛ばせる理由の一つになっているようだ。鳶-1グランプリが開かれたこの日も、息子さんは五十嵐さんの応援に駆けつけてくれていた。 親の仕事を手伝うために一度は鳶の仕事から離れたこともあったが、他の仕事を経験してもやはりこの仕事に戻った。肉体的に、また親方としての責任感にこれからも「きつい仕事だ」と感じることはありそうだが、好きなクルマに、そして大切な家族のために、今後も自らを奮い立たせて前に進んでいくようだ。

川西興業 栗田裕也さん
Posted in 川西興業 栗田裕也, 職人インタビュー

第2回 鳶になって3年。新たに芽生えた目標

どんな仕事でも3年も続ければ周りから“若手扱い”はされなくなる。これは本人が一番実感することだ。栗田さんも鳶として次のステージを目指し奮闘していた。 川西興業の鳶になって3年。土木関連の仕事から鳶になったこともあり当初は「金を稼ぎたい」という思いが強かった。しかし最近栗田さんには別の欲が生まれてきている。それは一人前の鳶として、社長から認められたいというもの。 「最初のころはとにかくよく社長から怒られていました。とくに足場を組む先で植木を壊してしまうなどの物損をしてしまったときは、こっぴどく怒られましたね。でも怒られるときは絶対自分にふがいなさがあるもの。言い返すことなんかできません」 今、栗田さんは休日返上で現場に出ることもある。「人より多く金を稼ぎたいですからね」と笑うが、同時に少しでも多くの現場を経験したいという思いもあるのだろう。社長から認められる。その先には“親方として自分が現場を仕切る”という目標もある。現場に出ないときもついいろいろな家を目で追っては、自分ならどういう足場を組むかなどを想像する。 「社長や親方たちを見ていると、ただただ『すごい…』という言葉しか出てきません。どこがすごい?と聞かれても『全部』としかいいようがない。とにかく何でもできて、人を思い通りに動かし、きれいな足場をくみ上げていく。僕なんか足元にも及ばないです」 目標とする理想の鳶職像があって、自分は今どのくらいの位置にいる? そんな質問をぶつけてみたところ、100点満点で2点がいいところだと答えた栗田さん。もちろんかなり謙遜しているはずだが、それでも本人には到底理想にはたどり着けていないという口惜しさがあるのだろう。そして栗田さんはこう続けた。 「あと2年。この間に実力をつけて、社長から一人前になったと認められるようになりたいです。そのためにはやらなきゃいけないこと、できるようにならなきゃいけないことがたくさんある。高いところが苦手なんて甘えたことも言っていられないですね(苦笑)。足場を組むとき、今はまだ中間までしか担当していませんが、早く上まで上がれるようにならないと」 鳶の世界は実力主義。後輩でも実力があれば自分を追い抜かしていくかもしれない。そんな悔しさを味わうのはごめんだという気迫が伝わってくる。“3年”という仕事をする上でひとつの節目となる時期が過ぎ、栗田さんには新たな欲が芽生えてきた。「いつかは親方になり、人を使って現場を切り盛りする」という目標を叶えるうえでも正念場になるだろう。でも今の熱い思いがあれば、きっと“その時”はやってくるはずだ。

川西興業 栗田裕也
Posted in 川西興業 栗田裕也, 職人インタビュー

第1回 「高いところが苦手…」なことの重要性

高所をさっそうと駆ける“現場の花形”鳶職。どれだけ高い場所でも平気な人たちが仕事に就くと思われがちだが、実はそうでもない。怖いと思うこともこの仕事には大切なことだという。 何もないまっさらな場所や立ち並ぶビルの壁を這うように足場を組み上げてゆく鳶職。くさび緊結式足場の高さは一般住宅でも10m近く、マンション改修工事などでは数十mの高さになることもざらだ。 高いところをひょいひょいと飛ぶように渡ってゆく姿に憧れ鳶職を志す人も多いと思うが、一方で鳶の社長や親方からはこんな言葉を聞くことも多い。 「高いところでも怖がらない鳶は逆に危ない」 過度な自信、恐怖心のなさは気の緩みに繋がり、思わぬ事故を引き起こしかねないという。 「もともとは土木関連の仕事をしていましたが、給料のよさに惹かれて鳶職になりました。でも土木と違い鳶は高い場所で仕事をしますよね。自分は高いところが苦手なんです…。転職するとき、果たして僕のような男に仕事が務まるか不安でした」 川西興業の鳶職、栗田さんは鳶になった経緯をこのように話す。事実、鳶になりたての頃は現場に出るたびに「こんな場所、無理だ。僕にはできない」と思い続けていた。恐怖心に押しつぶされそうになる栗田さんを支えてくれたのは仲間だった。 「川西興業には友達から誘われて入りました。僕が現場でビビっているとき、友達が『大丈夫だ!』と言ってくれたのは支えになりましたし、一人じゃないと思えたことで恐怖でしかなかった現場もだんだん楽しいと思えるようになりました」 そんな栗田さんも鳶になって3年。新人扱いはとうに終わり、中堅として後輩とともに現場へと向かっている。しかし、高さに関してだけは新人の頃と変わらず苦手。「今でも高いところには極力いかないようにしています」と冗談ぽく笑う。 「僕が経験した現場は最高でも4層。それでも下から見るのと上に上がるのではまったく違いました。だからこそ安全対策はきちんと行うようにしています」 最初に「恐怖心のない鳶は危ない」と言う言葉を紹介した。裏を返せば、怖いと思うことで安全対策をしっかり行うようになる。威勢のいい鳶という仕事だが、現在はどの現場でも安全確保が徹底されている時代。親綱をしっかり張り、安全帯を確実につける。基本を徹底することで、忙しい現場も円滑に回っていくのだろう。

Posted in 工事現場の基礎知識, 資格

木造建築物の組立て等作業主任者技能講習

【資格名】 木造建築物の組立て等作業主任者技能講習 もくぞうけんちくぶつのくみたてとうさぎょうしゅにんしゃぎのうこうしゅう 【資格の概要】 軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組み立てまたはこれに伴う屋根下地もしくは外壁下地の取り付け作業では、技能講習を終了した者を作業主任者として選任しなければならないと労働安全衛生法で定められている。作業主任者になるための技能講習だ。 【受講資格】 木造建築物の組立などの実務経験が3年以上 21歳以上 ※学歴等により変わってくる 【講習内容】 木造建築物の構造部材の組立て、屋根下地の取付け等に関する知識 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 作業者に対する教育等に関する知識 関係法令 修了試験  【資格取得でできる仕事】   木造建築において責任者として従事可能

Posted in アートビルダー 坂野智忠, 職人インタビュー

第1回 高所で作業している姿に憧れこの世界に!

すべての職種において、人それぞれで目指す方向が違うのはあたりまえ。自らが目標にする鳶像は「信頼、そして尊敬される鳶」だと話す坂野さんの仕事ぶりをお伝えしよう。 「16歳のとき、同じ年の友だちに足場鳶にならないかと誘われたのが、この仕事に入るきっかけでした」 誘われたとき、とくに躊躇せず鳶の世界に足を踏み入れたという坂野さん。根底には鳶に対する憧れがあったのだという。 「高いところで作業している姿がかっこいいと以前から思っていました。とはいえ、自分からその世界に入る勇気はなく、友だちから誘われていないとやってなかったでしょうね」 ただあたりまえかもしれないが、実際に仕事に就いた後は思っていたより辛いことが多かった。 「この仕事をやっている誰もがそうだと思うのですが、暑い夏場の作業は辛いですよ。動けて1時間が限度。体力を消耗する雨の日や雪が降る冬場の寒さも当然辛いのですが、冬は動けば身体が温まるので自分はまだ大丈夫なのかもしれません」 また鳶という仕事は天候だけでなく、仕事柄、集合時間は朝早いことに加え、撤収作業も夜遅くなることが珍しくない。イメージしてきたより辛いことが多かったが、坂野さんは今年で鳶歴8年目を迎える。ここまで続けられたのは、鳶という仕事のやりがいや楽しいことが数多くあったからだ。 「現場で足場を組むことは当然疲れますが、すべて組み上がったときは大きな達成感があります。『自分たちはやったんだ!』と感じるなど、やりがいのある仕事ですね。あと、大きな現場で作業するときは多くの仲間と一緒に作業ができるので楽しいですよ。仕事が終わった後、気の合う仲間と食事にいくこともありますしね」 組み上がったときの達成感は何物にも代えがたいと話す坂野さんだが、自らが満足する足場とはどういう状態なのだろうか。 「何よりも真っ直ぐ組めて、1800(mmの支柱)でちゃんとまとめて組めたときは綺麗だな、上手くいったなと感じます。もちろん、いつも上手く組めるわけではなく妥協点があったなとか、もっとこうしておけばよかったと振り返ることも多いですよ」 16歳から鳶になった坂野さんは、23歳で親方になった。次回は作業をうまくこなすだけでなく、若い鳶との付き合い方が大事になる親方という仕事の難しさや、目指す鳶になるための心得を聞いていく。

Posted in 信和 石関寛之, 職人インタビュー

第2回「50歳過ぎまで鳶をやりたい」そのための秘訣とは?

鳶に惚れ込み、辛い現場でも親方として段取りよく人を動かす。そんな石関さんが今心がけていることはどんなことか。そしてモチベーションは何かを聞いてみた。 図面を見て部材の数を出し、頭の中でもいいから一人で組み立てられるようになれば一人前の鳶、という石関さん。親方になって10年、数々の現場で多くの鳶を動かしてきた石関さんは、普段どんなことを心がけているのだろうか。 「僕らの後に現場に入る相手に合わせて、使いやすい足場を組むことですね。例えば使う人の背が高いか低いかによっても、組む足場は違うと思います」 背の高い人と低い人では、それぞれ仕事のしやすい足場がある。言われてみればなるほどと思うが、そうなると普段から多くの職人の仕事ぶりを見て、何をどうすれば使いやすくなるのか常に観察する必要がある。 「ですから、やはりそこは場数が必要です」 親方を10年やってもまだまだ考えるべきことがある。鳶は奥の深い仕事だ。 「50歳過ぎまで現場に出たいんですけどね。体がもつかな(笑)」 これは鳶という仕事に魅力を感じているからこその思いかもしれないが、石関さんにはもう一つ、理由があった。それは2年ほど前にマイホームを購入したことだ。 「子どもが3人いて、上から小学校6年生、4年生、保育園の年長組。30歳を過ぎると、ローンを組めるのも残り30年くらいじゃないですか。子ども3人で賃貸では狭くなったし、思い切って購入しました」 ローンの返済、さらに子どもたちのこれからの教育費を考えると、「家族のために、この仕事をずっと続けたい」という気持ちが仕事の大きなモチベーションになっているようだ。となると、休日は子どもたちと遊ぶのが楽しみなのではないか、尋ねてみた。 「最近は子どもたちが習い事を始めたりした関係で、休日はいつも一緒に遊ばなくなりました。最近は休日くらいゆっくり家で寝転んでテレビを見たかったので、ちょうどよかった(笑)」 子どもが小さい頃は、あっちへ連れていけこっちに行こうと大変だった、と笑う石関さん。テレビを見ながらゆっくりできる休日があるというのは、50歳過ぎまで鳶を続けるために必要なことかもしれない。 それに、子どもと一緒に遊ぶことが家を買った目的ではない。自分の買った家に、毎日家族の笑顔があふれていること。そのために石関さんは今日も働いている。

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【連載コラム第4回】超重要!筋トレの極意は““体幹””にあり!!~実践編

さて、前回に続き、今回は体幹トレーニング実践編です! 前回の記事をまだ読んでいないという人はぜひ読んでみてくださいね。 今回は鳶の体を支える体幹を、しっかり鍛える具体的な方法を2つ紹介します。準備はいいですか? 体幹トレーニング① 腹筋を鍛える!「プランク」 主に腹筋を鍛える方法として効果的なのが「プランク」です。物を強く引っ張る時に使う筋肉を鍛えることができます。 手順としては、 ① うつぶせの状態から肩幅より狭くなるように肘を立て、足を伸ばして腕立て伏せのような状態にします。(写真を参考にしてください) ② この状態を10秒キープ。 ③ 50秒~1分間の休憩を挟んでもう1セット。 というように行いましょう。余裕がある人は10秒ずつ時間を伸ばしていくとよいでしょう。 ◆ポイント!  この時、腹筋が疲れたからといって腰を高く浮かせたり下に落としたりすると効果がなくなってしまいます!首筋からアキレス腱まで、まっすぐになるように意識しましょう。(画像よりも膝をまっすぐにしましょう) 体幹トレーニング② 脇腹・サイドの筋肉を鍛える!「サイドレッグアップ」 脇腹から背筋の外側を鍛えるトレーニングがサイドレッグアップです。 鳶職の仕事で日常的にしなくてはならない、「重いものを持ち上げる」作業に欠かせない筋肉を鍛えることができます。 手順は ① 腕立て伏せの状態から片方の手を床から離し上体と床が直角になるようにする。 ② 床から離した手を真上にあげる。 ③ 腰をまっすぐにして上体から足首までまっすぐになるようにする。 ④ これを左右両方、プランクと同様に10秒2セットずつ行う。 画像では左腕が下がっていますが、これを真上にピンと伸ばした状態にしましょう。 ◆おわりに いかがでしたか? 実際にやってみた人はわかると思いますが、たいしたことはないと思いきや、地味にキツいです(笑) あなたもぜひ、やってみてくださいね。 次回は体幹トレーニング特集最後、実践編の続きです!お楽しみに!

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【今日も体が痛い…という人必見!】素早く正しく筋肉痛を楽にする方法

日々体を酷使して働いている鳶のみなさん、今日もお疲れさまです…!!   皆さんの中でも、少し年配の人や、まだ鳶になって間もない人、誰よりも頑張っている!と言う人、筋肉痛で悩んではいませんか? 「昨日は3600の柱、連続50本上げで死にそうだったわ・・・」 わかります、上腕二頭筋や背筋が悲鳴をあげてますよね。筆者もかつてそうでした。   どんなに鍛えていようと筋肉痛になるときはなるものです。 大事なのは「正しい対処法を知っているか?」ということ。今回は正しく簡単に痛みを和らげる方法をご紹介します!     ◆そもそも筋肉痛ってなんで起こるの??   筋肉痛の原因はひと言でいうと、 「激しい消耗によって筋肉線維が傷つく、もしくは疲労物質がたまったことにより固まる」ことと言われています(諸説あります)。     ◆簡単にできる対処法は??   自宅でできる対処法はこちら!   軽く運動する 熱いお湯と冷たい水を交互にかける 筋肉の回復に役立つ食べ物を食べる   それでは簡単に解説します。   軽く運動する 筋肉痛になるほどの運動・労働ということは、筋肉に溜まった疲労はかなり大きいものです。いきなり動きを止めて寝てしまうと、筋肉が更に固まってしまうことがあります。 ゆっくりとストレッチをして筋肉を曲げ伸ばししてみましょう。     熱いお湯と冷たい水を交互にかける 筋肉痛の時は血の巡りが悪くなっています。お風呂などで痛むところに熱めのお湯と冷水を交互にゆっくりかけると、細かい血管が開き血行がよくなるので筋肉痛の緩和に効果的です。 ただし、「激しい運動後30分以内には入らないこと」がポイントなので、1.の「軽い運動」をして少し時間が経ってからにしましょう。     筋肉の回復に役立つ食べ物を食べる 筋肉津に効果のある栄養(タンパク質、ビタミンB1、ビタミンB6、クエン酸、亜鉛など)を含む食材を食べましょう。 具体的には以下の食材が当てはまります。   …

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地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習

【資格名】   地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習 じやまのくっさくおよびどどめしほうこうさぎょうしゅにんしゃぎのうこうしゅう   【資格の概要】 掘削面の高さが2m以上になる地山の掘削作業、および及び、土止め支保工の切りばりまたは腹おこしの取り付けや取り外し作業を行う際、技能講習を終了した者を作業主任者として選任しなければならないと労働安全衛生法で定められている。作業主任者になるための技能講習だ。   【受講資格】 地山掘削作業、または土止め支保工の切りばりもしくは腹おこしの取付けや取りはずしに関する作業の実務経験が3年以上 21歳以上 ※学歴等により変わってくる   【講習内容】 作業の方法に関する知識 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 作業者に対する教育等に関する知識 関係法令 修了試験   【資格取得でできる仕事】 掘削や土止め支保工において責任者として従事可能

Posted in 信和 石関寛之, 職人インタビュー

第1回 一人前の鳶は図面から部材の数を出し、頭の中ですべて組み立てられる

一戸建ての建築現場のほか、工場やマンションなども手がけている同社で働く石関さん。玉掛けに始まり、フォークリフトや足場主任の資格などを取得し、10年前に親方になった。石関さんにとって鳶とはどんな仕事なのか。 鳶の前は土木関係の仕事をしていた石関さん。 「鳶はきついというイメージがありましたが、同時に給料がいいという印象もありました」 地元の友だちにこの仕事に誘われた時、そう思ったという。それでも給料の魅力に惹かれ、考えるよりもまず行動とばかりに、この世界に飛び込んだ。 「実際、それまでの仕事より給料はよかったですよ。ただやはりきつかった。とくに時間の都合で1日に戸建を2棟かけなければならないとなると、夜遅くまでかかってしまうこともあったので」 重い資材を持ち上げることの多い鳶。それを長時間続ければ体も悲鳴をあげたくなるだろう。というのは昔の話。最近は時間どおりに終わるそうで、とくに工場やマンションの現場などは、必ず17時までに業務を終わらせることが義務づけられているという。 親方になって10年。仕事のダンドリやコツも十分わかってきた石関さんにはどんな現場でも仕事の流れが見えている。それが時間どおりに仕事が終わる理由の一つになっているのは間違いない。 きついけれど、それに見合う給料をもらえていると思うからこそ、石関さんは鳶を続けている。そんな石関さんに、一人前の鳶になるためには何が必要かと聞いてみた。 「図面を見て、一人で部材の数を出して組み立てられるようになれば一人前じゃないですかね。もちろん実際は危険だから一人で組んではいけませんが、頭の中でね、こうやってこうすると…という具合に組めるようになるというか」 そのためには、場数を踏むことが必要だ。それぞれの部材がどんな役割をするのか、実際に組み立てる作業の中で覚えていくことが大切で、やはり実践が一番勉強になるという。 「教えてくれる人にもよりますが、1年もあればできると思います」 その1年間も、ただがむしゃらに働くのではなく、先のようなことを念頭に置きながら仕事をすることで、早く一人前になれる。先輩たちがどんな風に図面を見て部材を決めているのか、そんなことを横で見ながら、あるいは直接聞きながらやるといいかもしれない。 他の仕事と比べて給料がいい分、きついのは確かだが、仕事の目的意識を持って取り組むことで、少なくとも仕事の効率は上がる。効率化すれば受けられる仕事が増やせるわけだから、「仕事をした分だけ給料がもらえる」この仕事にとって、効率を上げることはとても重要なことなのだ。

Posted in 相模テック 及川政義, 職人インタビュー

仲間がいれば忙しい現場も乗りきれる

インタビュー中、鳶-1グランプリに参加した同社の他の2人のメンバーから、ちょくちょくいじられていた及川さん。それをニコニコしながら受け流していた彼にとって、この仕事は「やればやるだけお金になる」という。   鳶1グランプリに参加した感想を聞くと「緊張しました」と答えた及川さん。するとすぐ周りのメンバーから「こいつ、恥ずかしがり屋なんですよ。はにかみ王子、と呼ばれてます(笑)」とつっこみが入った。 本当にはにかみ王子と呼ばれているかは定かではないが、仕事仲間との仲の良さは十分うかがい知ることができる。この日は先輩2人と参加したが、同社の平均年齢は25〜26歳というから、27歳の及川さんにとっては後輩もたくさんいることになる。 「みんな歳が近いので、休みの日は一緒にバーベキューなどに出かけたりします」 この仕事を選んだのは、地元の先輩に「給料がいいからやってみないか?」と誘われたのがきっかけだ。 それまで防水関係の仕事など、建築現場まわりの仕事に就いていたので、鳶の仕事は見たことはあった。それでも初めて鳶の仕事をした時「こんなにキツいとは」と思ったそうだ。 「鳶になるまでいろいろ仕事をしましたけど、仕事で時間がなくなって、移動中のクルマの中で昼食を済ませないといけなくなったのは、この仕事が初めてでした。あ、鳶って本当にきついんだと」 肉体的にきついというか、彼の受け答えの端々には「忙しい」というニュアンスが多く含まれていることに気づく。 曰わく「忙しすぎてどの現場をやったか覚えていないんです。解体に行った時に初めて、あ、この現場やったんだった、と気がつくこともあります」等々。 「1日に2棟組み上げることもあります」 もちろん忙しくても手は抜けない。ひとつ一つ丁寧に、安全に仕事を運ばなければならない。だから仕事量が増え、きついというわけだ。 それでも続けているのは、やはり仲間の存在が大きいからだという。 「どう言えばいいですかね……仲間がいるから居心地がいいというか」 つらい仕事も、忙しさも、仲の良い仲間と一緒にやるからこそ踏ん張れる。 「もちろん、頑張ったら頑張った分だけ給料がもらえるということは欠かせませんけれど(笑)」 かつて先輩が「給料がいいよ」と誘ってから6年、親方になって4年経った。先輩の言葉にウソはなかったようで、だからこそそれまでの仕事よりずっと長く鳶をしている。 「がっつり稼ぐということは仕事がキツいということ」。 そして一緒に頑張っていける仲間がいること。だから及川さんはきつくてもこの仕事を続けているのだ。 インタビュー後半へ続く・・・

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【連載コラム第3回】超重要!筋トレの極意は““体幹””にあり!!

さて第3回目は、「体幹トレーニング」についてです! あなたは「体幹」って何なのか、知っていますか? 体の幹(みき)と書いて「たいかん」。 簡単に言うと体幹とは手足や首を除いた胴体の部分のことを言います。今回はそこに焦点を当てていきましょう!   ◆新人鳶職人みんなが感じる疑問 「筋肉には自信あるし、先輩のほうが細く見えるのにどうしてあんなに軽々と柱を何本も持ててるんだ?」 鳶職人なら新人の頃絶対に疑問に思ったと思います。 そして「コツを教えてください」とお願いしていたあの頃・・・。 「鳶職人あるある」ではないでしょうか。   ◆「体幹」はすべての動きの土台!   鳶の仕事では、重いものを「持ち上げる」「支える」「引っ張る」という作業が多くありますよね? たとえば、何かを持ち上げる動作をする時、最初に動く筋肉はどこでしょうか? 「“持ち上げる”のだから腕?しゃがまなきゃいけないから脚?」と思う人もいると思いますが、実は人の動作はほとんどすべて体幹から始まっているんです! 私たちは走ったり歩いたりするときも、前に出た足とは反対に腕を振っていますよね?これも、足の動きを最大限発揮するために体幹を通して上半身の動きが生み出されている証拠です。   ◆体幹を鍛えるメリットは? 割れた腹筋や盛り上がった腕の筋肉などに目が行きがちですが、実は体幹を鍛えることは体の内側の筋肉を鍛えることにつながります。 内側の筋肉が外側の筋肉を支えることで、「見せかけではない“本当の筋力”」を生み出すことが出来るようになるのです! 鳶の仕事をしている身としては、やはり「使える筋肉」が欲しいですよね!   ◆おわりに いかがでしたか? 今回は「体幹」の正体と、それを鍛えることの重要性について紹介しました。 次回は具体的な体幹のトレーニング方法を紹介します!! これで先輩鳶職人のワザをこっそり身に付けられるかも!? お楽しみに!

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【連載コラム第2回】あなたは知ってる?正しい筋肉の鍛え方

さて、前回紹介した2種類の筋肉のちがい、読んでいただけましたか? まだチェックしていないという人は、前回の記事から読んでみてくださいね。 前回記事「あなたは知ってる?正しい筋肉の鍛え方」 https://tobi-jin.jp/knowledge/835.html 今回は、前回説明した「遅筋」と「速筋」の違いを踏まえながら正しい筋トレの方法を紹介します。 ◆遅筋の鍛え方 まず持久力タイプの筋肉である遅筋を鍛えたい人は、ハードな走り込みやダンベルでのきつい筋トレは避けましょう。 瞬間的に大きな負荷をかけるトレーニングは、筋肉に乳酸(疲労物質)をためてしまい、速筋を育ててしまうのです。 遅筋を鍛えたい人は ・ある程度時間かける  ・休まずに息の上がる運動をする  ・筋肉を動かし続ける  ・短い休憩を挟んで繰り返す ことを意識しましょう。 具体的には、 10分程度の軽いランニングを立ち止まらずに続けて、30秒ほどの休憩をはさんでまた10分…… が理想的です。 注意すべきなのは「筋肉が重く感じてきたらやめること」です。筋肉が重く感じるのは乳酸がたまっているサインです。 ◆速筋の鍛え方 とにかく短時間で筋肉をいじめ抜くつもりでやりましょう。負荷をかければかけるほど筋肉が育っていきます。 速筋を鍛えたい人は ・短時間  ・高い負荷をかけながら(ダンベルなどを持って)  ・少ない回数(スクワット1セット15回など)  ・間をあけてする(休憩90秒~120秒で3セット) 具体的には 8秒間で1セット15回のスクワットを、90秒~120秒の休憩を挟んで3セット、というメニューを毎日行うといいでしょう。 この時ポイントなのは、ダンベルなどの負荷をかけて、15回を以下にハードにやるかを意識することです。 いかがでしたか?早速、試してみてくださいね? 次回は今話題の「体幹トレーニング」についてです。お楽しみに!

Posted in 川西興業 堀江久也, 職人インタビュー

第2回 キツさの中に職人としての誇りが見えてきた

先輩たちとともにいくつもの現場をこなすうちに、少しずつ職人としての自覚が芽生えてきた。今、10代の若手はどのような鳶を目指しているのか。 5月24日に開催された、鳶のナンバーワンを決める『鳶-1グランプリ』の関東大会。そこに参戦した川西興業は、あえて若いメンバーを会場に送り込んだ。失礼を承知で書くと、勝ちを狙うなら経験豊富な親方衆でチームを組んだほうがスピード、足場の完成度、安全面…あらゆる面で有利にことを運べるはず。なのにあえて若手で挑んだのは、大会という現場とは違うプレッシャーの中で作業することが大きな経験になると社長が踏んだのだろう。 「自分は現場の仕事をするようになってから、本当に先輩に恵まれているなと感じます。今の会社に入る前のサイディングの会社では社長にいろいろなことを教えてもらえたし、もちろん今も社長や先輩に可愛がってもらっています。ありがたいですよね」 少し照れながらも感謝の気持ちを話す堀江さん。先輩たちのためにも早く一人前の鳶になり恩返しがしたいと考えている。では“一人前の鳶”とはどのような鳶のことを指すかと尋ねたところ、上手く答えられず言葉に詰まってしまった。 無理もない。堀江さんは鳶として現場に出るようになって2カ月。まだ現場全体を見たりする余裕などなく、ただ先輩に遅れないよう、怒られないよう、無我夢中で動いているはずだ。高所に上がるのもこれからだろう。 「現場ではトラックから足場資材を降ろし、上にいる先輩たちの指示で渡してゆくのがメインの仕事です。川西興業に入る前、鳶の仕事はきついだろうなとビビるところもありましたが、実際なってみると思った通り大変な仕事でした。資材は重いし常に動きまわっていないといけないですからね」 5月に入った現場ではトラックを横付けできず、離れた場所から現場まで、階段路を何往復もして資材を運んだ。サイディングの仕事も夏はきつかったが、それ以上に動きまわる鳶の仕事では夏の厳しさを考えるとゾッとするとも話す。 しかし最近では、重い資材を運ぶ仕事がきついだけでなくやりがいを感じるようにもなってきたという。自分がここで苦しい思いをするから足場を組んだ後に他の職人が安心して仕事ができる。鳶としての自覚と誇りが少しずつ芽生えてきているのだろう。 「一人前の鳶がどんな感じかはまだわからないけれど…こんな鳶になりたいというのはあります。今まで世話になってきた社長や親方は仕事中はもちろん、仕事を離れた所でも自分の面倒を見てくれていたと思います。すごく感謝しているんですよね。自分もいつか若い職人から尊敬される親方になれたら。今はそれを頭に努力しています」

Posted in 川西興業 堀江久也, 職人インタビュー

第1回 浅い経験でも伝わる職人としての心意気 川西興業 堀江久也さん(19歳)

足場を使う仕事から、足場を組む仕事へ。一人前の職人を目指し建設業界で汗を流す若き鳶は、何を目標に仕事を続けているのか。彼は「金を稼ぐため」とはっきり口にした 鳶になってわずか2カ月。以前はサイディングの仕事をしていたという堀江さん。 料理、ドライバー、デスクワークなど世の中にはいろいろな仕事があるが、建設に関わる仕事は楽しいと感じている。 「この世界に飛び込んだのはふらふらしているときに知り合いに誘われたのがきっかけでした。実際にやってみて感じたのは、自分には机の前で座っているよりも体を動かしているほうが性になっているということでした。天候によってはきついときもあるけれど、外で働く気持ちよさのほうが勝っていますね」 足場の上で建物の外壁を仕上げてゆくサイディング工。そして今、堀江さんは現場で使わせてもらっていた足場を自ら組み上げる仕事に変わった。直接のきっかけは前の仕事を辞めた後に川西興業で働いていた友人から「やってみないか」と誘われたことだが、どうやら鳶の仕事にはサイディング工時代から興味を持っていたようだ。 「街を歩いて足場を目にするとつい目で追っちゃうんですよ。もちろん自分はまだ鳶じゃなかったし今だって大した経験があるわけじゃないから足場の出来を見ているわけではないのですが」ずっと気になっていた仕事。「今は憧れの仕事につけたという思いがあるか」と尋ねたところ、堀江さんははっきりと言った。 「仕事をするのは金を稼ぐため。鳶になったのは金がいいからです」 おそらく本当に何もわからない堀江さんをサイディング工として育てた前の会社の社長や親方。そして鳶としての道を歩み始めた川西興業の社長や親方衆。よき先輩たちに恵まれ、彼らのそばで仕事をするうちに自然に身に着いた心意気なのだろう。

Posted in THE 鳶~鳶のすべて

【連載コラム】あなたは知ってる?正しい筋肉の鍛え方

突然ですが、あなたは筋トレをしていますか? 鳶職は、他の多くの仕事よりもひたすら体を酷使する仕事。日々仕事をこなしていくためには、やはりそれなりの肉体作りが欠かせません。 しかし、どうせ筋トレをするなら正しい知識と効率的な方法でしたいところ。 そこで連載企画として、「正しい筋トレ」についての使える知識を紹介していきます! 第1回目のテーマは「筋肉のタイプ」です。 ◆実は筋肉には「2つのタイプ」がある! 知らない人も多いのですが実は筋肉には大きく分けて2種類あります。 それが「遅筋(ちきん)」と「速筋(そっきん)」です。 また、この2つは違う性質を持っています。 ▲遅筋が発達したマラソン選手 ▲速筋が発達したボディビルダー ◆自分に必要な筋肉を鍛える! きつい姿勢での作業が続くとすぐに筋肉が疲れてしまう人は遅筋を、重いものを持ち上げるときなど、パワー不足を感じる人は速筋を。 自分が足りないと思う筋肉を中心に鍛えていきましょう! ◆鍛え方がそれぞれちがう! ここで大事なのは、筋肉の種類によって「鍛え方がちがう」ということ。 次回はこの遅筋と速筋の「それぞれの筋肉の鍛え方」を紹介します! お楽しみに。