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第9回:控除ってどんなものがあるの?

控除は該当者が申告することで、初めて控除として認められます。まずはどんな控除があるか知ることからはじめてみましょう。 所得から差し引くことができる控除にはどんなものがあるのか。主な控除を見ていきましょう。 ◆基礎控除(きそこうじょ):すべての納税者に認められているもので、無条件で所得から38万円が控除されます。 ◆配偶者控除(はいぐうしゃこうじょ):あなたに配偶者がいる場合、38万円の控除を受けられる可能性があります。ただし納税者と生計を一にしていて年間の合計所得が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)、さらに一人親方であるあなたの仕事を手伝い給料を支払っていないなどの条件があります。 ◆配偶者特別控除(はいぐうしゃとくべつこうじょ):配偶者控除を受けられない場合でも条件に当てはまればこちらの控除を受けられる可能性があります。 ◆扶養控除(ふようこうじょ):申告対象年の12月31日現在の年齢が16歳以上の扶養家族がいる場合、この控除を受けられる可能性があります。控除金額は控除対象扶養親族の年齢により変わります。 ◆医療費控除(いりょうひこうじょ):あなたやあなたと生計を一にする親族が医者にかかった際の費用や通院費などの総額から10万円を引いた額が控除されます(総額10万円以下の場合は控除対象外) ◆生命保険料控除(せいめいほけんりょうこうじょ):納税者が生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料を支払ったときに受けられる控除です。 ◆社会保険料控除(しゃかいほけんりょうこうじょ):健康保険、国民年金などの社会保険料が控除されます。 控除はほかにもたくさんあるので、気になる人は確定申告のガイドブックを読んだり、税務署で確認してくださいね。

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第8回:控除についても勉強しよう。

税金の額を計算する際に、控除を行うことで得することがあります。まずは控除について簡単に勉強してみましょう。 売り上げから経費を引いた額を「所得(しょとく)」と言います。税金を計算する時には、所得から「あるもの」を引いて計算します。それが「控除(こうじょ)」と呼ばれるもの。控除は一人親方だけでなく会社員でも受けることが可能なんですよ。 控除には様々な種類があるのですが、みんながすべての控除を受けられるわけではありません。控除ごとに受けられる条件があり、その条件に当てはまる控除を使えることになります。1点注意が必要なのは、控除対象者の方でも自分で申告しないと対象者でも控除を受けることができません。確定申告の際に、対象控除を必ず申告してくださいね。 次回は控除にはどんな種類があるかをご説明していきますね。

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第7回:按分(あんぶん)ってナニ?

経費で購入したクルマを自宅で使う、なんてケースありませんか?そのような場合に必要なのが按分という考え方。ぜひ覚えてくださいね。 一人親方として独立した場合、仕事をするための事務所を借りずに自宅と事務所を兼用する人も多いはず。またクルマも平日は仕事で使い、休日は家族で出かけるために使うというケースもあるんじゃないでしょうか。 ひとつのものを仕事とプライベートで共用する場合、仕事で使う割合分だけ経費として落とすことができます。これを「按分(あんぶん)」と言います。 たとえば自宅の2割を事務所として使っているなら、家賃や水道光熱費のうち2割を経費に、クルマを事業用とプライベートで半々で使っているなら購入代金やガソリン代などを半分経費に計上します。 按分して何割を事業用にするか判断に迷うケースも多いと思います。そんなときは税務署や税理士、各地の鳶工業協同組合などで開催される相談会で相談してみてくださいね。

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第6回:減価償却という言葉、聞いたことありますか?

ゲンカショーキャクという強い響きを持つこの言葉、聞いたことはあるけれど、あんまり意味が分からない方、多いんじゃないでしょうか(実は私がその一人でした)。今回はそんな原価償却をこっそり教えちゃいます。 1月1日から12月31日までに使ったお金は、基本的に翌年3月15日までに行う確定申告のときに経費として申告することになります。ただしその年に使ったお金の中でも、高額なものは長期に渡って使う「資産(しさん)」という扱いになり、決められた年数で売り上げから引いていくことになります(専門用語で耐用年数と言います)。これが「減価償却(減価償却)」と呼ばれるもの。 たとえば足場資材を運ぶトラックを300万円で買ったとします。ダンプ以外の貨物自動車は耐用年数が5年なので、5回に分けて経費として申告し、毎年50万円ずつが経費となる仕組みなのです。 減価償却の対象となるのは白色申告だと10万円以上、青色申告は30万円以上のものになります。耐用年数はものごとに細かく決められているので、減価償却に該当するものを買った場合は税務署で確認しましょう。また減価償却の計算方法にもいくつか種類があるので、税務署で教えてもらうことができますよ。

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第5回:経費はどんなものが認められる?

経費って仕事関係で使ったものなら認められることは何となくわかる、けれど、実際どういうものが該当するのか疑問に思ったことありませんか。今回は経費の種類について解説致します。 一人親方に認められる「経費(けいひ)」には多くの種類があります。代表的なものを見ていきましょう。 ◆外注工賃(がいちゅうこうちん):請け負った仕事を行うために仲間の鳶などに手伝ってもらった場合、彼らに支払った報酬は外注工賃という経費になります。 ◆旅費交通費(りょひこうつうひ):現場に向かうための交通費、駐車場代、高速道路料金などがこの経費になります。 ◆通信費(つうしんひ):仕事で使う携帯電話代やインターネットのプロバイダ料金、切手代などがこの経費になります。 ◆消耗品費(しょうもうひんひ):ヘルメット、安全帯、ハンマーなどの道具や、事務所に置く机など、仕事をするうえで必要な備品のうち少額のものがこれにあたります。 ◆租税公課(そぜいこうか):事業で使うクルマの自動車税、印紙税、固定資産税などは経費で落とすことができます。 ◆地代家賃(ちだいやちん):事務所や資材置き場の家賃、事業用のクルマの駐車場代、更新料・管理費などがこれに該当します。 ◆水道光熱費(すいどうこうねつひ):事業用の電気、ガス、水道料金、灯油代などが経費として認められます。 ほかにも経費として認められるものはいろいろあります。書店に並ぶ確定申告のの本には経費の項目が詳しく乗っているので、目を通してみるのもオススメ。もちろんこの本代は経費になりますよ!

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第4回:「経費」ってどんな意味か、こっそり教えちゃいます。

「これ経費で落とせる?」なんて言葉、聞いたことありませんか?なんだかお得な響きを持つ経費という言葉。どんな意味かおさらいしておきましょう。 会社員として鳶をやっていた頃、現場までの交通費を会社が負担してくれたり、会社に頼まれた買い物の代金を清算してもらったりしませんでしたか? 仕事をするために必要だった出費は「経費(けいひ)」として売り上げ(報酬)から差し引いて税額を計算することができます。会社員時代に清算していたお金や交通費などは、清算が終わった後に経費として会社の売り上げから差し引いていたのです。 ただ、経費はなんでもかんでも認められるわけではありません。経費にできるのはあくまで仕事をするうえで必要だったお金だけ。さらに確定申告するときは、どんな目的で使ったお金なのかを分けなければなりません。 次回はどんな目的で使ったものが経費として認められるかをお伝えしましょう。

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第3回:税金の額はどうやって決まるの?

確定申告が支払う税金の金額を決めることです。では、税金の額ってどのような仕組みで決まるのかご存じですか?出来る限り簡単に説明してみたいと思います。 会社員として鳶をやっていたときは、毎月のお給料から税金が引かれていたはず。しかし一人親方になると自分で確定申告し、税金を納めるようになります。 ここで問題です。 あなたが一人親方として仮に一年間で500万円分の仕事をした場合、受け取った500万円に対して税金が計算されるのでしょうか。 答えは「NO」。 あなたは500万円稼ぎましたが、それだけの報酬を受け取るためにさまざまな形でお金を使っているはず。たとえば道具を買いそろえるためのお金や、現場へ行くために使った交通費等が該当します。税金の計算では、そういった仕事のために使ったお金を差し引くことが認められています。 また仕事以外でも国から認められたお金の使い方などに対して、一定金額を差し引いて税額を計算することが認められているのです。差し引くことができるものを理解しておかないと、本来より多くの税金を納めることになりますので、確定申告の際にはお近くの税務署や税理士さんにご相談されることをお勧めします。 逆に株などの取引や家賃収入など、仕事で得た報酬以外にも収入がある場合は、確定申告で申告しなくてはなりません。そういった報酬にも税金がかかってくるんですよ。

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第2回:「給料」と「報酬」の違い?~一人親方が確定申告をしなきゃダメな理由~

寒い季節の風物詩「確定申告」。会社員の方には関係ない人も多いですが、一人親方の場合は必ずしなくてはならない儀式です。一人親方は「報酬」を得ているからこそ、確定申告をしなければならないんです。 「確定申告」を自分でしたことがある方もいらっしゃれば、自分でしたことはない、という方もいらっしゃるかと思います。そんな確定申告ですが、納税義務がある人であれば必ずしなくてはいけないものなのです。「え、やったことないけど?」という方は、会社が代わりにやってくれているだけで、実際には確定申告をしているのですよ(控除がある場合を除く)。 一人親方でも、社員として働いている方も、「誰が行うのか」は別として確定申告は行わなければなりません。その確定申告の中身ですが、一人親方にとっての「確定申告」と、社員の方の「確定申告」では意味合いが少し異なります。それは一人親方が受け取っているお金が「給料」ではなく、「報酬」と呼ばれるお金だからなんです。 「給料」とは会社が社員の方々に対して雇用契約を結ぶ対価として支払われるお金で、決められた額が毎月振り込まれてきます。一方で「報酬」とは、仕事を依頼した方から、仕事をした対価として支払われるお金で、そこには雇用関係もなく、毎月支払われるようなお金でもありません。 報酬の中から、一人親方は仕事で使う道具などを自分でそろえることができます。また会社員の給料と違い、一人親方は複数の会社と仕事をして報酬をもらうこともありますよね。会社員の給料と違い、お金の出入りが複雑であるからこそ、確定申告を通して、自分でお金の出入りを申告しなくてはならないのです。

Posted in 川島工業 川島完一, 職人インタビュー

第3回 若い人に「頑張れば稼げる仕事」と伝えたい

どんな仕事でも独立して一国一城の主となるのは勇気がいるもの。そんなときに支えとなるのが仲間の存在だ。これから鳶の世界に入ろうと思う人に先輩からメッセージをもらった。 29歳で独立し、自らの会社を立ち上げた川島さん。若くして社長となったわけだが、一番のきっかけはお金を稼ぐことではない。 「この仕事はひとりでできるものではありません。一緒にやろうと慕ってくれる仲間ができたことが会社を作ったきっかけです」 世間から見ると「若すぎる社長」と思われるかもしれないが、足場鳶の世界では20代後半から30代前半で独立することは決して異例ではない。ただ、独立するためには仕事を始めたときから将来を見据えた意識が必要となる。 「将来独立を考えているなら、この世界に入ったときからそれを目指すためにどうすればいいかを考えることが必要だと思います。足場を組む環境は、日々違うもの。同じ現場がない仕事なので、毎日同じ事を繰り返していくのではなく向上心をもって仕事をやっていくべきでしょう」 鳶は「やる気」と「経験」があれば上を目指すことができる。しかし独立まで視野に入れると話は変わってくる。たとえば10代や20代前半の若い鳶たちとのコミュニケーションに苦労していないのだろうか。テレビなどでは「ゆとり世代」とも揶揄される彼らとの付き合いは難しいのではないかと考えてしまうが川島さんは気にしていないと話す。 「若いかどうかを意識せず、楽しく仕事ができるようにすることを心がけています。もちろん叱らないといけないときはありますが、そんなときでもあまり感情的にならないように注意しています。あと『失敗を恐れるな』とはよく言っていますね」 若い鳶たちとは仕事以外でも一緒に食事をすることなどで積極的にコミュニケーションを図るという川島さん。とはいえ、人との距離を取るのが苦手な人だって飛び込める世界だと強調する。 「最初に言いましたが、この仕事はひとりではできない。一緒に作業する仲間たちとは自然に仲良くなるでしょう。社長になった現在でもどういう人がこの仕事に向いているかは正直わかりません(笑)。ただ、若い人に言いたいのは『頑張れば稼げる仕事』だということ。大変な仕事ではありますが、仕事を終えた達成感を仲間と分かち合えるのは最高に楽しいですよ」

Posted in THE 鳶~鳶のすべて

鳶が足場を組み上げるまで!

鳶が足場を組む作業工程を関係者以外が完成まで追うことは難しい 鳶に興味がある人のために、足場設置の流れを解説しよう! 建設現場において、当たり前のように組み上がっている足場。クサビ式足場は(1)作業前の工程、(2)第1層目の組立工程、(3)第2層目以降の組立工程、と大きく3つの工程で組み上げられる。 ■作業前の工程 足場作業に入る前にまず決めないといけないのが作業主任者、いわゆる“職長”だ。職長は技能講習修了者の中から指名され、作業現場の組立図や写真、また実際に現場へ行き敷地や地盤、障害物があるか、建物の特徴などを確認。そのうえで足場を組む鳶の手配を行い作業の分担を決める。 また現場の状況を考えながら必要な足場部材の手配が必要となる。部材が現場で足りなくなることが問題になるのはもちろん、多すぎても撤収作業などに時間がかかってしまうため見極めが重要な作業だ。 ■第1層目の組立工程 トラックより部材を降ろした後、最初の作業となるのが建物周辺に手摺(水平材)を配置することだ。その後、ジャッキの下に敷く敷板“ジャッキベース”をアンダーベースの上に固定。支柱を支える脚部の固定作業を行ったあと、建物のコーナー部に設置したジャッキベースから支柱を差し込んでいく。支柱と支柱を手摺を使用しハンマーで打ち込み固定。手摺を内側の支柱に固定し、建物に応じたスパン(間隔)を決めながら連結していき、作業床の取り付け位置が決め踏板をはめ込んでいく。 ■第2層目以降の組立工程 まずは第1層目と同じく建物のコーナー部から支柱、手摺を中央に向けて固定していき支柱の建込みを進めていく。次に手摺、ブラケット(アンチをはめる資材)、踏板を取り付けていき3層目以降は同じ工程を繰り返す。 ブラケットや足場板など部材は渡す側と受け取る側それぞれが分担作業とし、主に親方が組み立て作業を行っていくのが一般的だ。 ※上記はあくまで一般的な組上工程で、それぞれが並行して進むケースもあります。

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アーク溶接特別教育(あーくようせつとくべつきょういく)【建築の資格】

【資格の概要】 アーク溶接とは電気の放電現象を使って溶接する方法。アーク溶接を行うためにはアーク溶接特別教育を修了しなればならない。講習日数は2日間。 【受講資格】 満15歳以上 【講習内容】 <学科> アーク溶接等に関する知識 アーク溶接装置に関する基礎知識 アーク溶接等の作業の方法に関する知識 関係法令 <実技> 各事業所でアーク溶接装置の取扱い及びアーク溶接等の作業の方法に関する実技教育が10時間以上行われる。事業所での実技教育ができない場合は、別途アーク溶接実技講習を受講する。 【資格取得でできる仕事】 建設現場でアーク溶接を行う場合の必須資格なので、多くの職種で必要になる。

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鳶以外の職人も目指している! 一人前の職人になるなら持っていたい建築系資格【建築の資格】

土木・建築の仕事は危険も伴うので、技能講習や特別教育を受けて試験に合格しないと仕事に従事できないものもある 資格を持っていないと一人前になれないものもたくさん資格を取れば給料アップも期待できる! 土木・建築に関係する資格はたくさんあるが、大きくわけると3つの種類がある。 ●特別教育 事業者などが行う教育を受講することで取得できる資格。事業者ではなく都道府県の労働局長より登録された教育機関で教育を行うものもある。 ●技能講習 都道府県の労働局長より登録された教育機関が行う実技と学科の講習を受け、修了試験に合格すると取得できる資格。 ●免許 安全衛生技術試験協会のセンターで行われる国家試験に合格すると取得できる。難易度は高いが、免許を持っていると特別な仕事に従事できるほか、資格手当も期待できる。 難易度は特別教育がもっとも低く、免許は難易度が高い。技能講習に合格しないと一人前の職人として仕事ができないものも多いので、上を目指すならぜひチャレンジしてみよう!

川島工業の社長、川島完一さんビル上
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第1回 いまの自分を作った先輩の存在と言葉 鳶職人インタビュー川島工業 川島完一さん(32歳)

建設現場の最前線で活躍する鳶の本音に迫る本企画。最初に登場してもらったのは鳶として会社を興し、仲間と多くの現場を渡り歩く親方、川島工業 川島完一さん(32歳)。3回に渡り、彼の生き様をお届けしよう。 現在は17歳から30代まで9名の足場鳶を率いる川島工業の社長、川島完一さん。この世界に足を踏み入れたのは19歳のときだった。 「建設業を転々としていたときに求人情報誌のガテンを見たのがきっかけですね。足場鳶は未経験でしたが求人に応募しました。この仕事を選んだのは建設現場で足場の設営を目にすることが多かったことで、何をする仕事かがイメージできていたからかもしれません」 とはいえ、見るのと経験するのとは違う。建設現場で働いていたため体力的には問題なかったというものの、やってみて初めてわかる辛さがあった。 「夏場の作業が思っていたよりキツかったですね。冬場の寒さは動けば体が温かくなるのですが、夏は休み休み作業しないと体が持たない…」 夏の暑さ以外にも、深夜までかかる資材の片付けや集合時間が早いこともきつかった。また高さに対する恐怖もあった。 「40mくらいの高さまで足場を組むときがありますが、さすがにしびれますね。いまでもそう感じることは正直あります(苦笑)」 しかし、経験を積み現場をこなしていくことで自分に対しての自信が生まれたのだろうか。いつの間にか多くの課題を消化していたそうだ。 ただ、それを可能としたのは新人の頃に先輩の鳶から注意されたことがきっかけではないかと川島さんは話す。 「この仕事を始めたころ、現場でボーとしてしまったのですが、そのとき先輩から『おい、仕事をちゃんとやらないといつまでたっても終わらないぞ!』と注意されました。すごく単純な言葉に思えるかもしれませんが、仕事を始めたばかりの私にとって、とても心に響きました。作業をちゃんとやる。そんな当たり前のことが重要なのだとわかり、その後はそのことを意識して疲れていてもきちんと仕事をこなすようになりました」 足場鳶として13年のキャリアを持つ川島さんだが、その言葉だけでなく、先輩の存在がいまの立場を作ったといえるだろう。足場鳶とは、仲間の存在が大きな武器になる仕事なのだ。

スケール
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スケール【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】スケール 【使用用途など】 工事現場だけでなく一般的にも使用されるスケールは、簡単にいえば金属製のメジャーだ。 ホームセンターなどでは3mや4mといったものも売られているが、足場組立工事現場で使用するスケールは、幅25mmで長さは5m~5.5mサイズが多い。なぜなら足場の長さは1.8mのものが多いので、5.5mなら3本分、5mなら3本弱分まで測れるから。 製品のなかには、曲げによる測定トラブルを防ぐため爪に焼き入れ加工を施し強度を高めたものや、落下事故防止対策がなされているもの、落下時の衝撃を考え強度を増したケースを装着しているものが販売されるなどラインナップは豊富だ。 【市場価格】 1200~3800円

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ボルトクリッパ(ぼとるくりっぱ)【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】ボルトクリッパ(ぼとるくりっぱ) 【使用用途など】 鳶職人がクリッパーと呼ぶこの道具は、鋼材や線材、硬銅棒材などを切断する手動式カッターのこと。 足場組立て工事ではおもに番線を切ることに使用するため「番線カッター」と呼ぶ鳶職人も少なくない。 形状が似ている4mm程度の軟鋼線材が切断できるカッターと比べ 、製品サイズにはよるが5mmから18mm程度を切断できる強度と軽量化を両立してある。そのため現在は刃に焼入れした高炭素鋼「ばね鋼材SUP」を使用した製品が主流となっており、「鋼製パイプハンドル」と組み合わされる。 【市場価格】 3500~6000円

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ラチェット(らちぇっと)【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】ラチェット(らちぇっと) 【使用用途など】 正式名称は「(シノ付き)ラチェットレンチ」で、建設現場では資材同士を結合するクランプの先端についているボルトを締めるときに使用される。 締め付け側と反対側には鉄骨の穴を合わせたり番線を締め付ける「シノ」がついているためか、この道具を多くの鳶職人が「ラチェット」ではなく「シノ」と呼ぶ。 「シノ」は足場が丸太だった時代から鳶が使う道具で、十手の形をした、ラチェットがついていないものもある。 1987年に工具落下防止対策が工事安全基準に加えられたことで、本体には落下防止具の取付け用穴がつけられるようになった。 【市場価格】 1700~7000円(シノ付き)

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大工【現場に関わる職人たち】

【仕事内容】 主に一般戸建て住宅の木造建築や増改築を行う職人。鳶、左官などと並び歴史のある仕事だ。かつては多くの職人を束ねる“長”を大くと呼んでいたという。 木造軸組工法を手掛ける町大工のほか、ツーバイフォーやプレハブ工法などハウスメーカーごとに多様化した工法に対応する大工がいる。工務店を経営し、自らの会社で設計から施工までを請け負う人もいる。 木造建築以外にも、コンクリート建造物でも内部の木造部分は大工が手掛ける(造作大工)。また神社・仏閣などを専門に手掛ける宮大工も。伝統的に親方や職長など責任者のことを棟梁と呼ぶ。 【現場に入るタイミング】 基礎工事後

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第1回:確定申告ってナニ?【一人親方のための確定申告講座】

肌寒い季節になると巷で聞こえ始める「確定申告」という言葉。ところで「確定申告」って何かご存知ですか?なんとなく知っているけど、ちゃんと分かっているか心配ですよね。第1回目では「確定申告」とはどんなものか、説明します。 確定申告とは一年間で稼いだお金に対して国にいくらの税金(所得税)を納めるかを明確にする作業です。対象となるのは、前の年の1月1日から12月31日までの間に稼いだ金額。日本では稼ぎによって支払う税金の額が異なるため、確定申告が必要になるのです。 税金の額に影響するのは稼いだ金額だけではありません。医療費、保険料など、自分が支払ったお金も税金の計算で使います。これを控除と言います。 「稼いだ額」、「控除」などを決められた手順で計算すると、国に対していくらの税金を支払うのかが導き出されます。そして税務署に必要書類を添えて結果を提出する作業を「確定申告」といいます。 期日までに確定申告をすることで、払いすぎていた税金が返ってくることもあります。逆に申告を忘れると本来支払う税金以外に追加の税金を納めなければならなくなります。 これから確定申告について分かりやすく説明していきましょう。

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腰道具【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】腰道具(ハーネスタイプ)こしどうぐ(はーねすたいぷ) 【使用用途など】 鳶職人が着用するハーネスの腰回りに取り付けれる道具や道具を装着するための「差し」の総称を「腰道具」と呼ぶ。 ハーネスとは全身タイプの命綱付きベルトのことで、腰に巻くだけのタイプよりも安全性が高まる。現場によってハーネス安全帯の着用が義務付けられているところも。 写真に装着されているのは、右からハンマーとハンマー差し、ラチェットとシノ差し、クリッパ、水平器、スケール、そしてハーネス上部には鳶職人をはじめ、高所作業を行う職人の命綱として使用される安全帯が装備されている。 【市場価格】 15000~40000円(ハーネスのみ)

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ハンマー【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】ハンマー(はんまー) 【解説】 鳶職人の必須道具といえるハンマーは、物を打ち付けたり、潰したりする工具のこと。 足場組立て工事現場ではおもに結部に水平材や斜材の緊結部をとめるくさびを緊結部にたたき込むときに使われる。 ハンマーとハンマーの柄が手になじむかどうかは鳶職人にとって重要な問題で、職人によってはなじんだハンマーの寿命が来る前に複数本を用意。現場ではメインのハンマーを使用しながらもサブのハンマーを少しずつ手に慣らしていく地道な作業を行っている。また握りやすいよう持ち手を加工する職人もいるという。 【市場価格】 2000~6500円

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水平器【知って得する!鳶用語辞典】

【用語】水平器(すいへいき) 【解説】 一般的には水準器やレベルとも呼ばれ、地面に対する角度や傾斜を確認するのが「水平器」という道具。土木、建設現場では鳶職人だけでなく大工、測量者なども必ず携帯してると言っていい。 鳶職人は足場(ねがらみ)や建地の水平を確認するために使用し、腰道具に取り付けられるようシャックル(吊り荷をつなぐ結合金具)がついているものを選ぶのが一般的だ。 現在販売されている物は若い鳶職人向けなのか、カラーリングやデザインに凝っているものが少なくない。 【市場価格】 1500~4600円(シャックル付き)