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くさび緊結式足場【知って得する!鳶用語辞典】

【解説】 ユニット化された足場についたコの字型の部位をつなげる足場のポケットに差し込み組み上げる。このようにして組んでいける足場をくさび緊結式足場という。 かつて鳶職は丸太を使い足場を組んでいたが、丸太を番線で締め上げるのに手間がかかる、足場の長さ調整などに時間がかかるなどのデメリットもあった。 くさび緊結式足場はハンマーを使って組み上げることができ、建造物の形に応じて仮設足場を柔軟に組み上げることができる。またコストを抑え素早くくみ上げることができるため、多くの建設現場で使用されている。

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KY活動【知って得する!鳶用語辞典】

【解説】 KYとは少し前に女子高生の間で流行した「空気が読めない」ではなく、「危険予知」の略。 多くの機械が行きかい作業も危険な場所で行う建設現場では、事故を未然に防ぐためのさまざまな取り組みが行われている。それらを総称してKY活動と呼ぶのだ。 KY活動の基本は現場にどのような危険が潜んでいるかを予測し、その対策を行うこと。朝礼での作業内容や各自の体調などの伝達、安全対策の確認、危険予知活動表への記載と行動目標の設定など、KY活動は多岐に渡る。

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第1回鳶職人アンケート調査結果!

『よく使っている使っているスマホアプリを教えてください!』 今回から始まりました、鳶職人アンケート調査。 第一回の今回は鳶職人が良く使うスマホアプリの調査結果を発表します! まずは3位から!     3位 Facebook 6票(回答75人)     鳶仲間とはもちろん地元の仲間達との近況をチェックしたりコミュニケーションツールとして使っている方が多いようです。メッセンジャー機能も便利ですよね。 気になる2位は!!?       2位 モンスターストライク(モンスト) 36票(回答75人)     モンストは気軽に始められながらも進むに従って戦略も必要だったり、近くにいる鳶仲間同士で一緒にプレイ出来るのもポイントが高かったようです。気分転換にオススメのゲームですね。 そして堂々たる1位に輝いたのは!!!!?         1位 LINE 43票(回答75人)   ラインはプライベートでも、仕事でも活用している方が多かったようです。 鳶人で作ったLINEスタンプも是非使ってみてくださいね。鳶職人ならでは「あるある」ネタ満載のスタンプです!   今回のアンケートでは仲間との繋がりを大事にするアプリが上位を独占しました。現場でのコミュニケーションが重要な鳶職人ならではの結果と言えそうです。 ※鳶人ではアンケートに答えて頂ける鳶職の皆様を募集しています! こちらより連絡先情報をご入力ください! アンケート情報をお送りさせて頂きます。(アンケート結果は今回の様にまとめ記事として発表していきます)   ▼調査概要 ・実施時期 : 2015年4月中旬調査 ・対象者 : 10代~40代の「現役鳶職人」 75名

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左官【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 戸建てからビルまで、建物の壁をコテ一丁で塗り付けていく職人。材料は多岐に渡り、しっくいやモルタルのほか、土やコンクリートなども扱う。歴史は古く、東大寺(奈良)の再建大仏殿の棟上(1190年)で大工などとともに官位を受領しているという記録もある。現在では床仕上げを専門に行う左官もいる。 【現場に入るタイミング】 仕上げ工事時

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とび技能士【建築の資格】

【資格の概要】 鳶職の国家資格で3級から1級まである。鳶作業の段取り、仮設足場の組み立てや解体、掘削、土止めや地業など、とびに関するさまざまな仕事の能力を認定するもの。 【受講資格】 <3級> 不問 <2級> 実務経験2年以上、または3級合格者 <1級> 実務経験7年以上、または2級合格後2年以上の実務経験、または3級合格後4年以上の実務経験 【試験科目】 <3級、2級、1級> 学科:施工法、材料、建築構造、関係法規、安全衛生 実技:とび作業 ※級により難易度が異なる <基礎2級> 学科:主なとび施工の方法、とび工事用材料の種類、安全衛生に関する基礎的な知識 実技:仮設の建設物の組立て <基礎1級> 学科:とび施工の方法、とび工事用材料の種類および用途、安全衛生に関する基礎的な知識 実技:仮設の建設物の組立ておよび解体 【資格取得後は】 1級には厚生労働大臣名の、2級および3級には各都道府県知事名の合格証書が交付される。これによりとび技能士を名乗ることが可能に。

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足場養生カバー【知って得する! 鳶用語辞典】

【使用用途など】 足場の支柱にはコマ(クサビ受け)がついており出入口付近などを養生しないといけない。そのとき使用するのが足場養生カバー、もしくはマルチカバーと呼ばれる養生材だ。 以前は塩ビ製が一般的だったが、いまは軽くて丈夫なポリエチレン素材で作られているため柔軟性が高く、落としても床を傷つけたり、商品自体が割れたりすることがない。また形や長さはカッターなどで簡単に調整できるのが特徴だ。 製品の色が黄色なのは、彩度が高く鳶や通行人への注意喚起の効果があるためだ。 【市場価格】 6000円~(幅や本数により変動)

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コーキング(ガン)【知って得する! 鳶用語辞典】

【使用用途など】 建物の気密性や防水性のために隙間を目地材などでふさぐことをコーキングという。その材料となるパテを充填材・コーキング材・コーキング剤と呼ぶ。 写真は右がコーキング剤、左がコーキングガンとなる。 現場で使用される填材料には、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系などの樹脂が使われており、用途によって使いわける。建物の外壁の目地(縦と横のライン)に詰めている防水性の詰め物もコーキング剤で建物にはとても重要な材料だ。 【市場価格】 500円~(コーキング剤) 800円~(コーキングガン)

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知っ得!足場の法改正!

数年に一度行われる足場に関する法改正。 とび職に関する情報提供サイト、「鳶人」としては見過ごせません。 そこで本日の記事は今回の法改正に関するホットトピックをまとめてお知らせします。 一番変わるのは・・・ やはり皆さんが気になるのはどこが変わる?何をすれば良い?という点だと思います。 で、結論から書くと、今回の法改正、足場の施工方法についてはあまり変化はありません。 もちろん細部は変更があるのですが、今までは努力義務だった点が義務化されているという変更が目立つように感じます。 イラスト化できる部分を記事の最後に簡易に表示しているのでよければお読みください。 それよりも、明らかに変わるのがずばり「高所作業者全員への特別教育の義務化」です。 特別教育ってなんだ? 従来は足場を組み立てる際には足場の作業主任責任者が1現場に一人いればOKでしたが、これからはそうはいきません。 高所で作業を行う人は全て「特別教育」を受講しなければなりません。 鳶はやはり危険な作業、全員が高所作業に対する教育を受けないといけないという国の強い意思の表れですね。 では、特別教育の対象者は誰になるのでしょう? 誰が対象者? 今回の特別教育、経験等によって受講の対象者が変わってきます。 受ける必要なし→足場の組立等作業主任者技能講習を終了した人、とび1級、2級所持者、とび科の職業訓練指導員免許所持者、その他 短縮講習でOK→7月1日までに現場で足場作業に従事している人 フルに受ける人→7月1日以降に足場作業に従事する人 ざっくり言えば 資格がある人は受けなくてOK、現場で作業はしているけど資格が無い人は短縮講習、7月1日以降に始める人はフルに受けましょう。 ということです。 どこで受けられる? まだ先ということもあって、講習日時までを明示している組織は執筆時点ではあまり見つかりません。 ただ、今まで特別教育を行ってきた各機関はやらないことはないはずなので、 随時鳶人でも日程を集めて表記させていただきます。 ずいぶん簡略化してお伝えしましたが原本である厚生労働省の当該ページでも併せてご確認ください。 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000069009.html

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コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習【建築の資格】

【資格の概要】 5m以上のコンクリート造の工作物の解体や破壊などの作業を行う際、技能講習を終了した者を作業主任者として選任しなければならないと労働安全衛生法で定められている。作業主任者になるための技能講習だ。 【受講資格】 コンクリート造の工作物の組み立てなどの実務経験が3年以上 21歳以上 ※学歴等により変わってくる 【講習内容】 コンクリート造の工作物の解体又は破壊に関する知識 工事用設備、機械、器具、作業環境に関する知識 作業者に対する教育等に関する知識 関係法令 修了試験 【資格取得でできる仕事】 コンクリート製建造物の解体において責任者として従事可能

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鉄骨鳶【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 “現場の華”とも呼ばれる仕事で、大規模な鉄筋/鉄骨建築の現場で働く鳶。 タワークレーンなどを使い上空に上げられた鉄骨をボルトで締め上げ固定してゆく。作業場所が地上数百mという高所になることも多い。鉄骨を組み立てる作業は、建て方(たてかた)とも呼ばれる。 作業は「下まわり」(クレーンで上にあげる鉄骨にワイヤーを賭けてゆく作業)と「取り付け」(上空に運ばれた鉄骨をボルトで固定してゆく作業)に分かれて行われる。 下まわりはクレーンで吊り荷をバランスよく吊り上げるための“玉掛け”という資格の取得が必須。取り付けははるか上空で強風と戦いながら梁の上などを歩き、素早く鉄骨を固定してゆく。 クレーンを遊ばせないためにも、下回りと取り付けの連携が不可欠。 【現場に入るタイミング】 躯体現場

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鳶-1グランプリin九州

鳶職の技を競う大会「鳶−1グランプリ」が2015年3月15日に佐賀県みやき街で開催されました。 今回は九州全土より4社が参加。1社3人のチームで日頃の技を披露しました。大会は同じ設計図を元に時間内で足場を組み上げるというもの。作業の安全面、正確さ、速さなどを点数化し複数人の審査員により審査が行われました。 栄えある第一回グランプリに輝いたのは!? 結果発表はこちらのページです!

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シートひも【知って得する!鳶用語辞典】

【使用用途など】 足場の設営現場で飛来落下物が建築工事現場の外側へ飛び出すことを防止するために設ける足場シート(メッシュシートとも呼ぶ)を支柱や手摺りなどに結束するひも。 シートと足場を結束するのは簡単なようだが慣れていないと結束に時間がかかってしまう。またシートひもがほどけてしまったり、シートとシートの間に隙間ができてしまうことを避けないといけないため、新人の鳶にとって難しい作業となる。 冬期や風の強い時は、手を損傷する危険があるので注意しないといけない。 【市場価格】 一本あたり2円前後

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サッシ取り付け職人【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 建設現場でサッシやドアを取りつける職人。サッシ工とも言う。現場によってはクレーンの玉掛けやアーク溶接が必要になることも。取りつけ時にゆがみが出ると引き渡し後に不具合が出る。そのためミリ単位での精度が求められる。 【現場に入るタイミング】 外装の仕上げ時

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測量士・測量士補【建築の資格】

【資格の概要】 土木・建築工事に必要な測量を行う上で必要な国家資格。試験は年一回開催 【受験資格】 年令、性別、学歴、実務経歴等に関係なく受験可能。所定の学歴や実務経験があれば、申請のみで資格が与えられる 【試験】 <測量士> (1)測量に関する法規及びこれに関連する国際条約 (2)多角測量 (3)汎地球測位システム測量 (4)水準測量 (5)地形測量 (6)写真測量 (7)地図編集 (8)応用測量 (9)地理情報システム <測量士補> (1)測量に関する法規 (2)多角測量 (3)汎地球測位システム測量 (4)水準測量 (5)地形測量 (6)写真測量 (7)地図編集 (8)応用測量 【資格取得でできる仕事】 測量士、測量士補として、土木・建築工事の測量業務に従事できる。

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足場鳶【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 まっさきに建築現場に乗り込み、作業用の足場を設置する職人。個人宅から大規模なビル建設まで、現場は多岐に渡る。大規模工事では数十mの高さまで足場を組むことも。 足場は仮設のため、工事完了後に足場を解体する。これも足場鳶の仕事になる。 足場の幅は数十cm。そこを頼りにあらゆる職人が自分の仕事をこなすため、多くの職人から一目置かれる仕事だ。しかし足場の出来によって作業効率などが変わってくるため、足場の良し悪しで建物の出来が変わると言っても過言ではない。下手な足場を組むことができないとても難しい仕事でもある。 足場設置のほか、必要な資材を見極め現場に運搬するのも重要な仕事だ。 【現場に入るタイミング】 工事初期から

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ラッシング【知って得する!鳶用語辞典】

【使用用途など】 トラック荷台での荷崩れを防止するための固定・締め付け用ベルトをラッシング、またはラッシングベルトという。トラック輸送全般で幅広く使用されている器具で、足場を積んで現場へ向かうトラックでは資材を固定するために使用される。 最近ではトラック輸送だけでなく、水上オートバイやモトクロスバイクをトレーラーで牽引する際など、一般個人向けの用途が広がってきた。 商品によって形状がいくつかあり、資材を固定しやすいラチェット(歯車タイプ)バックル式の人気が高い。 ラッシングレール(トラックに付いているベルトを固定するためのレール)の形状により固定部分がレール式とフック式の2通りある。 【市場価格】 800円~(使用荷重により異なる)

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ヘルメット【知って得する!鳶用語辞典】

【使用用途など】 工事現場での転倒時や落下物から頭部を守る防護帽。足場の組立て作業など、建設・土木現場に入るとき、作業員はヘルメットの着用が義務づけられている。 作業中に着用するヘルメットは国の規定試験を通過した物でなくてはならず、足場鳶は国家検定上で区分された「墜落時保護用」を装着する(その他、飛来・落下物用、電気用の計三種類に区分される)。 ヘルメット内部には国家検定試験に合格した証として“労・検ラベル”が付けられており、そこには型式・検定取得年月・合格番号・製造業者名・製造年月・検定区分が表示される。ヘルメットにも使用期限があることは意外と知られていない。 【市場価格】 2500円~(墜落時保護用)

Posted in 工事現場の基礎知識, 職人

建具師【現場に関わる職人たち】

【職種】 建具師 【仕事内容】 建具とは扉、窓、ふすま、障子など、開閉機能をもった仕切りのこと。建具師は建具を製作し、現場に取り付ける仕事だ。組子建具(釘を一切使わず木を組み付け装飾を施した建具)など伝統工芸として評価されるものも多い。鑿(のみ)や鉋(かんな)などいくつもの道具を駆使し、設置後に建具がゆがむことがないよう熟練の技が求められる。 【現場に入るタイミング】 仕上げ工事

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小型移動式クレーン運転技能講習【建築の資格】

【資格名】 小型移動式クレーン運転技能講習 【資格の概要】 吊り上げ荷重5トン未満の移動式クレーンを運転するための資格。保有資格や従事経験により受講時間が変わってくる。 【受講資格】 満18歳以上 【講習内容】 <学科> 移動式クレーンに関する知識 原動機及び電気に関する知識 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 関係法令 終了試験 <実技> 移動式クレーンの運転 運転のための合図 終了試験 【資格取得でできる仕事】 荷台に載せた荷物を積み下ろしするためのクレーンがついたトラック(トラッククレーン)は多くの仕事で使われている。トラッククレーンを使った作業をするうえで必須

Posted in THE 鳶~鳶のすべて

重量鳶【現場に関わる職人たち】

【職種】 重量鳶 【仕事内容】 その名の通り、建設現場や工場などの建物内部で数十トンに達する重量物の設置などを行う。 またクレーンなど大型機械の運搬、設置、解体などを行うのも重量鳶の仕事。土木現場で橋梁の主桁架設を行ったりもする。 専門性の高い仕事で、大きな機械を扱うが作業にはミリ単位の精度が求められる。玉掛けはもちろん、移動式クレーン、タワークレーン、天井クレーンなどさまざまなクレーンを操作するための資格が必要になる。 プラント、空調給排水設備、電気設備工事を担ったりもする。

Posted in 足場・鳶用語集

土のう袋【知って得する!鳶用語辞典】

【使用用途など】 土砂を詰め水や土砂の移動を妨ぐ土のう。その土砂を詰める袋となるのが土のう袋だ。かつては麻製の袋が一般的であったが、現在ではポリエチレン製の布製が主流となっている。 土木工事全般で活躍する資材だが、足場工事現場では台風や大雨などで足場が流れてしまう危険性がある場合、土のうを積み重ねて対策する。 なお現在は袋に土砂を詰めず給水により膨張させるタイプが登場した。このタイプは使い終わった後に乾燥させれば繰り返し使用できるというメリットが。   【市場価格】 500円~(形状や枚数により異なる)

Posted in 川島工業 中村拓斗, 職人インタビュー

第3回 10代の若手鳶が目指す姿は?

社長や親方にしごかれつつも可愛がられている中村さん。まだまだできることは少ないかもしれないが、いつか現場を背負って前線に立つ日が来るだろう。中村さんが目指す理想の仕事とは? 一人前の鳶を目指し、親方のもとで修行を続ける中村さん。今はまだ年齢的に資格を取れないが、これからドンドン資格を取って早く一人前の鳶になりたいと考えている。   「最初に玉掛けを取り、次は足場作業主任者を。まずはそこを目指したい」   まだ10代で将来の姿は想像しにくいかもしれない。それでもいつかは独立したいなど、仕事をする上での目標を持っているのだろうか。   「うーん…まだ想像できないです。ただ少なくとも今の段階で独立は考えていないです。自分で独り立ちするよりも世話になっている社長や親方と一緒に会社を大きくしていきたいと考えています。目標という意味では、早く一人前になって現場を任されるようになりたいですね。できれば20歳になったきに一人前の鳶になっていたい。そのためにも大きな現場をどんどん経験してみたいです」 大きな現場は使う資材の量が文字通り桁違いになる。組み方が少しでもずれると最後まで組みあがらない。計算を間違うことなく自分の力でくみ上げられるようになるまでは辞めたくても辞められない。怒られても耐えられるのはそんなこともあるのかなと笑う。   「今まで意識したこともなかったけれど、鳶になってから街を歩いているとついいろいろな足場を見ちゃうんですよね。すごくきれいだなって驚くこともあれば、もっとうまく組めるはずなのに…と感じる足場を目にすることもあります。自分もほかの鳶が見て『これはすごい!』と思ってもらえるような足場を組みたいですね。図面通りに組むのが前提ですが、俺は1800㎜を上手に使いながら、なるべく1200㎜や600㎜に頼らないで組んでいくのが好きです」 中学時代の仲間は半分くらいが進学し、残りは就職した。職業は塗装工から鉄筋工までさまざま。「自分は足場鳶以外の仕事を知らないから…」と言うが、最近は他職種に就いた仲間と仕事の話をするのも面白くなってきた。今はまだ実感がないだろうが、いつかこのような会話が中村さんの足場を組む時の姿勢に役立つときが来るだろう。足場を使う職人たちがどんな足場だと仕事がしやすいか、自然にわかるようになるはずだから。

Posted in 工事現場の基礎知識, 職人

ダクト工【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 ビルなどの天井や壁の裏に貼り巡らされる空調、排気、排煙などのためのダクトを製作し、現場で取り付ける。図面を見ながらダクトを取りつける作業は現場により内容が異なるので、現場での判断力や他の職人とのコミュニケーション能力も重要になる奥が深い仕事。 【現場に入るタイミング】 工事初期段階から

Posted in 工事現場の基礎知識, 資格

車両系建設機械運転技能講習【建築の資格】

【資格名】 車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込・掘削用) しゃりょうけいけんせつきかいうんてんぎのうこうしゅう   【資格の概要】 機体重量3トン以上を含めた精緻・運搬・積込・掘削用の車両系建設機械を運転・操作するための資格。保有資格や従事経験により受講時間が変わってくる。   【受講資格】 満18歳以上   【講習内容】 <学科> 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 運転に必要な一般的事項に関する知識 関係法令 終了試験 <実技> 走行の操作 作業のための装置の操作 終了試験   【資格取得でできる仕事】 ブルトーザーやパワーショベルなどの建設機械の運転

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橋梁鳶【現場に関わる職人たち】

【職種】 橋梁鳶 【仕事内容】 高速道路の高架や橋、鉄塔、ダムなどの土木工事現場に従事する鳶。 ビルなどの建設に比べて現場環境が特殊で工事規模が大きくなる。また特殊な構造をした建造物を手掛けるため、専門技術が必要に。それゆえ、橋梁特殊工とも呼ばれる。 仕事内容は足場設置から鉄骨建て方、橋げたの架設まで多岐に渡る。また送電線の鉄塔などの設置を担うこともある。 現場が全国にまたがり、山間部に入ることもあるため、一度現場に入ると長期の出張になることも多い。 【現場に入るタイミング】 基礎工事から

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親綱【知って得する!鳶用語辞典】

【道具名】 親綱(おやづな)  【使用用途など】 足場工事現場で作業員が安全帯をかけるために設置されるロープを親綱という。親綱は支柱や手摺りに掛けられる。ただし、クレーンなど揚重機のブームを吊るワイヤー(親ワイヤー)のことも親綱と呼ぶことがある。 親綱は足場を組み上げる鳶職はもちろん、鳶職が組み上げた足場で作業するあらゆる職人たちの命を守るロープだ。 基本的に親綱は昇降用と定位置作業用とでわけられているが、製品によっては兼用のものも販売されている。 【市場価格】 10000~25000円(10m)

Posted in 川島工業 中村拓斗, 職人インタビュー

第2回 歳の離れた親方や社長から学ぶこと

まだ10代である中村さんにとって、現場で働く鳶の多くは人生の大先輩だ。怒られながらも必死に食らいつく中村さんは、彼らから仕事以外のことも学んでいる。 鳶職として働き始めてまもなく丸2年になる中村さん。現在所属する川島工業はふたつ目の会社になる。   「俺はまだ半人前だから、親方である大森さんと一緒に現場を回っています。親方と2人の時は俺が下から資材を渡すことが多いんですが、3人以上の現場になると親方が一番下について先輩は一番上、俺が真ん中という形になることが多いです。こうすると途中で資材の流れが止まることがない。親方が自分の仕事をしながら全体を見て流れをコントロールしているのでしょうね。敵わないなと思います」 一緒に働く中村さんにとって親方はとうてい追いつけない存在。ベテランだから当たり前かもしれないが、足場を組むのもバラすのも早い仕事ぶりを見ると、凄いなと感じる。中村さんは最初足場に上がるのが怖かったし、今でも怖いと感じることもある。とくにバラすときは狭い場所でだんだん周りに支えがなくなるため、足場が揺れるたびに怖いと感じる。   「仲間を束ねている社長はとても面倒見のいい人だなって思っています。俺が今の会社に移った頃、本当に金がなかったんですよ。働いても給料をもらえるのは翌月。そんなとき、社長の奥さんが毎朝弁当を作ってくれたり、社長が夜飯を食わしてくれたり。俺のような若手の大変さもちゃんと見てくれたことは本当に感謝しています。辞めたいと思うことがあってもそのときのことを思い出すと義理を感じてここで続けようと思えるんです。そしてやっぱ辞めなくてよかったって」   少し照れながら中村さんは話すが、もちろん食事を奢ってもらったことに感謝しているだけではない。まだ10代。世間のことだって多くを知っているわけではない中村さんにとって、川島工業の川島社長は親代わりの存在でもあるに違いない。人との関係が気薄になったと言われることが多い現代でも、鳶の世界には人情が残っている。   「前に親方と俺ともう一人、3人だけで4000㎡くらいある現場に入ったんですよ。足場を組むだけで1カ月くらいかかったんですが、いつまでたっても終わりが見えなくて『いつまでかかるんだよ…』という思いが沸き上がってすごく辛かったんです。でも親方は黙って仕事をしていて、しかも動きがすごく早くて。この人、すげえって思いました」   今でも仕事を辞めたいと思うことはしょっちゅうある。でも会社に戻り親方や社長と話をするともう少し頑張ろうと思うそうだ。  

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サッシ取り付け職人【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 建設現場でサッシやドアを取りつける職人。サッシ工とも言う。現場によってはクレーンの玉掛けやアーク溶接が必要になることも。取りつけ時にゆがみが出ると引き渡し後に不具合が出る。そのためミリ単位での精度が求められる。 【現場に入るタイミング】 外装の仕上げ時

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玉掛け技能講習【建築の資格】

【資格の概要】 玉掛けとはクレーンにワイヤーなどを用いて鉄骨などの荷物をかける作業のこと。吊り上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーンで玉掛け作業は、玉掛け技能講習を修了しないと従事できない。基本的に講習は3日間。   【受講資格】 満18歳以上(職歴は不問)   【講習内容】 <学科> クレーンなどに関する知識 玉掛け方法 玉掛けに必要な力学知識 関連する法令 終了試験 <実技> クレーンなどの運転のための合図 クレーンなどの玉掛け   【資格取得でできる仕事】 クレーンを使う現場での玉掛け作業

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番線【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】番線 【使用用途など】 足場工事現場で必要な資材をシノなどで結束する鉄線が番線だ。 名前は鉄線の太さを番号で表したことに由来する。数字が大きくなるほど鉄線は細くなる。 番線は写真のように一本の長い鉄線を持ちやすく丸めたもの、一定の長さに切って箱詰めされたものなどがある。 番線で足場を正しく結束するためには、資材の向きや形状、種類によって締め方を変えるなど、作業自体はけして簡単ではない。番線の締め付けが悪いと足場が出来あがった後に緩んでしまい、他の職人の作業に影響を及ぼすだけでなく足場が崩れるなどの事故が起きかねない。 番線の扱いは、経験が必要な作業だ。 【市場価格】 2000~4500円